採用のWeb広告の費用相場の出し方|代行に任せる作業と効果測定

採用のWeb広告の費用相場の出し方|代行に任せる作業と効果測定

この記事の要点

  • 費用は広告費・手数料・制作費の合計。月額は採用人数から逆算する
  • 効果測定は応募単価で止めず、面接・採用・在籍まで社内の表で追う
  • 契約前の確認7項目と、求人広告で避ける表示の言い換え表を掲載

採用のWeb広告に、職種や地域を問わず当てはまる費用相場はありません。月の費用は「広告費」「運用代行の手数料」「採用ページや原稿の制作費」の合計で、金額は採用したい人数と、応募から採用までの歩留まりから逆算して決めます。効果測定で判断に使うのは応募数ではなく、面接・採用・在籍までつなげた採用単価です。

求人のWeb広告を運用代行に依頼するか検討している経営者・院長・施設長の方に向けた記事です。読み終わる頃には、見積書の内訳を確かめ、毎月の報告で求める数字を決められる状態を目指します。

求人サイトの掲載や人材紹介の比較は扱いません。介護の職種に絞った話は介護施設の採用代行で任せる作業と応募単価の計算例で解説しています。

Contents / 目次
  1. 採用のWeb広告の費用相場と内訳
  2. 採用のWeb広告の効果測定で見る数字と測り方
  3. 運用代行に任せる作業と契約前に確認すること
  4. 採用のWeb広告がうまくいかない条件と求人広告の表示ルール
  5. 採用のWeb広告の費用と効果測定でよくある質問

採用のWeb広告の費用相場と内訳

採用のWeb広告の費用は、媒体に払う広告費、運用代行会社に払う手数料、採用ページや原稿の制作費を足した額です。見積もりを比べるときは月額の合計ではなく、内訳と、それぞれに含まれる作業をそろえて比べます。

運用代行とは、Google広告やMeta広告(FacebookとInstagramの広告)の配信設定・入札・広告文の差し替え・報告を、外部の会社が代わりに行う契約のことです。計測の設定費を別に出す会社もあるため、表では4つに分けます。

費用何に払うか金額が変わる条件見積書で確かめること
広告費Google・Metaなどの媒体職種の競合の多さ、配信地域の広さ、募集期間自社が媒体に直接払うか、代行会社の立て替えか
運用代行の手数料配信設定・広告文の改善・報告料率か固定額か、媒体の数、報告の頻度含まれる作業と最低契約期間
制作費採用ページ、求人原稿、写真や動画採用ページの有無、撮影の有無初回だけか毎月か、修正の回数
計測の設定費GA4と広告のコンバージョン、応募フォームの計測応募の入口の数(フォーム・電話・LINE)どのアカウントに誰が設定するか

広告費の払い先を確かめる。自社のカードで媒体に直接払うのか、代行会社が立て替えて請求するのかで、手数料の計算の元になる金額と、契約を終えたあとの広告アカウントの扱いが変わります。

月の広告費は採用したい人数から逆算する

金額は職種・地域・時期で大きく変わります。この記事で確認した範囲では、職種や地域を問わず使える公的な統計は見つかりませんでした。そこで、月の広告費は次の順で自社の数字から出します。

  1. この募集で採用したい人数を決める(仮に2人)
  2. 過去の募集で、応募何人につき1人を採用できたかを出す(仮に10人に1人)。この例では応募が20人必要
  3. 1応募あたりの広告費を仮に決める(仮に1万円)。20人×1万円で、広告費は月20万円
  4. 手数料と制作費を足す。手数料が広告費の20%なら4万円で、月24万円に制作費の月割りを足した額が月の費用

数字はすべて仮の値です。応募単価は職種と地域で大きく変わるため、1〜2か月配信した実績で3の数字を差し替えます。料率と固定額の違いは広告運用代行の手数料を固定と料率で比べる記事で計算しています。

Google広告では、日予算を月の予算から割り戻して設定します。1日の費用と月の請求の上限の決まり方は、設定する前にGoogle広告ヘルプで最新の内容を確かめてください。考え方はGoogle広告の月額上限の決まり方で解説しています。

採用ページが無い、求人サイトとWeb広告のどちらに予算を使うか決まっていない段階では、広告費の計算より先に始める順番を決める必要があります。その場合はWeb集客・Webマーケティングの相談で、いま行っている施策と、応募数など確認できている数字を伺い、先に着手する施策の順番をご相談いただけます。

この章で押さえるのは、見積もりを内訳でそろえて比べることと、月の広告費を「採用人数×1人の採用に必要な応募数×応募単価」で自社の数字から出すことです。

採用のWeb広告の効果測定で見る数字と測り方

採用のWeb広告の効果測定は、面接・採用・3か月後の在籍までつなげた採用単価で判断します。広告の管理画面とGA4(Googleアナリティクス4)で分かるのは応募までで、面接から先の数字は社内にしかありません。

数字計算式分かるところ判断すること
クリック単価広告費÷クリック数広告の管理画面職種の競合の強さ
応募率応募数÷クリック数広告の管理画面・GA4採用ページと応募フォームの出来
応募単価広告費÷応募数広告の管理画面・GA4広告の効率(ここで判断を止めない)
面接設定率面接数÷応募数社内の応募管理表応募者が条件に合っているか
採用単価(広告費+手数料+制作費)÷採用数社内の応募管理表媒体を続けるか、変えるか
在籍率3か月後の在籍数÷採用数社内の記録広告で集めた応募者が仕事に合っていたか

仮の数字で計算します。広告費20万円・手数料4万円・制作費の月割り2万円で、クリック1,000回、応募20人、面接10人、採用2人だったとします。応募単価は1万円、採用単価は(20万円+4万円+2万円)÷2人で13万円です。

別の媒体で応募単価が8,000円でも、採用が0人なら、その媒体の費用は採用に1円もつながっていません。応募単価だけを並べた報告では、この差が分かりません。

ステップ1。応募の入口をすべて書き出す

応募フォーム・電話・LINE・メール・求人サービスの応募ボタンのように、応募が届く入口を書き出し、それぞれ自社で数えられるかを確かめます。求人サービスの画面の中で応募が完了する場合、その応募は自社のGA4に記録されません。電話の応募も、受けた担当者が記録しない限り数字に出ません。

ステップ2。応募完了をGA4のキーイベントと広告のコンバージョンにする

キーイベントとは、GA4で応募や問い合わせなど成果として印を付けたイベントのことです。応募フォームの送信完了をキーイベントにし、Google広告のコンバージョンにも設定します。応募には、GA4ヘルプの推奨イベントに載っている generate_lead(問い合わせのためにフォームやリクエストを送信したときのイベント)を使えます。

GA4の拡張計測機能でフォームの操作を計測している場合、フォームを送信すると form_submit というイベントが送られます。GTM(Googleタグマネージャー)から generate_lead を送るとイベント名は別になるため、form_submit と generate_lead の両方をキーイベントやGoogle広告のコンバージョンに指定すると、1回の応募を二重に数えます。

成果に数えるイベントは、どちらか一方だけにします。設定はフォーム送信をGA4とGTMで計測する設定手順のとおりです。

GA4で作ったコンバージョンをGoogle広告に取り込んだら、Google広告の管理画面で、そのコンバージョンが入札に使う「メイン」になっているかを確かめます。メインとサブの違いと切り替え方は、Google広告ヘルプのメインとサブのコンバージョン アクションについてに載っています。

ステップ3。面接・採用・在籍を応募管理表に記録する

面接から先は、応募者1人を1行にした表で記録します。名前は書かずに番号で管理し、名前と連絡先は別の表か採用管理の仕組みに分けます。

職業安定法第5条の5は、求職者の個人情報を、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして集め、その目的の範囲内で保管し、使うよう求めています。条文は、e-Gov法令検索の職業安定法で確認できます。

応募日,応募者番号,応募の入口,広告媒体,職種,面接日,結果,入社日,3か月後の在籍
2026-10-01,A-001,応募フォーム,Google広告,介護職,2026-10-06,採用,2026-11-01,在籍
2026-10-03,A-002,電話,Meta広告,介護職,,辞退,,

「応募の入口」と「広告媒体」を別の列にするのがポイントです。電話で応募した方に何で求人を知ったかを尋ね、その答えを「広告媒体」に書けば、電話の応募も媒体ごとに数えられます。設問の作り方は広告の効果をアンケートで補う設問と集計の手順で解説しています。

ステップ4。月に1回、媒体ごとの採用単価を出す

上の表をスプレッドシートに貼った場合、媒体ごとの採用数は次の式で数えられます。A列が応募日、D列が広告媒体、G列が結果です。例は、2026年10月に応募した方のうち、Google広告から応募して採用した人数を数える式です。

=COUNTIFS(D:D,"Google広告",G:G,"採用",A:A,">="&DATE(2026,10,1),A:A,"<"&DATE(2026,11,1))

集計する月を変えるときは、2つのDATEの日付を、その月の1日と翌月の1日に書き換えます。この数で「その媒体の広告費+手数料の按分+制作費の月割り」を割ると、媒体ごとの採用単価が出ます。応募から採用まで数週間かかるため、採用が決まった月ではなく応募した月で集計すると、どの月の広告が採用につながったかを比べられます。

面接や採用の結果をGoogle広告に送り、入札に使う方法もあります。ただし、使える方式や、クリックから何日後の結果まで取り込めるかは変わることがあるため、使う前にGoogle広告ヘルプで最新の仕様を確かめます。応募から採用まで数か月かかる職種では、特に取り込める期間を確認してください。

年に数人しか採用しない会社では、成果に数える採用の件数そのものがごく少なくなります。そのため、入札の成果は件数が出やすい応募か面接設定にし、媒体を続けるかどうかは応募管理表の採用単価で決めます。

この章で押さえるのは、応募までは広告とGA4で、面接から先は応募管理表で数え、両方を合わせた採用単価で媒体を比べることです。

運用代行に任せる作業と契約前に確認すること

運用代行に任せられるのは、配信の設定、広告文の作成と差し替え、数字の報告と改善です。募集内容の確定、表示の最終確認、応募者への連絡、面接から先の記録は、自社に残る作業です。

自社で行う作業と依頼する作業

作業担当決めておくこと
媒体の選定、配信地域と予算の設定依頼する通勤できる地域を自社から伝える
広告文・画像の作成と差し替え依頼する公開前に誰が承認するか
給与・勤務時間・業務内容の確定自社で行う採用ページと広告文を同じ内容にする
求人広告の表示の最終確認自社で行う年齢・性別を限る言葉が無いか
応募者への連絡と面接の日程調整自社で行う連絡までの日数も表に記録する
面接・採用・在籍の記録自社で行うステップ3の表を毎月共有する
月次の報告と翌月の変更依頼する社内の表の数字を報告に合わせてもらう
採用が決まったときの配信停止自社が連絡し、代行会社が止める連絡から停止までの日数

広告文や求人原稿の下書きは、生成AIでも短時間に何十案も作れます。依頼する価値は案の数ではなく、毎月の数字を見て、どの広告文を残し、どれを止めるかを決める判断にあります。AIや代行会社が作った原稿は、給与と勤務時間が採用ページと一致しているか、年齢・性別を限る言葉が無いかを、採用担当者が公開前に確認します。

契約前に確認する7項目

  • 広告アカウントの名義:自社名義のアカウントか、代理店が作って管理するアカウントか。代理店のクライアント センター(MCC)アカウントから作る場合は、契約を終えたあとに誰のアカウントになるか
  • 管理者権限:自社が管理者権限を持てるか。契約を終えたあとも、自社だけで過去の配信の履歴を見られるか
  • 支払いの元:広告費を誰の支払い方法で払うか。代理店の請求書払いの場合、契約を終えたあとに支払いをどう切り替え、切り替えるまでの間に広告が止まるかどうか
  • 報告に含む数字:応募単価までか。社内の応募管理表と合わせた採用単価まで出してもらえるか
  • 配信停止の期限:採用が決まって連絡してから、何日以内に止めるか
  • 原稿の承認:公開前に自社が確認する流れが契約に入っているか
  • 解約時に受け取るもの:広告文・画像・月次の報告書を受け取れるか、最低契約期間は何か月か

応募数を約束する提案は、どの予算・職種・期間を前提にした数字かを確かめます。代行会社を変えるときの手順は広告代理店の変更とアカウント引き継ぎの手順にあります。

この章で押さえるのは、配信と改善は依頼し、募集内容と面接から先の記録は自社で持つこと、アカウントの名義と停止の期限を契約前に決めることです。

採用のWeb広告がうまくいかない条件と求人広告の表示ルール

採用のWeb広告が採用につながらない原因は、成果に数える行動の選び方、数えられない応募、法律に沿わない表示の3つです。どれも配信前の取り決めで防げます。

応募数だけを成果にすると、条件に合わない応募が増える

Google広告の自動入札は、クリックやコンバージョンにつながる可能性に基づいて入札単価を設定します(Google広告ヘルプ自動入札機能について)。応募の送信だけを成果にすると、配信は応募が増える方向に動き、資格や勤務できる曜日が合わない応募も同じ1件に数えられます。

防ぐには、応募フォームに資格の有無と勤務できる曜日の必須項目を入れ、応募管理表で面接設定率を毎月確かめます。面接設定率が前月より下がったら、広告文と採用ページの条件の書き方を見直します。

電話や求人サービス経由の応募が数えられず、広告を早く止めてしまう

応募の多くが電話や求人サービスの画面で届く職種では、広告の管理画面の応募数が実際より少なく出ます。この数字だけで判断すると、採用につながっている広告まで止めてしまいます。ステップ1で入口を書き出し、電話の応募者にも何で知ったかを尋ねて、媒体ごとの応募数を社内の表で補います。

採用が決まっても広告が出続ける

職業安定法第5条の4は、求人の情報について、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をせず、正確かつ最新の内容に保つよう求めています。採用が決まった求人の広告が出続けると、この決まりに沿わないうえ、その間の広告費も採用につながりません。配信停止の連絡先と期限を契約時に決め、採用ページにも募集の終了を表示します。

年齢・性別を限る表現と、労働条件の書き漏れ

労働施策総合推進法第9条は年齢に、男女雇用機会均等法第5条は性別に、それぞれかかわりなく募集・採用で均等な機会を与えるよう求めています。年齢の上限は、法令の例外に当たる場合を除いて書けません。条文はe-Gov法令検索の労働施策総合推進法と男女雇用機会均等法で、例外に当たるかは厚生労働省の募集・採用における年齢制限禁止についてに載っている資料で確認してください。

避ける表示言い換えの例
「35歳まで」年齢は書かず、必要な資格と経験を書く
「20代が活躍中」入社前の経験と、入社後の研修の流れを書く
「営業マン募集」「営業職」
「月給30万円以上」(固定残業代を含む)基本給、固定残業代の金額と時間数、超えた分を追加で払うことを分けて書く

2024年4月から、募集時に明示する労働条件に、従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)が加わりました。職業安定法施行規則の改正で、内容は厚生労働省の令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されますに載っているリーフレット「求人企業の皆様へ」で確認できます。固定残業代を含めて給与を書く場合の記載例(固定残業代を除いた基本給の額、何時間分の時間外手当として何円を払うか、その時間を超えた時間外労働の割増賃金を追加で払うこと)も、同じリーフレットに載っています。広告文の文字数では書ききれないため、労働条件は採用ページにすべて書き、広告からそのページへつなぎます。

配信の絞り込みにも注意が要ります。広告文で年齢を限っていなくても、配信先を年齢や性別で絞ると、一部の年齢・性別の方にしか求人が届きません。Googleは制限付きターゲティング(パーソナライズド広告の場合)のポリシーで、雇用を「機会へのアクセス」カテゴリに含め、米国とカナダでは性別・年齢・子供の有無・配偶者の有無・郵便番号でターゲットを設定できないと定めています。

Metaは、雇用の広告を特別な広告カテゴリとして申告する対象にしています。開発者向けのSpecial Ad Categoriesの説明では、米国・カナダ・ヨーロッパに届く雇用の広告は、年齢の範囲が原則18歳から65歳以上に固定され、性別も選べません。対象の国や地域は変わることがあるため、配信前に各媒体のポリシーで確認します。

この章で押さえるのは、成果に数える行動を面接につながるものにすること、数えられない応募を社内の表で補うこと、表示と配信の絞り込みを法律に沿わせることの3つです。

採用のWeb広告の費用と効果測定でよくある質問

年に2〜3人しか採用しない会社でも、採用のWeb広告を運用代行に依頼する意味はありますか?

求人サイトの掲載料と、採用単価で比べて決めます。募集の期間だけ依頼したい場合は、最低契約期間を先に確かめてください。手数料が月ごとの固定額でも、最低契約期間があると配信しない月の手数料も払うため、その分だけ採用1人あたりの費用が高くなります。初期費用が固定額の場合も、採用人数が少ないほど1人あたりの負担が高くなります。

代行会社の報告の応募数と、社内で数えた応募数が合わないのはなぜですか?

電話や求人サービス経由の応募は、広告の管理画面に出ません。重複した送信もあるため、月に1回、応募管理表と突き合わせます。

採用が決まって広告を止めたら、Google広告のアカウントは解約したほうがいいですか?

残しておけます。Google広告ヘルプの広告を一時停止、再開するにあるとおり、一時停止中の広告で料金は発生しません。次の募集で過去の応募単価を予算の計算に使えるため、自社名義のアカウントは消さずに停止にしておくのがおすすめです。

求人サイトの有料掲載とWeb広告は、効果測定でどう比べればいいですか?

同じ式で比べます。掲載料は掲載した月数で月割りにし、その月の採用数で割ります。求人サイトの中で応募が完了する場合は、求人サイトの管理画面の応募数を応募管理表に写し、面接から先はWeb広告と同じ列で記録します。

まずは、過去1年に採用した方がそれぞれ何を見て応募したかを、分かる範囲で応募管理表の形に書き出してみてください。代行会社の報告を受けても成果が分からない場合は、次に広告運用代行で成果が出ないときの数字の確認と変更判断をご覧ください。

応募の入口の数え方や、採用ページから見直したい方は、Web集客・Webマーケティングの相談でお話を聞かせてください。いま行っている施策と、応募数など確認できている数字を伺い、先に着手する施策の順番を一緒に決めます。求人広告の運用はお受けしていないため、コレットラボで対応できる作業は初回のご相談でお伝えします。

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