建設会社のGoogleマップ対策|受注と採用で見られる項目と外注の分担
この記事の要点
- 見るのは施主・法人・元請・求職者。それぞれ確かめる項目が違う
- 施工写真は掲載前に6項目を確認。施主の家が特定される写真を防ぐ
- 外注するのは掲載と下書き。口コミのお願いと最終確認は社内に残す
建設会社のGoogleマップで受注と採用につながるのは、順位の高さよりも「会社が実在し、何の工事が得意で、今も営業している」と一目で分かる状態です。プロフィールを開くのは、工事を発注する施主や法人だけではありません。協力会社を探す元請や、応募前に会社を調べる求職者も、同じページを見ています。
この記事は、Googleマップの運用を社内で続けるか外注するかを決めたい、建設会社の経営者・役員の方に向けて書いています。読み終わる頃には、見られる項目の作り方、外注する作業と社内に残す作業、契約前に確認する質問を決められる状態を目指します。
登録やオーナー確認の操作は扱いません。事務所に来客がない会社の登録方法は、住所非公開でのGoogleビジネスプロフィール登録で解説しています。
Contents / 目次
建設会社のGoogleマップで受注と採用につながる項目
建設会社のGoogleマップで確かめられるのは、事務所の所在と対応エリア、得意な工事、施工写真、口コミと返信、電話がつながるかの5つです。見る相手によって重視する項目が違うため、受注と採用でどの相手に見てほしいかを先に決めます。
Googleビジネスプロフィールとは、Google検索とGoogleマップに出る会社情報を、事業者が無料で管理できるサービスです。Googleマップ対策は、このプロフィールの中身を、見る相手が知りたい順に作り込む作業を指します。
| 見る相手 | 調べる目的 | 主に見る項目 | 足りないと起きること |
|---|---|---|---|
| 個人の施主(リフォーム・外構・住宅) | 近くで依頼できる会社か | 対応エリア、施工写真、口コミと返信 | 外観の写真1枚だけでは得意な工事が伝わらず、比較の候補から外れることがある |
| 法人・管理組合(改修・大規模修繕) | 発注して問題のない会社か | 所在地、公式サイトとの社名・電話番号の一致、施工実績へのリンク | 社名や電話番号がサイトと違うと、実在の確認に時間がかかることがある |
| 元請(協力会社探し) | 対応できる工種と地域 | カテゴリ、サービス、対応エリア、電話番号 | 工種が書かれていないと、問い合わせ先の候補に入らないことがある |
| 求職者(採用) | 働く環境と会社の実在 | 事務所・現場・社員の写真、投稿、採用ページへのリンク | 最後の投稿が数年前だと、営業を続けているか不安に思われることがある |
4者のうち誰に力を入れるかは、自社がどこから仕事を得ているかで変わります。受注の大半が元請からの下請けで、一般の施主から直接受けていない会社なら、写真や口コミより先に、会社名・住所・電話番号が公式サイトと一致しているかと、採用ページへのリンクを確認します。
取り組むことは次の3つです。
- 見てほしい相手を決め、住所の表示・対応エリア・カテゴリをその相手に合わせて設定する
- 施工写真と採用の投稿を、決めた間隔で更新する
- 口コミのお願いと返信を、社内の誰が行うかを決める
3つのうち、口コミのお願いは外注できません。施主と顔を合わせているのは現場担当や営業担当なので、引き渡しのときに声をかけ、QRコードを載せた案内を渡す流れを社内で決めます。
その流れを自社で回したい場合は、無料で始められる口コミ管理ツールを使い、引き渡し後のアンケートに答えたすべての施主に、回答の内容にかかわらず、口コミの投稿を任意でお願いする進め方もあります。
この章の結論。自社の仕事の取り方に合わせて、4者のうち誰に向けたプロフィールにするかを決めます。相手が決まれば、次の5つのステップのどこに時間をかけるかも決まります。
施主・元請・求職者に伝わるプロフィールの作り方
作業は次の5つのステップで進めます。ステップ1と2は一度決めれば当面変えず、ステップ3〜5は毎月続けます。
ステップ1 住所の表示とサービス提供地域を決める
事務所で打ち合わせや面接をしているなら住所を表示し、来客がないなら住所を非表示にしてサービス提供地域を設定します。Googleビジネスプロフィールのガイドラインでは、顧客のもとへ出向いてサービスを提供する非店舗型のビジネスは、住所を非表示にするよう定められています。
住所を非表示にすると、元請や求職者は所在地を確かめにくくなります。その場合は、公式サイトの会社概要に所在地と建設業許可番号を載せ、プロフィールのウェブサイト欄からリンクします。
サービス提供地域には、実際に施工している市区町村を入れます。決め方はGoogleビジネスプロフィールのサービス提供地域の決め方で解説しています。
ステップ2 カテゴリとサービスに得意な工事を書く
メインのカテゴリには、売上の柱になっている工事に最も近いものを1つ選び、ほかの工種は追加のカテゴリに入れます。カテゴリは管理画面の候補から選ぶ形で、候補の名称は変わることがあるため、実際の画面で確認してください。
サービスの欄には「外壁塗装」「屋根の葺き替え」「マンションの大規模修繕」「木造住宅の解体」のように、施主や元請が検索する言い方で工種を書きます。「建築工事全般」のようなまとめた書き方では、何が得意かが伝わりません。
Googleビジネスプロフィールのガイドラインでは、説明文にリンクを入れることと、特別料金や特典を過度に強調することが認められていません。URLはウェブサイトの欄に入れ、割引や特典を前面に出す書き方は避けてください。
ビジネスの説明文は、次のひな形を埋めて使えます。
[会社名]は、[市区町村名]を中心に[主な工事を2〜3種類]を行う建設会社です。
[得意な工事]では、[対応できる工法・建物の規模・保有資格などの事実]に対応しています。
個人のお住まいの[工事]から、法人・管理組合の[工事]までご相談いただけます。
建設業許可 [許可行政庁] [許可番号]
採用情報は公式サイトの採用ページに掲載しています。
ステップ3 施工写真を選んで載せる
施工写真は、工事の種類ごとに着工前・施工中・完成の3枚を1組にして載せます。施主には仕上がりが、元請には工程の進め方が伝わります。月に何組を載せるかを決め、撮影は現場担当、掲載は事務所の担当か外注先と分けると続けやすくなります。
掲載する前に、次の6項目を確認します。
- 施主の掲載許可:口頭ではなく、書面かメールで残っているか
- 表札・住所の表示:家の名前や番地が読み取れないか
- 車のナンバー:施主や近隣の車のナンバーが写っていないか
- 近隣の家と通行人:隣家の窓の中や通行人の顔が写っていないか
- 位置情報:スマホで撮った写真の位置情報(Exif)を消したデータか
- 安全装備:ヘルメットや墜落制止用器具を着けていない作業の写真ではないか
位置情報と表札は、同じ写真を公式サイトやInstagramに使い回したときにも問題になります。元データの段階で位置情報を消し、表札にぼかしを入れておきます。安全装備の写真は、元請と求職者の両方が会社の安全管理を判断する材料になります。
ステップ4 採用情報を投稿とリンクで出す
「建設会社 採用」で調べる求職者は、求人広告やハローワークで社名を知ったあと、Googleマップで事務所や現場の写真を確かめることがあります。写真には、現場に加えて事務所・休憩スペース・社用車・朝礼の様子など、働く環境が分かるものを入れます。社員の顔が写る写真は、本人の同意を得てから載せます。
募集の告知は投稿機能で出し、給与・勤務時間・休日などの条件は自社の採用ページだけに書いて、投稿からリンクします。条件を2か所に書くと、片方だけ更新したときに数字が食い違うためです。
求人情報には職業安定法第5条の4の的確表示の決まりがあり、「虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示」をしないことと、情報を正確で最新の内容に保つことが求められています。募集を締め切った日に投稿を削除する担当も決めておきます。
【[職種]を募集しています】
[市区町村名]の現場で、[工事の種類]を担当する[職種]を募集しています。
[実際にある研修・資格取得の支援などの内容]
給与・勤務時間・休日などの条件は、採用ページに掲載しています。
(リンク先を設定できるボタン → 採用ページのURL)
ステップ5 口コミのお願いと返信の担当を決める
口コミは、引き渡しの日か、引き渡し後の最初の点検のときにお願いします。施主の記憶が新しく、担当者も声をかけやすい時期です。
謝礼・値引き・プレゼントと口コミを結びつけることは、Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーで禁止されています。依頼の文面は口コミで割引がGoogle規約違反になる理由と依頼文例も参考にしてください。
本日はお引き渡しまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
工事の感想をGoogleマップの口コミに書いていただけると、
これから工事を検討される方の参考になります。
お時間のあるときにお願いできれば幸いです。内容はご自由にお書きください。
(QRコード)
返信は、社内で期限(たとえば3営業日以内)と担当を決めます。下書きは外注先やAIに任せられますが、施主の名前・現場の住所・工事金額が返信に入っていないかは、社内で確認してから公開します。
結果は、ビジネス プロフィールのパフォーマンスで確認できる通話数・ルート・ウェブサイトのクリックの数を月ごとに表へ記録しておけば、写真や投稿を増やした月の前後で比べられます。
この章の結論。住所・カテゴリ・説明文は一度決めれば当面そのままで、毎月続くのは写真・投稿・口コミの3つです。この3つのうち、社内でなければできない作業(施主の許可、条件の確認、口コミのお願い)がどれかを、外注を考える前に決めておきます。
建設会社のGoogleマップで起きやすい失敗と効果が出にくい条件
建設会社に特有の失敗は、日中に事務所が無人になること、拠点が多くなりやすいこと、社名に工種を入れたくなることの3つから起きます。どれも、設定の段階で防げます。
日中に電話へ出られないまま番号を載せると、着信を取り逃す
電話番号に事務所の固定電話を載せていて、日中は社員の全員が現場に出ている会社では、Googleマップから電話をタップされても誰も出られません。施主は折り返しを待たずに、次の会社へ電話することがあります。防ぎ方は次の3つです。
- 営業時間を、事務所で電話に出られる時間に合わせる
- 不在の時間は携帯電話へ転送し、折り返す担当を決める
- ウェブサイト欄から問い合わせフォームへつなぎ、フォームに「翌営業日までにご連絡します」のように返信の目安を書く
資材置き場や現場事務所を登録すると、停止や重複の原因になる
近くの現場からも検索に出たいという理由で、資材置き場や現場事務所を別の拠点として登録すると、ガイドラインに合わない登録として停止されるおそれがあります。Googleビジネスプロフィールのガイドラインでは、営業時間中に顧客と直接対応している場所が登録の対象とされています。顧客に対応するスタッフがいない資材置き場や現場事務所は、この条件に当たりません。
停止されなくても、同じ社名のピンが複数出ると、元請や求職者はどれが本社か迷います。登録するのは、スタッフが常駐して電話や来客に対応する本社・営業所だけです。すでに重複がある場合は、Googleマップの重複を統合する手順で統合します。
社名に地域名や工種を足すと、プロフィール停止の対象になる
「○○建設|外壁塗装・屋根工事 ○○市」のように社名へ工種や地域名を足すと、Googleビジネスプロフィールのガイドラインでビジネス名に含められないとされている「サービスまたは商品の情報」と「所在地情報」に当たります。ガイドラインには、違反した事業者のプロフィールへのアクセスをGoogleが停止できることも定められています。
社名は看板や登記と同じ表記にし、工種はカテゴリとサービスの欄に書きます。詳しくはビジネス名にキーワードを入れるリスクで解説しています。
Googleマップ対策の効果が出にくい建設会社の条件
次の条件に当てはまる会社では、Googleマップからの問い合わせは増えにくくなります。その場合は目的を絞って、更新の手間を減らします。
- 受注の大半が下請け:元請との取引が紹介や継続の発注で決まるなら、Googleマップは実在の確認に使われる程度です。目的を採用と実在の確認に絞り、更新は月1回で足ります
- 施工エリアが県全域や複数の県:Googleはローカル検索結果のランキングを改善するヒントで、地図検索の順位が主に関連性・距離・知名度で決まると説明しています。事務所から離れた地域の発注者には、公式サイトの施工実績ページのほうが届きやすくなります
- 年間の引き渡し件数が少ない:口コミの件数で競合に追いつくのは難しいので、すべての口コミへの返信と施工写真の更新で、対応の丁寧さを伝えます
この章の結論。電話・拠点・社名の3つは、外注する前に社内で決めておく設定です。下請けが中心の会社や施工エリアの広い会社は、問い合わせの増加ではなく、採用と実在の確認を目的にすると費用と手間が見合います。
外注費用の内訳と契約前に確認する7つの質問
外注費用は、どの作業を、月に何件、誰が行うかで変わります。見積もりを比べるときは月額の総額ではなく、作業ごとの件数と、社内に残る作業を並べて比べます。
外注費用が変わる6つの要素
| 要素 | 費用が上がる条件 | 見積もりで確認すること |
|---|---|---|
| 施工写真 | 撮影者が現場に出向いて撮影する | 撮影の有無と、選定・掲載だけの場合の枚数 |
| 投稿 | 施工事例と採用の投稿を毎週出す | 月の本数と、文面を社内で確認する流れ |
| 口コミ返信 | 承認後の公開まで任せる | 下書きだけか、公開まで含むか |
| 拠点の数 | 本社と営業所を別々に運用する | 1拠点あたりの作業内容 |
| 報告 | 順位を計測する地点やキーワードが多い | 通話・経路の検索・クリックの数が入っているか |
| 初期設定 | 公式サイトや求人サイトの社名・住所・電話番号もそろえる | 初回だけの作業か、月額に含むか |
費用が見合うかは、「元が取れる受注件数=年間の外注費÷受注1件あたりの粗利」の式で確かめられます。仮にこの式で出た件数が年2件なら、過去の問い合わせ記録と照らして、Googleマップ経由で年2件の受注が見込めるかを判断します。
採用が目的なら、求人広告に払っている1人あたりの採用費と比べます。見積もりの読み方はMEO代行の見積もりチェックリストでも解説しています。
契約前に確認する7つの質問
- Googleビジネスプロフィールのオーナー権限は自社のアカウントに残し、代行会社は管理者として追加する形か
- 解約したとき、掲載した写真・投稿・説明文はそのまま残るか
- 順位の保証、口コミの代理投稿、謝礼つきの口コミ集めといった提案が含まれていないか
- 月額に含まれる写真・投稿・返信は、それぞれ何件か
- 施工写真の掲載前に、施主の許可と写り込みを誰が確認するか
- 採用投稿の給与や勤務条件を、公開前に社内の誰が確認するか
- 毎月の報告に、順位に加えて通話・経路の検索・クリックの数が入っているか
3番目の提案が含まれていたら、その時点で契約を見送ります。権限の渡し方はGoogleビジネスプロフィールの権限の違いで確認できます。
自社で行う作業と依頼する作業
施主や求職者に関わる確認は社内に残し、掲載・下書き・集計を外注するのが基本の分け方です。
| 作業 | 社内で行うこと | 依頼できること |
|---|---|---|
| 口コミのお願い | 引き渡し時の声かけ | 依頼文とQRコードの案内の作成 |
| 口コミ返信 | 公開前の最終確認 | 返信の下書き |
| 施工写真 | 撮影と施主の許可 | 選定と掲載 |
| 施工事例の投稿 | 工事内容の事実確認 | 文面の作成と予約投稿 |
| 採用投稿 | 給与・勤務条件の確認 | 文面の作成 |
| 営業時間・休業日 | 変更の連絡 | 反映と第三者による編集の確認 |
| 数字の確認 | 続けるかどうかの判断 | 集計と月ごとの報告 |
投稿や返信の下書きはAIでも作れますが、工事名・地名・施主が特定される情報が入っていないかは社内で確認します。AIで返信を作るときの分け方はGoogleクチコミのAI自動返信フローで解説しています。
依頼できる作業をまとめて任せたい場合は、口コミ返信と投稿までのMEO対策の代行で、返信の下書き、投稿、月ごとの数字の報告を任せられます。社内に残す確認作業の流れを先に決めてから運用を始めるので、掲載のたびに確認が止まる状態を防げます。
建設会社のGoogleマップでよくある質問
事務所に看板が無い建設会社でも、Googleマップに登録できますか?
登録できます。来客が無い場合は、住所を非表示にしてサービス提供地域で登録します。
オーナー確認で動画の撮影を求められることがあります。Googleのオーナー確認のヘルプでは、所在地が分かる屋外の目印や道路標識、商品や設備、従業員だけが入れる場所にアクセスする様子を映すよう案内されています。撮影の進め方は動画でのオーナー確認の手順で解説しています。
元社員にGoogleマップで悪い口コミを書かれたら、削除できますか?
Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーに当たる内容なら、削除を求めて報告できます。ポリシーでは、現在または過去の雇用関係にある人による投稿を利益相反として禁止しているほか、嫌がらせや、本人の同意のない個人情報の掲載なども禁止しています。判断の基準はGoogle口コミの削除依頼が通る基準で確認できます。
削除できない場合は、事実だけを落ち着いて返信します。求職者はその返信も読んでいます。
協力会社や社員に口コミを書いてもらってもいいですか?
おすすめしません。取引先や社員による投稿は、Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーで禁止されている利益相反(雇用関係や契約関係のある人による投稿)に当たり、口コミが削除される原因になります。口コミは、工事を発注した施主にお願いしてください。
建設会社の採用情報をGoogleマップに載せれば、求人広告は要らなくなりますか?
求人広告の代わりにはなりません。Googleマップは、求人広告やハローワークで社名を知った求職者が、応募の前に会社を確かめるときに開くページです。求人広告で知ってもらい、Googleマップの写真と採用ページで応募を後押しする、という役割分担で考えます。
まずはスマホで自社名を検索し、表示された電話番号と営業時間が、実際に電話へ出られる番号と時間になっているかを確認してください。外注先の候補を比べる段階なら、MEO対策の依頼先の決め方で、代行会社・制作会社・個人の違いを確認できます。
ここまで読んで、施工写真の確認や口コミ返信を社内だけで続けるのは難しそうだと感じた方は、コレットラボのGoogleマップの運用を任せるMEO対策をご覧ください。いまのプロフィールで何が足りないかを、一緒に洗い出すところから始められます。お話を伺うだけでも大丈夫ですので、気軽にご相談ください。
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