歯科医院のリスティング広告運用代行|費用内訳とNG表現の言い換え表
この記事の要点
- 費用は広告費・運用手数料・リンク先ページの修正費に分けて比べる
- 「地域No.1」や口コミ評価は広告文に使わない。言い換え表を本文に掲載
- 媒体の審査に通っても、医療法に合っているとは限らない。最終承認は院で行う
歯科医院のリスティング広告を運用代行に任せるなら、見積もりの総額を比べる前に、決めておくことが3つあります。費用の内訳をどう比べるか、広告文の表現を誰が確認するか、広告から入った予約をどう数えるかです。この3つが決まっていないと、代行会社を変えても同じところでつまずきます。
院長・理事長・事務長など、代行会社に任せるかどうかを決める立場の方に向けた記事です。1予約あたりの広告費の上限を決める計算式、代行会社に送る質問文、広告文の言い換え表を使えば、見積もりを取る前に判断の基準を決めておけます。
管理画面での設定手順は扱いません。自分で出稿してみたい方は、Google広告の出稿方法と予算の決め方を先にご覧ください。
Contents / 目次
歯科医院のリスティング広告を任せる前に決める3つのこと
運用代行を選ぶ前に院内で決めておくのは、次の3つです。どれも代行会社には決められないので、先に決めておくと見積もりを比べやすくなります。
- 1予約あたりにいくらまで広告費を使えるか(上限額)
- 広告文とリンク先ページの表現を、誰がどの基準で確認して承認するか
- 電話予約とWeb予約のうち、広告から来た件数をどう数えるか
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!で検索した人に、検索結果の上部などへ表示される広告のことです。クリックされたときだけ費用がかかるので、「〇〇駅 歯医者」「インプラント 費用 〇〇市」のように、すでに歯科医院を探している人に絞って表示できます。
| 決めること | 決めずに任せると起きること | 決め方 |
|---|---|---|
| 1予約あたりの上限額 | 報告書の数字が良いのか悪いのか、院で判断できない | 見込み売上×来院率×広告に回す割合で計算する(次の章) |
| 表現の確認と承認 | 比較優良・誇大・体験談にあたる文が、院の知らないうちに配信される | 承認者・確認の基準・返答期限を契約前に決める |
| 予約の数え方 | 電話予約が成果に入らず、効いている広告を止めてしまう | 受付での聞き取りと予約台帳の記録欄を用意する |
3つとは別に、配信の前に確かめておきたいのがリンク先のページです。インプラントや矯正、ホワイトニングなどの自由診療を広告するときは、リンク先のページに費用やリスク・副作用の説明が必要になります(詳しくは後の章で説明します)。説明がまだ無いまま配信を始めると、広告より先にページの修正が必要になります。
自由診療のページに費用や主なリスクの説明がまだ無い場合は、予約につなげるLP制作の相談で、広告のリンク先になるページを先に用意する進め方もあります。
クリック単価の一般的な考え方はリスティング広告の1クリック単価と予算の考え方で解説しています。この記事では、歯科医院に特有の判断に絞ってお伝えします。
この章で押さえておきたいのは、上限額・承認の流れ・予約の数え方の3つを院で決めておけば、どの代行会社の提案も同じ物差しで比べられる、ということです。
リスティング広告の費用の内訳と、1予約あたりの計算例
歯科医院のリスティング広告の費用は、Googleなどの媒体に払う広告費と、代行会社に払う運用手数料の合計です。これに加えて、初期設定費やリンク先ページの修正費が別にかかる場合があります。総額だけを見ると比べられないので、内訳ごとに見ていきます。
広告費はクリック単価と日予算で決まる
広告費は、クリックされた回数×1回あたりの単価(クリック単価)で決まります。クリック単価はオークションで決まるので、同じ地域で同じ検索語に広告を出す歯科医院が多いほど上がります。
月の広告費の上限は、1日の予算(日予算)で決まります。Google広告では、日によって日予算を超えて配信されることがありますが、1か月の請求は日予算×30.4を超えない仕組みです(Google広告ヘルプ「超過配信と1日の平均予算について」)。考え方は日予算×30.4で決まるGoogle広告の月額上限で詳しく説明しています。
運用代行の手数料は料率型と固定型で総額が変わる
運用代行の手数料には、広告費の一定割合を払う料率型と、毎月決まった額を払う固定型があります。料率型は広告費が少ないうちは安く、固定型は広告費が増えても手数料が変わりません。最低手数料や初期費用が別に決まっていることもあります。
2つの型を同じ条件で比べるため、仮の数字で計算してみます。どの数字も説明用に置いた仮の値で、実際のクリック単価や予約率は地域・診療メニュー・リンク先ページによって大きく変わります。
| 項目 | 料率型(仮に広告費の20%) | 固定型(仮に月3万円) |
|---|---|---|
| 日予算 | 3,000円 | 3,000円 |
| 月の広告費の上限 | 3,000円×30.4=91,200円 | 91,200円 |
| クリック数(仮にクリック単価300円) | 約304回 | 約304回 |
| 予約数(仮にクリックの3%) | 約9件 | 約9件 |
| 運用手数料 | 18,240円 | 30,000円 |
| 月の合計 | 109,440円 | 121,200円 |
| 1予約あたりの費用 | 約12,160円 | 約13,470円 |
広告費が月10万円前後のうちは、固定型の手数料の比重が大きくなります。広告費を増やしていく予定があるなら、料率型のほうが手数料が大きくなる境目を計算しておきましょう。手数料の型ごとの総額の出し方は固定と料率の違いと総額の出し方にまとめています。
1予約あたりに使える上限額を先に計算する
上の表の「1予約あたり約12,160円」が高いのか安いのかは、院の側で決めた上限額と比べないと判断できません。上限額は、次の式で出せます。
1予約あたりの広告費の上限
= 予約1件から見込む最初の治療期間の売上
× 予約から来院に至る割合
× 売上のうち広告に回してよい割合
(仮の例)
40,000円 × 80% × 30% = 9,600円
→ 上の表の約12,160円は上限を超えている
上限を超えていたら、代行会社には「予算を増やす」ではなく、配信する地域・検索語・リンク先ページのどれを修正するかを相談します。
保険診療の予約と、インプラントや矯正の予約では、1件から見込む売上が大きく違います。上限額は診療メニューごとに分けて出してください。粗利から逆算する考え方はCPAを粗利と受注率で逆算する方法でも解説しています。
ここまでで決まるのは、見積もりを受け取ったときに「この予算で何件の予約が入れば続ける価値があるか」を院の数字で判断するための基準です。
医療広告ガイドラインを広告文に当てはめる。NG表現の言い換え表
歯科医院のリスティング広告の文にも、医療法の広告規制がかかります。検索結果に出る数十文字の広告文も、リンク先のホームページも対象です。規制の内容と、厚生労働省の医療広告ガイドラインや関連資料は、厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」のページにまとめられています。
広告文で使えない表現の型
医療法第6条の5は、広告の基準として「他の病院又は診療所と比較して優良である旨を広告しないこと」「誇大な広告を行わないこと」を定めています。同じ条文の第1項は、虚偽の広告を禁じています。さらにガイドラインでは、患者の主観に基づく治療の内容や効果の体験談と、誤認させるおそれのある術前術後の写真も、禁止される広告として挙げられています。
この規制は「何人も」を対象にしていて、医院だけでなく広告を作る側も含まれます。代行会社が作った広告文でも、配信されるのは院の名前の広告です。
次の表は、歯科医院の広告文で書いてしまいがちな表現を、規制の型に当てはめて言い換えたものです。言い換え後の文も、書いてある内容が事実であることが前提です。
| 書いてしまいがちな表現 | 当たる型 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 地域No.1の歯科医院 | 比較優良 | 〇〇駅から徒歩3分の歯科医院 |
| 〇〇市でいちばんやさしい歯医者 | 比較優良(最上級の表現) | 土曜も18時まで診療。駐車場10台 |
| 絶対に失敗しないインプラント | 虚偽・誇大 | インプラント治療(自由診療・保険適用外)。標準的な費用〇〇円 |
| 芸能人も通うホワイトニング | 比較優良(著名人との関連を強調) | ホワイトニング(自由診療・保険適用外)。標準的な費用〇〇円 |
| 口コミ評価★4.8/患者さんの声多数 | 体験談 | 初診の流れと診療時間を掲載 |
言い換えるときは、事実と、リンク先のページで確かめられる情報だけを書きます。「どこより優れているか」「どれだけ効くか」を広告文で伝えようとすると、比較優良・誇大・体験談のどれかに当たりやすくなります。
自由診療の治療の方法を広告できるのは、保険診療と同じ手技のものか、医薬品医療機器等法で承認された医薬品・医療機器を承認の範囲で使うものに限られます。そのうえで、公的医療保険が適用されない旨と標準的な費用を併記する場合に限って広告できると、医療広告ガイドライン(厚生労働省・PDF)に書かれています。歯列矯正は、ガイドラインで例に挙げられています。
ホワイトニングは、使う薬剤が承認を得ているかどうかで扱いが変わるので、配信の前に確かめてください。言い換えの例は、この2つを併記した形にしています。「〇〇円」には、麻酔など別にかかる費用も含めた、窓口で負担する標準的な費用を入れます。
レスポンシブ検索広告は見出しを1本ずつ確認する
Google広告の検索広告は、複数の見出しと説明文を登録しておき、Googleが組み合わせて表示する形式が中心です(Google広告ヘルプ「レスポンシブ検索広告について」)。見出しを特定の位置に固定(ピン留め)する設定もありますが、固定していない見出しがどの見出しと並ぶかは、Googleが決めます。
そのため確認は、見出しを1本ずつ単独で読んでも問題ないかで行います。「インプラント」と「最短1日」のように、並んだときに効果を約束する意味にならないかも見ておきます。
自由診療のリンク先ページは限定解除の要件を確認する
限定解除とは、一定の要件を満たしたウェブサイトなどで、広告できる事項(広告可能事項)の範囲を超えた情報まで載せられる仕組みです。ガイドラインが定める要件は、要約すると次の4つです。自由診療を扱うページでは、3つ目と4つ目も満たす必要があります。
- 情報の性質:患者が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどであること
- 問い合わせ先:表示された内容について患者が問い合わせできるよう、連絡先などを明示していること
- 治療内容と費用:自由診療の場合、通常必要とされる治療の内容と費用を載せていること
- リスクと副作用:自由診療の場合、主なリスクと副作用を載せていること
ガイドラインでは、検索サイトで検索したときにスポンサーとして表示される広告は、1つ目の要件を満たさないものとして挙げられています。そのため、検索結果に出る広告文そのものには限定解除を使えません。広告文は広告可能事項の範囲で短く書き、詳しい説明はリンク先のページで4つの要件を満たして載せます。
媒体の広告ポリシーは医療法とは別に審査される
GoogleもLINEヤフーも、医療分野に独自の広告ポリシーを持っています。Googleは、医療・医薬品に関する広告の基準をGoogle広告のポリシー「ヘルスケア、医薬品」で公開しています。
LINEヤフー広告(Yahoo!検索に表示される検索広告など)は、医療広告ガイドライン項目別の掲載できない表現例を公式の学習サイトで公開しています。
媒体の審査は、その媒体のポリシーに合っているかを見るものです。審査を通ったことは、医療法に合っている証明にはなりません。確認は、媒体のポリシーと医療広告ガイドラインの両方で行います。
広告文の確認で使うのは、言い換え表の5つの型と、自由診療ページの限定解除4要件です。この2つを手元のチェック項目にしておけば、代行会社から届いた広告文案を院で承認できます。
運用代行を選ぶ前に進める5つのステップ
ここからは、代行会社に声をかける前から、配信を始めて3か月後に続けるかを決めるまでの流れです。どのステップも管理画面の操作ではなく、院で決めることと、代行会社に確かめることです。
ステップ1。診療メニューごとの上限額を書き出す
前の章の式に、自院の数字を入れます。保険診療の一般歯科、インプラント、矯正、ホワイトニングのように、広告を出したいメニューごとに1行ずつ書き出してください。
数字が分からない項目は、過去1年の新患の来院記録から概算で構いません。この表があると、代行会社の提案を「どのメニューに予算を寄せるか」で比べられます。
ステップ2。電話予約とWeb予約の数え方を決める
広告からの予約を数える方法は、予約の受け方によって変わります。電話で予約を受けている医院では、受付で聞き取って記録しないと、広告経由の電話予約が成果に入りません。
受付の聞き取りは、次のような文面と記録欄で始められます。
【受付での聞き方】
「当院を何でお知りになりましたか。差し支えなければ教えてください。」
【予約台帳に足す列】
・きっかけ(検索広告/Googleマップ/ホームページ/紹介/看板/その他)
・予約したメニュー(一般歯科/インプラント/矯正/ホワイトニング など)
・来院したか(来院/キャンセル)
Web予約は、予約システムが院のホームページとは別のドメインにある場合、予約完了を広告の成果として数えられないことがあります。代行会社に見積もりを依頼するときに、使っている予約システムの名前を伝え、計測できるかを確認しておきましょう。
ステップ3。見積もり依頼で代行会社に質問を送る
見積もりを依頼するときは、金額と一緒に次の質問への回答をもらいます。回答を並べると、同じ金額でも中身の違いが分かります。
件名:リスティング広告の運用についてのご質問([医院名])
[代行会社名]ご担当者様
リスティング広告の運用をご相談したく、見積もりとあわせて以下を教えてください。
1. 運用手数料の計算方法(料率か固定か)、最低手数料、初期費用の有無と金額
2. 広告アカウントの名義は当院か貴社か。契約終了時に、配信履歴ごと当院へ引き継げるか
3. 広告文とリンク先ページの医療広告ガイドライン確認は、誰が、どの資料を基準に行うか
4. 当院の承認なしに配信される文はあるか(「テキストのカスタマイズ」など、見出しや説明文を自動で作る設定を含む)
5. 電話予約とWeb予約(予約システム名:[システム名])を、それぞれどう計測するか
6. 月次報告に載る数字(費用・クリック数・予約件数・1予約あたりの費用)と報告の頻度
7. 求人・口コミなど、来院につながらない検索語の除外をどのくらいの頻度で確認するか
8. 契約期間と、解約の申し出期限
どうぞよろしくお願いいたします。
[医院名][担当者名][電話番号]
ステップ4。広告文の承認の流れを決める
契約前に、広告文とリンク先ページの修正を誰が承認するか、何日以内に返答するかを決めておきます。院長が承認者になる場合、診療の合間に確認できる返答期限にしておかないと、承認待ちで配信が止まります。
承認するときは、言い換え表の5つの型と、自由診療ページの4要件で確認します。代行会社の一次確認を受けたうえで、院が最終承認する形にしておきましょう。
ステップ5。最初の3か月で見る数字を決める
配信を始めてすぐの数字は、検索語の除外や入札の調整が進む前のものです。月ごとに見る数字を分けておくと、早すぎる判断を避けられます。
| 時期 | 見る数字 | 判断すること |
|---|---|---|
| 1か月目 | 実際に検索された語句の一覧 | 求人・口コミ・遠方の地名など、来院につながらない語を除外したか |
| 2か月目 | メニュー別の予約件数と1予約あたりの費用 | 上限額を超えているメニューの、地域・検索語・リンク先のどれを修正するか |
| 3か月目 | 予約から来院に至った件数 | ステップ1の上限額と比べて、続けるか・予算を移すか |
契約前に確認する項目を、チェックリストにまとめます。
- 上限額:メニューごとの1予約あたりの上限額を書き出した
- 予約の記録:受付の聞き取りと、予約台帳のきっかけ欄を用意した
- Web予約の計測:予約システムで予約完了を数えられるか、代行会社に確認した
- アカウント名義:広告アカウントが院の名義か、引き継げるかを確認した
- 承認の流れ:承認者と返答期限を決めた
- 自動作成の文:院の承認なしに配信される文があるかを確認した
- リンク先ページ:自由診療のページに費用・治療内容・主なリスクと副作用・問い合わせ先がある
5つのステップを終えると、代行会社を選ぶ基準と、3か月後に続けるかを判断する数字が院の側で決まります。
運用代行に任せると何が分かるようになるか
リスティング広告の運用代行で変わるのは、予約の数そのものより先に、どの検索とどのメニューに広告費が使われているかが月ごとに分かるようになる点です。予約件数は、地域の競合や診療メニューによって変わるので、成果を約束できるものではありません。
予約台帳にきっかけを記録していれば、広告を出した月と出していない月で、検索広告経由の予約件数を比べられます。記録が無いと、予約が増えても広告の効果なのか、季節やGoogleマップの効果なのかを見分けられません。
メニューごとに予算を分けておけば、インプラントの予約1件にいくらかかっているか、保険診療の予約1件にいくらかかっているかを別々に見られます。上限額を超えたメニューだけを修正できるので、広告全体を止める判断をしなくて済みます。
実際に検索された語句を毎月確認していれば、「歯科衛生士 求人」のような来院につながらない検索への広告費を減らせます。表記の違う語句や新しい語句は毎月出てくるので、一覧の確認は配信を続けるあいだ毎月行います。
広告文の案は、生成AIで数多く作れるようになりました。ただ、AIが作った案が比較優良や体験談に当たるかの判断は、言い換え表の型に沿って人が行います。AIに任せられるのは案を出すところまでで、承認は院の役割として残ります。
運用代行の成果を見る物差しは、予約件数よりも、メニュー別の1予約あたりの費用と、上限額との差です。
歯科医院のリスティング広告の失敗例と防ぎ方
ここで取り上げるのは、歯科医院のリスティング広告に特有の失敗です。どれも契約前か配信開始の直後に手を打てます。
媒体の審査に通った広告文を、ガイドラインにも合うと判断してしまう
Google広告やLINEヤフー広告の審査に通ると、広告文に問題が無いと考えてしまいがちです。ただ、媒体の審査は媒体のポリシーに照らしたもので、医療法に合っているかを確かめたものではありません。
そのまま「地域No.1」のような比較優良の表現で配信を続けると、配信されているのは院の名前の広告なので、指摘を受けるのは院です。防ぐには、審査の結果とは別に、承認の段階で言い換え表の5つの型に当たらないかを確認します。
見出しの自動作成を使うと、院が確認していない文が配信される
Google広告の検索キャンペーンには、「テキストのカスタマイズ」という設定があります。オンにすると、リンク先のページやドメイン、既存の広告、広告グループのキーワードなどをもとに、Googleが見出しや説明文を新しく作って表示します(Google広告ヘルプ「検索キャンペーンのテキストのカスタマイズについて」)。
ヘルプには、リンク先のページのどの部分が材料になるかまでは書かれていません。患者さんの声や口コミの評価を載せたページをリンク先にしている場合は、その部分も材料になりうると考えておきましょう。防ぐには、この設定を使うかどうかを契約前に代行会社と決めます。使う場合は、リンク先のページから体験談を外してから配信します。
予約システムが別ドメインだと、Web予約が広告の成果に数えられない
外部の予約システムを使っていて、予約画面が院のホームページとは別のドメインにある場合、広告のクリックから予約完了までを追えないことがあります。報告書では予約が0件に見えるので、実際には予約が入っている広告を止めてしまいます。
防ぐには、予約システムが計測の仕組みに対応しているかを配信前に確かめます。対応していない場合は、予約システム側の予約一覧と予約台帳のきっかけ欄を突き合わせて、月ごとに件数を数えます。
「歯科衛生士 求人」「歯医者 口コミ」の検索に広告費が使われる
「歯医者」「歯科」を含む検索語で広く配信すると、求人を探す人や、口コミを調べている人の検索にも広告が表示されます。クリックされれば広告費はかかりますが、予約にはつながりません。
防ぐには、1か月目に実際に検索された語句の一覧を見て、「求人」「バイト」「口コミ」「評判」や、商圏の外の地名を除外します。除外の方式の違いは除外キーワードのマッチタイプの使い分けで説明しています。
4つの失敗は、承認の段階で表現を確認すること、配信前に計測を確かめること、1か月目に検索語を見ることで防げます。どれも契約前の質問に入れておけば、代行会社との役割分担として決まります。
見積書に出ないコストと、運用代行が向かない条件
運用代行の見積書に載るのは、ほとんどの場合、広告費と運用手数料、初期費用までです。歯科医院の場合は、それ以外にかかるお金と時間を先に見ておくと、契約後の予算オーバーを防げます。
見積書に載りにくい費用と時間
- リンク先ページの修正費:自由診療のページに費用・治療内容・主なリスクと副作用を書き足す作業。運用代行の範囲外で、制作会社に別途依頼することが多い
- 電話の計測費:計測用の電話番号を使うサービスを入れる場合の月額費用
- 予約システムの設定費:予約完了を計測するための設定が、予約システム側で有料になる場合
- 院の承認にかかる時間:広告文やページ修正の確認。院長が承認者なら、診療時間外の時間を使うことになる
検索数が少ない商圏では、予算を増やしても予約は増えにくい
リスティング広告は、検索された回数以上には表示されません。人口の少ない地域で「地域名+歯医者」を検索する人が月に数十人しかいなければ、日予算を増やしても表示回数は頭打ちになります。
契約前に、配信予定の検索語がどのくらい検索されているかの見込みを代行会社に出してもらいましょう。検索数の見込みの調べ方はキーワードプランナーの使い方で解説しています。検索数が少ない地域では、リスティング広告よりGoogleマップでの見え方に時間を使うほうが、予約につながりやすい場合があります。
料率型の手数料では、増額の提案の根拠を確かめる
料率型の手数料は、広告費が増えるほど手数料も増える仕組みです。代行会社から予算の増額を提案されたときは、増やした分でメニュー別の1予約あたりの費用が上限額に収まる見込みがあるかを確かめます。
上限額を超えているメニューがあるなら、予算を増やす前に、地域・検索語・リンク先ページの修正を先に相談しましょう。
広告アカウントの名義で、解約後に残るものが変わる
広告アカウントが代行会社の名義だと、解約したあとに、これまでの配信履歴や除外した検索語の一覧を院で引き継げないことがあります。代行会社を変えたときに、1か月目の検索語の除外からやり直しになります。引き継ぎで確認することは広告代理店を変えるときのアカウント引き継ぎの手順にまとめています。
見積書の金額に加えて、リンク先の修正費・計測費・承認の時間を見込み、検索数の見込みと名義を確かめておけば、契約後に想定外の費用が増えるのを防げます。
院で行う範囲と、運用会社に依頼する範囲
歯科医院のリスティング広告では、判断の材料と最終承認は院に残り、配信の設定と日々の調整を運用会社に依頼する形が基本です。役割を分けると次のようになります。
| 作業 | 院で行う | 運用会社に依頼する |
|---|---|---|
| メニュー別の上限額 | 見込み売上と広告に回す割合を決める | 上限額に沿って予算の配分を提案する |
| 広告文 | 最終承認 | 案の作成と、ガイドラインに照らした一次確認 |
| リンク先ページ | 費用・リスクなど正確な情報を出す | 広告文とページの内容が合っているかを確認する |
| 予約の計測 | 受付での聞き取りと予約台帳の記録 | Web予約の計測設定と、月次の突き合わせ |
| 検索語の除外・入札 | 休診日や診療時間の変更を連絡する | 毎月の確認と設定の修正 |
配信の設定を任せつつ、上限額に照らした判断は院でも行いたい場合は、予約数から見直すWeb広告運用の支援という進め方もあります。
歯科医院のリスティング広告でよくある質問
医療専門をうたう代行会社なら、ガイドラインの確認は任せきりで大丈夫ですか?
一次確認は任せられますが、最終承認は院で行ってください。医療法の広告規制は「何人も」が対象で、配信されるのは院の名前の広告です。代行会社がどの資料を基準に確認しているかを契約前に聞き、届いた案を言い換え表の型で見てから承認すると安心です。
矯正やインプラントだけ広告を出して、保険診療は出さないこともできますか?
できます。メニューごとに広告のまとまり(キャンペーン)を分ければ、予算も検索語も別々に決められます。その場合、リンク先も各メニューのページにし、費用・治療内容・主なリスクと副作用・問い合わせ先を載せておきます。1予約あたりの上限額もメニューごとに出してください。
Googleマップ(MEO)に力を入れていれば、リスティング広告は要りませんか?
役割が違うので、予約台帳のきっかけ欄で判断するのが確実です。Googleマップは近くの歯医者を探す検索に強く、リスティング広告は「インプラント 費用」のように治療内容で探す検索にも表示できます。きっかけ欄で「Googleマップ」が多ければ、そちらを優先する判断もあります。
ホームページに患者さんの口コミを載せています。広告のリンク先にしてもいいですか?
治療の内容や効果に関する患者さんの体験談は、ガイドラインで禁止される広告に挙げられています。広告のリンク先にするページからは外しておくのが安全です。また、Google広告の「テキストのカスタマイズ」を使うと、リンク先のページの内容も見出しや説明文を作る材料になります。この設定を使っているかも確認してください。
まずは受付で、この1週間の新規予約のうち何件が「インターネットで見た」だったかを数えてみてください。それが、広告を任せるかを判断するときの最初の数字になります。見積もりを比べる段階に進んだら、運用代行の手数料の内訳と総額の比べ方も参考になります。
ここまで読んで、上限額の計算や広告文の確認を院内だけで続けるのは難しいと感じた方は、広告運用のマーケティング支援で、毎月の判断と設定の修正を一緒に進める方法もあります。いまの広告費と予約の件数を伺うところからで大丈夫です。気軽にご相談ください。
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