美容室の集客コンサルと広告代行|任せる作業と月額の内訳

美容室の集客コンサルと広告代行|任せる作業と月額の内訳

この記事の要点

  • 任せる作業は方針・広告の運用・投稿や撮影に分けて見積もる
  • 月額は運用費と広告費を分け、新規客1人に使える額から逆算
  • 契約前に送る質問は7項目。アカウントの持ち主と成果の数え方は必須

美容室の集客コンサルと広告代行は、何を決めてもらうか(方針)と、何を作業してもらうか(広告の設定・配信・投稿)に分けて見積もると比べられます。月額は運用会社に払う費用と広告費を別々に確かめ、新規のお客様1人を迎えるのに使える額から上限を決めます。契約の前には、広告アカウントとGoogleビジネスプロフィールの持ち主、成果の数え方を書面で確かめてください。

1〜3店舗の美容室を経営していて、集客を外部に任せるか迷っているオーナー・店長に向けた記事です。読み終わる頃には、見積書のどこを見て、契約前に何を質問すればいいかが決まります。

Googleマップの設定やInstagramの投稿の操作手順は扱いません。手数料の形(固定額と料率)の一般的な比べ方は、広告運用代行の固定と料率の違いと総額の出し方で解説しています。

Contents / 目次
  1. 美容室の集客コンサルと広告代行の違い。集客媒体ごとの任せ方
  2. 月額の内訳と、新規客1人に使える費用の逆算
  3. 契約前に確認すること。アカウントの持ち主と成果の数え方
  4. 美容室の集客を任せても予約が増えない条件と、店舗に残る作業
  5. 美容室の集客コンサル・広告代行のよくある質問

美容室の集客コンサルと広告代行の違い。集客媒体ごとの任せ方

集客コンサルは、どの集客媒体にいくら使うかを決め、毎月の数字を見て翌月の打ち手を提案する支援です。広告代行は、Google広告やInstagram広告の設定・配信・調整を店舗に代わって行うサービスです。両方を1社で引き受ける会社も、どちらかだけの会社もあります。

美容室の集客媒体は、次の5つに分けると、外部に任せやすい作業と店舗に残る作業が分かれます。

集客媒体費用の出方外部に任せやすい作業店舗に残る作業
予約サイト(ホットペッパービューティーなど)掲載料(プランと料金は媒体の資料で確認)掲載文・写真の更新クーポンの条件、予約枠の管理
Googleビジネスプロフィール(Googleマップの店舗情報)無料投稿、写真の追加、口コミ返信の下書き営業時間の変更、口コミ返信の内容確認
Instagram投稿は無料、広告は広告費投稿の企画・撮影・編集施術写真の選定、モデルの方の掲載の同意
LINE公式アカウント月額0円のプランから。料金プランで無料で配信できる通数が変わる(LINEヤフーの料金プランのページで2026年10月23日に確認)配信文、リッチメニュー(トーク画面の下に出るメニュー)の作成配信するかの判断、予約状況との調整
Google広告・Meta広告広告費+運用費キーワード、配信する地域、広告文、計測の設定月の予算の上限、表現の最終確認

表の「店舗に残る作業」の列は、どの依頼先を選んでも店舗の作業として残ります。予約枠の空き具合とクーポンの条件は、店舗にしか分からないからです。

依頼先は3つの型に分かれる

見積もりを比べる前に、相手がどの型かを確かめます。型が違う会社どうしの月額を並べても、含まれる作業が違うので比べられません。

  • コンサル型:方針と数字の確認を担当し、広告の設定や投稿は店舗が行う。店舗側に作業の時間が要る
  • 運用代行型:広告の設定・配信・調整を代わりに行う。予約サイトの更新やInstagramの投稿が含まれるかは会社ごとに違う
  • 伴走型:毎月の数字から翌月の施策を一緒に決め、作業の一部を会社が、一部を店舗が行う。店舗の担当者が判断できるようになることを目指す

スタッフがInstagramの投稿を続けられていて、広告だけ手が回らないなら運用代行型が合います。どの媒体に予算を寄せるかから迷っているなら、コンサル型か伴走型から始めると、使わない媒体にお金をかけずに済みます。

Instagram・Googleマップ・広告のどれから始めるかがまだ決まっていない場合は、Web集客・Webマーケティングの相談で、いまの施策と数字を確認し、着手する順番を決めるところからご相談いただけます。

月額の内訳と、新規客1人に使える費用の逆算

見積書の月額は、運用会社に払う費用と、GoogleやMetaに払う広告費に分かれます。この2つを分けて書いていない見積書は、他社と比べられません。

見積書に並ぶ費目と確認すること

費目中身確認すること
初期費用アカウントの開設、計測の設定、予約ページとの連携予約を何で数えるかの設定が含まれるか
運用費(固定額)毎月の設定変更、レポート、打ち合わせ打ち合わせの回数、レポートに載る数字
運用手数料(広告費の○%)広告費に比例して増える手数料広告費を増やしたときの総額
広告費GoogleやMetaに支払う配信の費用店舗のカードで払うのか、代行会社の請求に含まれるのか
制作費バナー、動画、撮影、ランディングページ月に何本までが月額に含まれるか
成果報酬予約1件・来店1人ごとの費用何を1件と数えるか(次の章で解説)

広告費は日によって変わります。Google広告は、Google 広告ヘルプの「超過配信と 1 日の平均予算について」のとおり、ある日の費用が1日の平均予算の2倍になることがあり、月の費用は1日の平均予算の30.4倍を超えません。

Meta広告の1日の予算は、Metaビジネスヘルプセンターの「1日の予算について」のとおり、日曜から土曜までの1週間で1日あたりに消化する概算の金額です。1日の予算を最大75%超えて消化する日がありますが、1週間の消化金額は1日の予算の7倍を超えません(広告セットの予算共有をオンにしている場合は上限が変わります)。月の上限額を代行会社に伝えるときは、Google広告とMeta広告のそれぞれの仕組みを前提に日予算を決めてもらいます。Google広告の仕組みの詳細はGoogle広告の日予算と月額上限の仕組みで解説しています。

新規客1人に使える額の計算例

月額が妥当かどうかは、新規のお客様1人を迎えるのにいくらまで使えるかで判断します。次は仮の数字で計算した例です。

【仮の数字で計算した例】
新規のお客様の初回の客単価    :8,000円
初回から半年の来店回数の平均   :3回 → 半年の売上 24,000円
売上のうち集客に回してよい割合  :15% → 1人あたり 3,600円
月の新規客の目標         :20人 → 集客に使える月の総額 72,000円
運用費(固定額)         :32,000円 → 広告費に回せる額 40,000円
Google広告の平均日予算      :40,000円 ÷ 30.4 ≒ 1,320円

運用費が月の総額の半分近くを占めると、広告費が少なくなり、調整の材料になるクリックや予約の数が集まりません。この例は、運用費32,000円が月の総額72,000円の約44%を占めていて、この状態に当たります。例の数字をそのまま目安にせず、次の順で見直します。

  • 月の総額を増やせるか:半年の来店回数や集客に回してよい割合を予約台帳と売上から見直し、1人あたりに使える額が上がるなら、その分を広告費に回す
  • 運用費を下げられるか:総額を増やせないなら、依頼する作業を広告の運用だけに絞るか、作業の一部を店舗が行うコンサル型・伴走型の見積もりと比べる

半年の来店回数は、予約台帳から出せます。分からないときは、直近の新規のお客様10人の来店履歴を数えるところから始めます。

広告文の案や投稿文の下書きは、生成AIで複数の案を短時間で作れるようになりました。見積書の「広告文の作成」「投稿文の作成」の費用が大きいときは、案を出すだけなのか、表現の確認や結果を見た差し替えまで含むのかを確かめます。月額に見合うのは後者です。

この章の結論。運用費と広告費を分け、新規客1人に使える額から月の総額を決めます。総額が決まれば、運用費が占める割合から、どの型の依頼先が合うかを判断できます。

契約前に確認すること。アカウントの持ち主と成果の数え方

契約前に必ず確かめるのは、広告アカウントとGoogleビジネスプロフィールの管理権限を店舗が持つか、成果報酬なら何を1件と数えるか、の2点です。どちらも契約後には変えにくい項目です。

広告アカウントとGoogleマップの管理権限は店舗が持つ

Google広告のアカウントは、代行会社が複数の広告主のアカウントをまとめて管理するアカウント(Google 広告ヘルプの「クライアント センター(MCC)アカウントについて」)から作られることがあります。契約前に、次の3つを書面で確かめます。

  • 名義:広告アカウントを誰の名義で作るか
  • 管理者権限:店舗のGoogleアカウントに管理者権限を付けてもらえるか
  • 解約時の引き継ぎ:解約したときに広告アカウントをどう引き継ぐか

Meta広告(Instagram広告・Facebook広告)の広告アカウントは、Facebookページ・Instagramアカウントと同じく、ビジネスポートフォリオで管理できます。ビジネスアセットは1つのビジネスポートフォリオにのみ所属でき、広告会社の担当者はパートナーとして追加できます(Metaビジネスヘルプセンターの「Meta Business Suiteでビジネスポートフォリオを作成する」)。広告アカウントを店舗のビジネスポートフォリオに作るのか、代行会社のビジネスポートフォリオに作るのかを、作る前に代行会社と決めておきます。

Googleビジネスプロフィールについて、GoogleはGoogle ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシーで、代行会社に対し、顧客が常にオーナー権限か共同オーナー権限を持つこと、顧客から解約の通知を受けてから7営業日以内に、管理サービスとの関連付けを解除し、顧客が排他的な管理権限を取り戻せるようにすることを求めています。Googleのサービスで上位に掲載されることを保証することや、「Google 認定」のようにGoogleまたはその関連会社であるかのように見える組織アカウント名を使うことも、このポリシーで禁止されています。

成果報酬型は何を1件と数えるかを書面で決める

「新規予約1件ごとに○円」という契約は、数え方の違いで請求額が変わります。次の項目を、契約書か発注書に書いてもらいます。

  • 予約か来店か:予約の時点で数えるのか、来店して施術を受けた時点で数えるのか
  • キャンセルの扱い:当日キャンセルや無断キャンセルを件数から除くか
  • 新規の判定:以前来店したお客様の予約を、顧客台帳との照合などでどう除くか
  • 予約の経路:広告経由の予約だけを数えるか、予約サイトや電話の予約も含むか
  • 同じ方の複数の予約:同じお客様が期間中に2回予約したとき、何件と数えるか

Google広告では、コンバージョン(広告の成果として数える行動。ここでは予約)のカウント方法を[全件]か[初回のみ]から選びます。予約フォームの送信を成果にするなら、Google 広告ヘルプのコンバージョンのカウント方法の説明を確かめ、管理画面の設定と契約書の数え方をそろえます。

契約前に送る質問の文面

次の文面を、提案を受けた会社にメールで送ります。返答を並べると、月額に含まれる作業と解約後に残るものを比べられます。

件名:集客支援のご提案について確認したい点

〇〇様

ご提案ありがとうございます。契約前に、次の点を教えてください。

1. Google広告・Meta広告のアカウントは、どなたの名義で作りますか。
   当店のアカウントに管理者権限を付けていただけますか。
2. Googleビジネスプロフィールのオーナー権限は、当店が持ったまま進められますか。
3. 月額に含まれる作業(打ち合わせの回数、レポートに載る数字、
   バナーや投稿の本数)を一覧でいただけますか。
4. 広告費は当店のカードで支払う形ですか、御社の請求に含まれる形ですか。
5. 成果報酬がある場合、1件と数える条件(予約か来店か、キャンセル、
   新規の判定)を教えてください。
6. 最低契約期間と、解約したときに当店に引き継げるもの
   (アカウント、作った画像・動画、レポート)を教えてください。
7. 広告文や投稿の表現は、配信の前に当店で確認できますか。

[店舗名][担当者名]

この章の結論。アカウントの持ち主と成果の数え方は、契約書に書かれていなければ後から変えにくい項目です。質問の1・2・5に曖昧な返答しかない会社は、比較の候補から外して構いません。

美容室の集客を任せても予約が増えない条件と、店舗に残る作業

外部に任せても予約が増えないのは、広告の外側にある予約枠・価格の条件・予約の数え方が、店舗と代行会社の間で共有されていないときです。次の4つは、美容室の集客に特有の条件です。

広告の価格と予約サイトのクーポン条件が違うと、来店時に説明が要る

広告で「初回カット○%オフ」と出しながら、予約サイトのクーポンは別の条件、という状態で配信すると、お客様は来店してから価格の違いを知ります。価格などの取引条件を、実際のものよりも著しく有利だと一般消費者に誤認させる表示は、景品表示法の有利誤認表示に当たるおそれがあります(消費者庁「有利誤認とは」)。

防ぐには、メニュー名・価格・クーポンの条件・期限を1つの表に書き出し、予約サイト・広告・Instagramのプロフィールを同じ表から更新します。表の更新は店舗の担当者が行い、更新したら代行会社に連絡する決まりにします。

広告から予約サイトへ移動させると、広告側で予約を数えられない

広告のリンク先を予約サイトの店舗ページにすると、予約サイトの側に広告の計測タグを入れられない場合、予約が完了したかどうかはGoogle広告やMeta広告に記録されません。代行会社のレポートはクリック数までになり、広告が予約につながったかを判断できません。

防ぐには、契約前に予約を何で数えるかを決めます。自社サイトの予約ページ、電話、LINE公式アカウントのどれを数えるかを決め、数えられない経路は来店時のアンケートで補います。設問の作り方は広告の効果をアンケートで補う設問と集計の手順で解説しています。

予約枠が埋まっている曜日にも同じ予算で配信すると、広告費が予約につながらない

土日はスタイリストの予約枠が埋まり、平日の昼に空きがある店舗で、全曜日に同じ予算で配信すると、広告を見て予約しようとした方が空き枠を見つけられません。

Google広告では、Google 広告ヘルプの「広告のスケジュール設定について」のとおり、広告のスケジュール設定で配信する曜日と時間帯を決められます。月に1回、翌月のシフトと予約の空き状況を代行会社に共有する日を決めておきます。

「ダメージゼロ」のような施術の結果を言い切る表現は、代行会社任せにしない

景品表示法の優良誤認表示は、商品やサービスの内容を「実際のものよりも著しく優良であると示すもの」です(消費者庁「優良誤認とは」)。「どんな髪でも必ずまとまる」「ダメージゼロ」のように施術の結果を言い切る広告文は、これに当たるおそれがあります。

代行会社や生成AIが作った広告文は、配信の前に店長かスタイリストが読み、施術で実際に起きることだけが書かれているかを確かめます。ビフォーアフターの写真も、加工の有無とモデルの方の掲載の同意を確かめてから使います。

自社で行う作業と依頼する作業

  • 自社で行う作業:予約枠とシフトの共有、メニュー・価格・クーポン条件の表の更新、広告文と写真の最終確認、口コミ返信の内容確認
  • 依頼する作業:広告の設定と配信の調整、計測の設定、毎月の数字の報告と翌月の提案、Googleビジネスプロフィールの投稿や口コミ返信の作成

Googleマップの運用まで外部に任せたい場合は、口コミ返信まで行うGoogleマップ集客(MEO)の支援で、口コミは店舗に内容を確認していただいたうえでコレットラボが返信し、閲覧数・ルート・通話数と口コミの件数・評価を毎月記録します。

この章の結論。予約枠・価格の条件・表現の確認は、どこに依頼しても店舗に残る作業です。ここを決めずに任せると、月額を払っても予約の数で良し悪しを判断できません。

美容室の集客コンサル・広告代行のよくある質問

ホットペッパービューティーに掲載していれば、Google広告やInstagram広告は要りませんか?

予約サイトの中で美容室を探す方には掲載で届きますが、Googleマップで近くの美容室を探す方や、Instagramで髪型を見て探す方は別の入口から来ます。新規のお客様がどの入口から来ているかを来店時のアンケートで1か月数えてから、広告を足すかを決めると、予算を使う先を選べます。

口コミを書いてくれたお客様に、次回のトリートメントを無料にしてもいいですか?

Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー(禁止または制限されているコンテンツ)は、クチコミの投稿と引き換えに割引や無料のサービスなどの特典を提供することを禁止しています。口コミのお願いは特典と切り離し、会計のときに投稿ページのQRコードを案内し、書くかどうかはお客様に任せる形にします。

代行会社が作ったリール動画に、流行りの市販曲が使われていても大丈夫ですか?

市販曲を店舗の宣伝の動画に使うと、著作権の扱いが問題になることがあります。

Metaは、Instagramのライセンス音楽ライブラリの音楽は個人的な非商用利用を目的としていると説明しています。特定のビジネスアカウントや特定の種類の投稿ではライブラリを使えず、国や地域によっても使えない場合があります(Metaビジネスヘルプセンターの「Instagramのライセンス音楽ライブラリを利用できます」)。

店舗の宣伝に使う曲は、Metaのサウンドコレクションから選ぶよう代行会社に依頼します。サウンドコレクションの曲は、サウンドコレクション利用規約で、Metaの製品で作成・アップロード・配信するコンテンツであれば、商業目的でも使えると定められています。

どの音源を使うか、音源の利用条件を誰が確かめるかを、契約前に代行会社と決めておきます。

今の代行会社がGoogleビジネスプロフィールのオーナーで、店舗は管理者です。解約前に何をすればいいですか?

解約を伝える前に、店舗のGoogleアカウントにオーナー権限を付けてもらうよう依頼します。サードパーティ ポリシーは、顧客から解約の通知を受けてから7営業日以内に、管理サービスとの関連付けを解除し、顧客が排他的な管理権限を取り戻せるようにすることを代行会社に求めています。応じてもらえないときは、Google ビジネス プロフィール ヘルプの「ビジネス プロフィールのオーナー権限をリクエストする」の手順で、オーナー権限をリクエストできます。

まずは、直近1か月に来店した新規のお客様10人が何を見て予約したかを、予約台帳か会計時の声かけで書き出してみてください。どの集客媒体に予算を寄せるかを決める材料になります。今の代行会社から切り替える予定がある場合は、広告代理店を変更するときのアカウント引き継ぎの手順もあわせて確認してください。

見積書の比べ方は分かったものの、毎月の数字を見て翌月の配信をどう変えるかまでは店舗だけで判断しにくい、という美容室には、定額制マーケティング支援という進め方もあります。毎月の数字から翌月の施策を決めて実施し、判断の理由を文書で共有します。いまの集客媒体と予約の状況を伺うところから、気軽にご相談ください。

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