介護施設の採用代行|任せる範囲の早見表と応募単価の計算例

介護施設の採用代行|任せる範囲の早見表と応募単価の計算例

この記事の要点

  • 任せやすいのは原稿・媒体運用・日程調整。採否と労働条件は施設が決める
  • 応募単価だけで比べない。採用単価と6か月後の在籍まで計算例で確認
  • 契約前の確認は10項目。職業安定法上の区分と広告の名義が特に大事

介護施設の採用代行に任せられるのは、求人原稿の作成、求人媒体や求人広告の運用、応募者への初回連絡と面接日程の調整までです。採否の判断、給与や夜勤回数などの労働条件、面接そのものは施設側で決めます。費用は「応募1件あたり」だけでなく、「採用1人あたり」「6か月後も働いている1人あたり」に分けて計算すると、見積もりの差が読めるようになります。

この記事は、専任の採用担当を置けず、採用代行や求人広告の外注を考えている介護施設の経営者・施設長の方に向けています。読み終わる頃には、任せる範囲を決め、複数の見積もりを同じ式で比べ、契約前に確認する10項目を先方へ送れる状態を目指します。

求人広告の配信設定そのものは扱いません。Web広告で応募を増やす手順は求人が来ない原因とWeb広告で応募を増やす手順で解説しています。

Contents / 目次
  1. 介護施設の採用代行で任せる範囲の早見表
  2. 採用代行の費用の内訳と応募単価の見方
  3. 契約前に確認する職業安定法のルールと10項目
  4. 介護施設の採用代行がうまくいかない条件
  5. 介護施設の採用で自社で行う範囲と任せる範囲
  6. 介護施設の採用代行でよくある質問

介護施設の採用代行で任せる範囲の早見表

採用代行で任せやすいのは、応募が来るまでの作業と、応募後の連絡作業です。採用代行(RPO)とは、求人原稿の作成や媒体運用、応募者対応など、採用活動の実務の一部または全部を外部の会社に委託するサービスです。雇用契約を結ぶのは施設なので、採否と労働条件は委託の対象になりません。

業務ごとの任せやすさと、施設側で決めておく内容は次のとおりです。

業務任せやすさ施設側で決めておくこと
求人原稿の作成任せやすい夜勤回数・資格手当・処遇改善加算の支給方法など、原稿に載せる事実
求人媒体の選定・掲載・予算の調整任せやすい広告アカウントを施設名義で開設すること
採用サイト・Instagramの更新任せやすい写真に写る職員と利用者の同意
応募者への初回連絡・面接日程の調整条件付き連絡の期限、文面、面接できる日時の枠
スカウトの送信条件付き送る相手の条件(資格・通勤できる範囲)
書類選考条件付き資格・通勤できる範囲など、施設が決めた必須条件に合うかの照合だけを任せる。合否は施設が決める
人材紹介会社とのやり取り条件付き紹介会社との契約と手数料の支払いは施設
面接・採否・労働条件の決定施設に残す雇用契約の当事者は施設のため

採用代行・人材紹介・求人広告の違い

3つの違いは、お金が発生する時点と、応募者がどこから来るかにあります。採用代行は施設の求人に直接応募してもらう仕組みを動かすサービスで、人材紹介は紹介会社に登録した求職者を施設に紹介するサービスです。

比べる点採用代行有料職業紹介(人材紹介)求人媒体・求人広告
お金が発生する時点月額固定、成果報酬、広告費に一定の率をかける料率型のいずれか(組み合わせもある)採用が決まったとき掲載・クリック・採用のいずれか(媒体による)
応募者の流れ施設の求人に直接応募紹介会社の登録者を紹介施設の求人に直接応募
施設に残るもの原稿・広告の実績(名義しだい)残りにくい原稿・応募の記録

紹介手数料の負担を減らしたい施設なら、直接応募を増やす作業が委託範囲に入っているかを最初に確かめてください。紹介会社との窓口業務だけを外注しても、紹介経由の採用が続く限り手数料の額は変わりません。

直接応募を増やす手段として、求人広告・採用ページ・Instagramのどれから手をつけるかが決まっていない場合は、Web集客の相談窓口で、どこから始めるかを先に決める進め方もあります。

この章の結論。任せる範囲は「応募が来るまで」と「応募後の連絡」までにして、原稿に載せる事実と採否の基準は施設が先に決めます。

採用代行の費用の内訳と応募単価の見方

採用代行の費用は、代行会社に払う委託費と、求人媒体・求人広告に払う費用の2つを合わせた額です。見積書では委託費だけが大きく書かれ、広告費が別になっていることがあるので、必ず合計で比べます。

求人広告の課金は3つの型

求人媒体の料金は、お金が発生する時点で3つに分かれます。どの型が向くかは、募集する職種と急ぎ具合で変わります。

課金の型お金が発生する時点向いている募集注意点
掲載課金掲載した期間通年で募集する介護職応募が0件でも費用がかかる
クリック課金求人がクリックされたとき募集の量を月ごとに増減したい場合応募につながらないクリックにも費用がかかる
成功報酬(採用課金)採用・入職したとき介護福祉士やケアマネジャーなど有資格者を急ぐ場合に検討しやすい早期退職したときの返金規定を確認する

代行会社への委託費は、月額固定、成果報酬、広告費に一定の率をかける料率型のいずれかか、その組み合わせです。月額固定と料率型の総額の出し方は広告運用代行の固定と料率の違いと総額の出し方で詳しく解説しています。

応募単価・採用単価・定着単価の計算例

応募単価とは、かけた費用を応募数で割った金額です。応募単価が安くても、面接に来ない応募が多ければ採用1人あたりの費用は上がります。そこで、同じ費用を3つの数で割って比べます。

次の数字はすべて仮の値です。仮にある施設が、広告費15万円と代行費15万円の合計30万円を1か月かけたとします。

段階件数(仮)1件あたりの費用
応募12件30万円÷12件=2.5万円(応募単価)
面接の実施6件30万円÷6件=5万円
採用2人30万円÷2人=15万円(採用単価)
6か月後も在籍1人30万円÷1人=30万円(定着単価)

人材紹介の手数料は、採用した方の年収に一定の率をかけて決まるのが一般的です。率は事業者ごとに違います。仮に年収330万円で率が25%なら、1人あたり82.5万円です。この数字と、採用代行の採用単価・定着単価を並べると、どちらに予算を充てるかを同じ単位で判断できます。

代行会社に毎月出してもらう数字

月次の報告には、次の項目を媒体別に入れてもらいます。契約前に「この表で報告してください」と送っておくと、報告の形式で揉めずに済みます。

項目見る理由
応募数(媒体別・職種別)どの媒体に予算を寄せるかを決める
応募から初回連絡までの時間連絡の遅れで辞退していないかを確かめる
面接設定率・面接実施率対象外の応募や当日の辞退が多くないかを見る
内定承諾率条件の伝え方と面接の印象を見直す材料になる
費用の合計と採用単価人材紹介との比較に使う
3か月・6か月後の在籍原稿の内容と実際の職場が合っていたかを確かめる

この章の結論。見積もりは委託費と広告費の合計で比べ、応募単価・採用単価・定着単価の3つを同じ費用から計算して判断します。

契約前に確認する職業安定法のルールと10項目

採用代行と契約する前に確認するのは、その会社がどの立場で業務を行うかと、求人原稿の表示ルールの2点です。どちらも職業安定法に定めがあり、原稿の内容については施設側も責任を負います。

採用代行と有料職業紹介の違い

職業安定法でいう職業紹介とは、求人と求職の申込みを受けて、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんすることです。手数料を取って職業紹介を行う有料職業紹介事業には、厚生労働大臣の許可が必要です(e-Gov法令検索「職業安定法」第30条)。

「採用が決まったら年収の何%」という料金で候補者を紹介する形なら、それは職業紹介にあたります。この形の会社と契約するときは、許可番号を確認してください。

有料職業紹介事業者は、手数料や、紹介で就職した方の早期の離職状況などを公開する義務があります(e-Gov法令検索「職業安定法」第32条の16)。公開された内容は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで、許可の有無とあわせて確認できます。

もう1つ確認するのが委託募集です。職業安定法第36条は、自社の社員以外の者に労働者の募集をさせる場合について、次のように定めています(e-Gov法令検索「職業安定法」第36条)。

  • 報酬を払う場合:厚生労働大臣の許可が必要
  • 報酬を払わない場合:届出が必要

代行会社の作業がこれにあたるかは、業務の中身で変わります。判断に迷うときは、都道府県労働局に確認してください。

求人原稿の表示に関わるルール

令和4年10月施行の改正で、職業安定法第5条の4に募集情報の的確な表示が定められました。条文には、募集に関する情報を提供するときは「虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない」とあります。あわせて、情報を正確かつ最新の内容に保つことも求められています(厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」)。

介護施設の原稿では、次のような書き方が誤解を生じさせる表示にあたるおそれがあります。

  • 夜勤の記載:「夜勤なし」と書いているのに、人手が足りない月は応援で夜勤に入ってもらう運用がある
  • 給与の記載:処遇改善加算の一時金を月給に含めて「月給25万円以上」と書く。月給と一時金は分けて書く
  • 募集の終了:採用が決まった職種の原稿を、媒体に出したままにしている

また、令和6年4月からは、募集時に示す労働条件に「就業場所と業務の変更の範囲」と「有期労働契約を更新する場合の基準(更新の上限を含む)」が加わりました(厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」)。複数の事業所を持つ法人で、異動の可能性がある場合は原稿にも反映します。

契約前に先方へ送る確認チェックリスト

次の10項目をそのままメールで送り、書面で回答してもらってください。

  1. 職業紹介の許可、委託募集の許可・届出のうち、どれに基づいて業務を行うか
  2. 原稿作成・媒体運用・初回連絡・日程調整・スカウト・書類選考のうち、月額に含まれる範囲
  3. 求人媒体と広告のアカウントを施設名義で開設し、施設にも管理権限を付けるか
  4. 広告費は施設から媒体へ直接支払うか、代行会社を経由するか(経由する場合は料率)
  5. 原稿・写真・採用サイトの権利の帰属と、解約後も使い続けられるか
  6. 応募者の個人情報の保管場所、閲覧できる担当者、解約時の返却と削除の方法
  7. 応募から初回連絡までの時間の約束(例:平日は24時間以内)
  8. 月次報告の項目(前の章の表の6項目を含むか)
  9. 成功報酬がある場合、早期退職のときの返金規定
  10. 最低契約期間と、解約の申し出期限

6番の個人情報については、個人情報保護法第25条が、個人データの取扱いを委託した事業者に、委託先に対する必要かつ適切な監督を求めています(個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。回答があいまいな会社は、応募者の履歴書をどこで誰が見ているか分からない状態になります。

この章の結論。相手が職業紹介なのか採用代行なのかを許可で確かめ、原稿の事実は施設が確認し、10項目の回答を書面でもらってから契約します。

介護施設の採用代行がうまくいかない条件

採用代行の成果が出ないのは、代行会社の力量より、施設側の情報と体制が原因になる場合があります。介護施設で起きやすい条件を5つ挙げます。

シフトの事実を渡さないと、面接で辞退が続く

原稿に「シフト制」とだけ書くと、夜勤の回数や早番・遅番の時間が応募者に伝わりません。応募者は面接で初めて条件を知り、辞退します。月1回の夜勤なら働けても、月5回なら難しいという方もいます。

防ぐには、施設が「シフトの事実シート」を作って代行会社に渡します。項目は、月の夜勤回数、夜勤1回の拘束時間と休憩、夜勤手当の額、早番・遅番の時間、希望休の日数、送迎業務の有無です。

資格区分を分けずに募集すると、対象外の応募が増える

無資格、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士では、給与も任せる業務も違います。1本の原稿にまとめると、施設が求めていない資格の応募が増え、書類選考の手間が増えます。

資格ごとに原稿を分けるか、原稿の中に資格別の給与表を載せます。媒体を使い分けるときは、月次報告で媒体ごとの応募者の資格の内訳を確かめ、求める資格の応募が集まる媒体に予算を寄せます。

施設長が面接を兼務すると、日程が決まる前に他施設に決まる

代行会社が応募者に即日連絡しても、面接官の予定が決まらなければ日程を返せません。施設長が現場と兼務していると、日程の返信が数日後になり、その間に応募者が他施設の面接に進みます。

面接できる日時を、2週間先まで週2〜3コマ確保しておき、代行会社がその枠に直接予約を入れる形にします。

代行会社名義のアカウントでは、解約時に実績を引き継げない

代行会社名義の広告アカウントで運用すると、解約したときに配信の履歴、原稿、応募の記録を施設が持ち出せないことがあります。次の会社はゼロから配信を始めることになります。

チェックリストの3番で施設名義にしておけば避けられます。引き継ぎの手順は広告代理店を変更するときのアカウント引き継ぎ手順で解説しています。

AIで量産した原稿を確認せずに出すと、事実と違う表示になる

求人原稿やスカウト文をAIで作る代行会社もあります。文面は早くできますが、施設ごとの夜勤回数や資格手当の額はAIには分かりません。事実シートと照らし合わせる工程が契約に入っているかを、2番の回答で確認してください。

この章の結論。シフトと資格の事実、面接の枠、広告の名義を施設側で先に用意できれば、代行会社は応募を増やす作業に集中できます。

介護施設の採用で自社で行う範囲と任せる範囲

自社で行うのは、事実を決める作業と人を選ぶ作業です。任せるのは、その事実を原稿にして応募を集め、数字を報告する作業です。

  • 自社で行う:シフト・給与・資格手当の確定、面接と採否、写真の同意の取得、入職後の定着の確認
  • 任せる:原稿の作成、媒体の選定と予算の調整、応募者への初回連絡、月次の数字の集計と改善案

委託範囲を絞りたい場合は、事実シートをもとに原稿の下書きをAIで作り、代行会社には媒体運用と連絡だけを任せる方法もあります。出発点のたたき台は次の程度で十分です。あとはAIとやり取りしながら、自施設の条件に合わせて詰めてください。

あなたは介護施設の求人原稿を書く担当者です。
次の事実シートの内容だけを使い、[職種を入力]の求人原稿を書いてください。
シートに無い条件は書かず、不明な点は「要確認」と記してください。
[事実シートを貼り付け]

出てきた原稿は、夜勤回数・給与・資格手当の数字が事実シートと一致しているか、「要確認」が残っていないかを確認してから使います。

求人広告の予算配分や媒体の見直しを毎月誰が判断するかが決まっていない場合は、応募単価まで毎月見るWeb広告運用の支援という進め方もあります。月ごとに数字を見て次にやることを決め、広告の設定変更まで行います。判断の理由と手順を文書にするので、社内で担当できる方が育った時点で引き継げます。

介護施設の採用代行でよくある質問

専任の採用担当がいない介護施設でも、採用代行は使えますか

使えます。応募者への日程の返信が遅れがちな施設では、初回連絡と日程調整を任せると、応募者を待たせる時間を短くできます。ただし面接と採否は施設で行うので、面接の担当者と、週に何コマ面接できるかだけは先に決めてください。

「応募数を保証します」という採用代行会社は信用していいですか

応募数は地域の求職者の数と給与水準で大きく変わるため、保証するのは難しいものです。保証をうたう場合は、何を1件の応募と数えるのか、未達のときに返金があるのかを書面で確認してください。

特養とデイサービスなど複数の事業所をまとめて依頼すると安くなりますか

勤務形態が違う事業所は原稿と媒体を分ける必要があるため、作業量は事業所の数に応じて増えやすいです。まとめて安くなりやすいのは、写真撮影や採用サイト、月次報告のような共通の作業です。見積もりの内訳で確かめてください。

処遇改善加算の金額は求人原稿に書いたほうがいいですか

書いてかまいませんが、毎月の給与に含まれる分と、一時金で払う分を分けて書きます。年度で額が変わる場合は「前年度の支給実績」と明記すると、入職後に想定と違うという誤解を減らしやすくなります。

まずは、直近1年に採用した職員が、どの媒体・紹介会社・知人の紹介から応募したかを書き出してみてください。経路ごとの採用数が分かれば、どこに予算を充てるかの出発点になります。自社採用サイトの応募フォームがどれだけ使われているか分からない場合は、フォーム送信をコンバージョン計測する設定手順もあわせてご覧ください。

ここまで読んで、求人広告の数字を毎月見て次の手を決める担当者が社内にいないと感じた方は、コレットラボの配信設計から見直す広告運用の支援をご覧ください。いまの媒体と費用の状況を伺うだけでも大丈夫です。どこから見直すかを一緒に決めましょう。

個別のご相談

サービスの選び方やご依頼について、ご相談いただけます。

相談する

Read Next / 次に読む

工務店の集客方法|Googleマップ口コミの依頼文例と外注範囲の表
MEO

工務店の集客方法|Googleマップ口コミの依頼文例と外注範囲の表

2026.09.27 / 約 14 分

関連記事

Web広告運用

ジオフェンシング広告で展示会集客|会場周辺×会期前後で少額から

更新
Web広告運用

福岡のGoogle広告運用代行|任せる範囲と契約前の確認点

更新
Web広告運用

同意モードの設定手順|CMPとGTMで計測もれを防ぐ実装の全体像

更新
Web広告運用

費用対効果の高い広告媒体の選び方|ROASで比べる手順と指標

Web広告運用

大分で求人が来ない原因と対策|Web広告で応募を増やす手順

更新
Web広告運用

オフラインコンバージョンのインポート手順|Google広告で商談計測

Web広告運用

大分のリスティング広告運用代行|費用の内訳と契約前の8項目

更新
Web広告運用

BtoB広告の予算設計|月30万の壁を超える逆算と集中の4ステップ

更新
Web広告運用

広告のクリック率を上げる方法|見せ方で決まる改善手順とAI量産

更新
Web広告運用

広告の反応がない原因と改善手順|配信を止めず今日から直す

更新
Web広告運用

広告の費用対効果の出し方|ROAS計算と指標の見方・目安

Web広告運用

SNS広告で見込み顧客を増やす3つの柱|手順と失敗回避策

更新