LINEリッチメニューの入れ替え設定|画像差し替えとクリック数
この記事の要点
- 差し替えは新しいメニューを公開してから、古いメニューを終わらせる順序で行う
- 見る数字はクリック率1つ。ボタン別に数えるならURLにパラメータを付ける
- 1回に変えるのは1箇所だけ。まとめて変えると原因が分からなくなる。失敗例5つを本文で解説
リッチメニューの差し替えでいちばん多い事故は、古いメニューを先に消してしまって、トーク画面から予約ボタンが消えたままになることです。正しい順序は「新しいメニューを作って公開する→そのあと古いメニューの終了日時をそろえる」。この順番さえ守れば、切り替えの瞬間も導線は途切れません。
この記事は、LINE公式アカウントをすでに運用していて、リッチメニューを1枚は公開している方に向けて書いています。読み終わる頃には、差し替えの手順書と、次にどのボタンを入れ替えるかを数字で決める基準が手元にある状態を目指します。
扱うのは「すでにあるメニューを入れ替える運用」と「そのクリック数の見方」です。まだ1枚も作っていない方は、先にLINEリッチメニューの作り方(スマホとCanvaで無料で作る)から進めてください。
Contents / 目次
結論。入れ替え運用は「順序」と「1回1箇所」で決まる
リッチメニューの入れ替え運用でやることは2つだけです。導線が消えない順序で差し替えること、そして次に変える場所をクリック率で決めることです。デザインの良し悪しを会議で議論するより、この2つを仕組みにするほうが早く効きます。
まず、順序のルールをはっきりさせます。古いメニューの削除は、差し替えの「最後」ではなく「1〜2週間後」です。切り替えの当日にやるのは、新しいメニューの公開と、古いメニューの表示期間を終わらせることだけ。削除は数字を控えてから行います。
次に、変える場所のルールです。1回の差し替えで変えるのは1箇所にします。画像・文言・ボタンの配置・リンク先を同時に変えると、クリック数が動いても理由が分からず、次の判断に使えません。
そして、見る数字の考え方です。LINE公式アカウントの管理画面(LINE Official Account Manager)の分析画面には、リッチメニューがどれだけ表示され、どれだけタップされたかを示す数値が用意されています。項目名や集計のルール、画面の場所は更新で変わることがあるので、実際の名称と定義はご自身の管理画面で確認してください。ここでは、その数値を運用でどう使うかだけを整理します。
管理画面には、表示された量を示す数値とタップされた量を示す数値、そして両者の比率にあたる数値が並びます。運用での使い分けは次のとおりです。
- 表示に関する数値:母数として見ます。配信を増やすと連動して増えるので、単体では成果と見ません。延べ回数と人数が分かれている場合は、人数のほうで「実際にトークを開いている人の規模」をつかみます。
- タップに関する数値:差し替え前後で比べる主指標です。ただし単体では配信量の影響を受けます。延べ回数と人数が分かれている場合は、1人が何度も押しているのか、多くの人が1回ずつ押したのかを見分けられます。
- 比率の数値:入れ替えの効果判定に使います。配信量が変わっても比較しやすいためです。
判定に使うのは比率の数値だけ。タップ回数は、配信を増やせばメニューを何も変えなくても増えます。逆に配信を減らした月は落ちて当然です。差し替えの良し悪しは、必ず分母をそろえた比率で判断してください。この記事では以降、この比率を「クリック率」と呼びます。
なお、これらの数値をどの画面のどこで見るか、画面上の項目名がどう書かれているかは、管理画面の更新で変わることがあります。最新の場所と名称は、LINEヤフーが運営する学習サイトのリッチメニュー(LINEヤフーマーケティングキャンパス)で確認してください。基本の操作は無料で学べます。
この章の結論として、差し替え日を決めたらまず「今日は何を1箇所変えるのか」を紙に書いてから作業に入ってください。それが決まっていない差し替えは、あとで数字を読めません。
導線を切らないリッチメニューの差し替え手順
差し替えは、次の5ステップの順番どおりに進めれば事故が起きません。逆に、ステップ4を先にやると(=古いメニューを先に消すと)、新しいメニューを公開するまでの間、トーク画面からメニューが消えます。
- いまのメニューの数字を締める
- 新しいリッチメニューの画像を用意する
- 新しいリッチメニューを作って設定する
- 古いメニューの終了日時をそろえる(削除しない)
- 実機で確認する
ステップ1。いまのメニューの数字を締める
差し替え日を決めたら、作業を始める前に今のメニューの数字を控えます。ここを飛ばすと、あとで「前はどうだったか」が分からなくなり、比較ができません。
分析画面で見られる範囲の数字を控え、下の表の形で記録を残してください。指定できる期間の単位や範囲は管理画面の仕様しだいなので、自社の画面で確かめたうえで、できるだけ「今のメニューを公開した日から差し替え前日まで」に近い範囲に合わせます。記録先はスプレッドシート1枚で十分です。
| 記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
| メニュー名 | 2026夏_予約強化_6分割 |
| 公開期間 | 2026/06/01〜2026/08/10 |
| 分割パターン | 大サイズ6分割 |
| 表示された回数 | 4,820 |
| タップされた回数 | 131 |
| クリック率 | 2.7% |
| その期間の一斉配信の本数 | 9本 |
| その期間の出来事 | 7月下旬に夏キャンペーン開始 |
配信本数を必ず一緒に残す。リッチメニューが表示される回数は、友だちがトークルームを開いた回数に連動します。配信本数を記録しておかないと、翌月に数字が動いたとき、メニューのせいなのか配信量のせいなのかを切り分けられません。
ステップ2。リッチメニューの画像を用意する
差し替え用の画像は、前回と同じ分割テンプレートで作るのが基本です。分割数を変えると、ボタン1つあたりの面積も位置も変わるので、前後のクリック率を比べても何が効いたのか分かりません。
分割から変えたい場合は、「今回は比較を捨てて、分割から作り直す回」と割り切ってください。その回は数字を比べず、新しい基準値を取り直す期間として扱います。
画像を作るときに決めておくことは、次の5つです。
- 1枚で作る:ボタンごとに画像を分けず、テンプレートの全体を1枚の画像として書き出します。タップ領域は画像ではなく、管理画面側の設定で決まります。
- 1ボタン4〜6文字:「ご予約はこちらから」ではなく「予約する」。スマホの実寸で読める文字量に収めます。
- 細いフォントを使わない:明朝体の細字やライトウェイトは、実機で潰れて読めなくなります。太めのゴシックが無難です。
- 色は3色まで:背景・文字・アクセントの3色に絞り、ボタンの境界線をはっきり引きます。枠が曖昧だと、どこを押せばいいのか伝わりません。
- 期限を画像に入れる:「8/31まで」のように期限を焼き込むと、差し替え忘れが一目で分かります。放置に気づける仕掛けとして効きます。
画像の縦横のピクセル数や、3分割・6分割それぞれの割り付けはLINEリッチメニューのサイズ一覧(3分割・6分割の画像の作り方)にまとめています。手元にテンプレートがない方は、そちらを先に見てください。
ステップ3。新しいリッチメニューを作って設定する
ここが差し替え運用の心臓部です。公開中のメニューを編集して画像だけ入れ替えるのではなく、新しいリッチメニューとして作成します。同じメニューの中で画像を差し替えると、旧デザインの期間と新デザインの期間の境目が管理画面上の記録に残らず、あとから自分で切り分けられなくなるためです。新規で作っておけば、ステップ1の記録シートと突き合わせて、どちらの数字かを確実に分けられます。
新規作成のときは、画面に並んでいる設定を上から順にすべて確認してください。同じ内容のメニューを作るときも、初期値に戻っているつもりで毎回見ます。管理画面の項目名や並びは更新で変わることがありますが、次の3点にあたる設定は作業のたびに指差し確認する価値があります。
- 表示を始めるタイミング:切り替えたい日時を指定します。営業時間外(開店前や閉店後)に設定すると、切り替わりの瞬間を客に見られません。
- 表示を終えるタイミング:キャンペーンの終わりが決まっていればその日時を、決まっていなければ次の差し替え予定日より後の日付を入れておきます。空のまま放置すると、次の差し替えのときに期間が重複します。
- トーク画面の下に出る文字:初期状態のままにせず、「予約・クーポン」のように中身が分かる言葉にします。ここは常に表示されている文字なので、開いてもらえるかを左右します。
そして最後に、全ボタンのアクション(リンク先)を設定します。テンプレートを新しく選び直したときは、リンク設定が前のまま残っていないか必ず1つずつ見てください。流用したつもりで放置すると、後述の「クーポンを押したら予約に飛ぶ」事故が起きます。
リンク設定そのものの操作でつまずいた場合は、LINEリッチメニューにリンク設定する手順(無料で完結・実機確認まで)で1つずつ確認できます。
ステップ4。古いメニューの終了日時をそろえる
新しいメニューの設定と公開が終わってから、古いメニューの表示期間の終了日時を編集します。ここでやってはいけないのが、古いメニューを削除することです。
終了のタイミングは、新しいメニューの開始と隙間なく、かつ重ならないようにそろえます。表示期間をどの単位(日付まで、時刻まで)で指定できるかは自社の管理画面で確認し、その単位でいちばん近い値を入れてください。新メニューの開始より前に旧メニューの終了が来るように置くのが原則です。
新旧の表示期間が重なる状態は作らないでください。実機で開いたら古い画像が出ている、という相談の多くは、この重複を残したまま切り替えたケースです。開始と終了は必ず机上で計算してから入力してください。
古いメニューの削除は、差し替えから1〜2週間後に行います。削除したメニューの数字をあとから確認できるかは管理画面の仕様しだいなので、ステップ1の記録を手元に残したことを確認してから消してください。急いで消す理由はどこにもありません。
ステップ5。実機で確認する
切り替え日時を過ぎたら、必ずスマートフォンの実機でトークルームを開いて確認します。管理画面のプレビューでは、タップ領域のずれも遷移先の崩れも分かりません。
確認するのは次の8つです。遷移先のページはスマホの機種やブラウザによって見え方が変わるので、可能なら2台以上で見てください。
- トークルームを開いた瞬間、メニューが開いた状態になっているか
- トーク画面の下に出る文字が新しい文言になっているか
- 画像が新しいものに切り替わり、古い画像が残っていないか
- すべてのボタンを1つずつタップして、意図した遷移先に飛ぶか
- ボタンの境界とタップ領域がずれていないか(枠の端を押して確認)
- 遷移先のページがスマホ表示で崩れていないか
- クーポンやキャンペーンページの期限が切れていないか
- 予約ページの場合、実際に空き枠が表示され、最後まで進めるか
切り替わっていない場合は、アプリを一度終了してから開き直すと反映されることがあります。それでも直らないときは、LINEリッチメニューが表示されない原因と直し方(iPhone・Android別)で切り分けてください。
この章の結論として、差し替え作業は「新規作成→公開→旧を終了→実機確認→1〜2週間後に削除」の1本道です。この順序をチェックリストにして誰がやっても同じ手順になるようにすれば、担当者が変わっても事故は起きません。
クリック数の見方と、ボタン別に数える設定
クリック数はLINE公式アカウントの管理画面の分析で確認できますが、期間の指定の仕方で読み取れる意味が変わります。差し替え運用では、期間をできるだけ「メニューの公開期間」に近づけて切るのが鉄則です。
期間指定が差し替え日をまたいでいると、旧メニューと新メニューの数字が1つにまとまって見えることがあります。8月1日から8月31日で見た数字を「新メニューの成果」として社内に報告してしまう誤読は、実際によく起きます。差し替えたら、期間の左端を差し替え日に合わせてください。集計がどう切られるかは、いま自分が見ている画面で期間を動かしながら確かめるのがいちばん確実です。
分析画面の項目名や、指定できる期間の範囲は更新で変わることがあります。あとから同じ数字を出し直せるとは限らないので、月次で記録を手元に残す運用にしておくのが安全です。
ボタンごとのクリック数をURLパラメータで数える
「どのボタンが押されているか」をボタン単位で確実に数えたいなら、リンク先のURLにパラメータを付けて、Googleアナリティクス(GA4)側で数えるのが確実です。管理画面の数値に依存せず、遷移先のページビューまで一気通貫で追えます。
やり方はシンプルで、リッチメニューの各ボタンに設定するURLを、次の形に書き換えるだけです。自社サイト側の作業は不要です。
# リッチメニューのボタンに設定するURLの書き方
# [ ]の中だけを自社の値に書き換えてください
# 「?」以降のパラメータは、遷移先ページの表示には影響しません
https://[自社サイトのURL]/reserve/?utm_source=line&utm_medium=richmenu&utm_campaign=2026-08_summer&utm_content=r1c1_reserve
# 各パラメータの決め方
# utm_source = line(固定。LINE経由だと分かるようにする)
# utm_medium = richmenu(固定。配信メッセージ内リンクと区別するため)
# utm_campaign= 公開年月_テーマ(例 2026-08_summer)差し替えのたびに変える
# utm_content = 位置_内容(例 r1c1_reserve = 1行1列目の予約ボタン)
# 注意1:すでに「?」が付いているURLに足すときは、先頭の「?」を「&」にする
# 例 https://example.com/reserve/?shop=oita&utm_source=line&utm_medium=richmenu
# 注意2:日本語や全角スペースは入れない。半角英数字とハイフン・アンダースコアだけにする
このURLをボタンごとに作っておくと、GA4側で参照元やキャンペーン名ごとに流入を分けて見られます。レポート名や項目の並びは変わることがあるので、迷ったらキャンペーン名で検索して絞り込んでください。utm_content の単位まで分けて見たい場合は、GA4のヘルプで「カスタム レポート(探索)」の作り方と、utm_content に対応するディメンションの名称を確認してください。画面名もディメンション名も更新で変わるため、実際の表示は自社のGA4で確かめるのが確実です。
utm_content に位置情報(r1c1=1行1列目)を入れておくのがコツです。半年後に「右下に置いていた予約ボタンと、左上に置いていた予約ボタン、どちらが押されたか」を比べられるようになります。位置を入れずに「reserve」とだけ書くと、配置を変えた前後が同じ名前で混ざります。
この章の結論として、管理画面ではメニュー全体の反応を見て、ボタン単位の判断はURLパラメータで見る、と役割を分けてください。この二段構えにしておくと、「どの枠を次に入れ替えるか」を感覚ではなく数字で決められます。
入れ替えの効果をどう測るか。前後比較の作り方
入れ替えの効果は、期間をずらした前後比較で見ます。同じ時期にA案とB案を並べて比べるやり方は準備の手間が大きいので、まずは前後比較を正しく作れるようにするのが先です。
前後比較は、条件をそろえないとすぐに嘘の結論が出ます。次の3つを守ると、比較できる数字になります。
- 期間の長さと曜日構成をそろえる:「入れ替え前14日間」と「入れ替え後14日間」のように、日数と曜日の並びを同じにします。7日単位で区切れば、土日の数が自動的にそろいます。
- 比較期間中は配信本数を変えない:前が週1本なら、後も週1本にします。配信を増やすと表示回数(分母)もタップ回数(分子)も動くので、クリック率が上下した理由をメニューに帰属させられなくなります。
- 大型キャンペーンの初日をまたがない:セールや新店オープンの初日が比較期間に入ると、メニューの効果とキャンペーンの効果が混ざります。イベントの直後は測定に向きません。
クリック率が上がると、売上はどのくらい動くのか
数字のイメージをつかむために、仮の値で試算してみます。下の数値はすべて計算の型を見せるための仮定で、実際の予約完了率も客単価も業種によって大きく変わります。必ず自社の数字を当てはめて計算し直してください。
| 項目 | 入れ替え前(仮の値) | 入れ替え後(仮の値) |
|---|---|---|
| 月間の表示回数 | 2,000回 | 2,000回 |
| クリック率 | 2.0% | 3.0% |
| タップされた回数 | 40回 | 60回 |
| 予約完了率(遷移先での成約) | 10% | 10% |
| 予約件数 | 4件 | 6件 |
| 客単価5,000円としたときの売上 | 20,000円 | 30,000円 |
この仮定のもとでは、クリック率が1ポイント動くと月1万円、年間で12万円の差になります。あくまで仮定の計算なので、割に合うかどうかは自社の表示回数・予約完了率・客単価を入れて判断してください。表示回数が多いアカウントほど、同じ1ポイントの差が大きな金額になります。
逆に言うと、表示回数が月に数十回しかないアカウントでは、クリック率を倍にしても増える件数はわずかです。その場合はメニューの改善ではなく、そもそもトークを開いてもらう回数を増やす(=配信と友だち集めの)話になります。判断の順番を間違えないでください。
入れ替えが続いている会社に共通していること
差し替えが習慣になっている会社には、共通点が3つあります。特別な人材がいるかどうかではなく、決めごとがあるかどうかの差です。
- 差し替え日がカレンダーに入っている:「余裕ができたら変える」ではなく、月初や第2月曜のように日付を固定しています。
- 記録シートが1枚ある:ステップ1で挙げた項目を、差し替えのたびに追記しています。回数がたまるほど、季節による上下と施策の効果を見分けやすくなります。
- 1回1箇所のルールを守っている:やりたいことが3つあっても、3回に分けます。結果として、どの変更が効いたかが毎回分かります。
この章の結論として、比較のルール(期間・配信本数・イベント)を先に決めてから差し替えてください。差し替えたあとに「どう測ろうか」と考え始めると、その回のデータはもう使えません。
よくある失敗と回避法。差し替えで起きる5つの事故
ここで挙げるのは、リッチメニューの差し替え作業そのもので起きる事故だけです。どれも順序と設定で防げます。
失敗1。古いメニューを先に削除して、導線が消える
新しい画像ができたので、まず古いメニューを削除してから新規作成に取りかかる。この順序でやると、新しいメニューの作成と設定が終わるまでの間、トーク画面からメニューが完全に消えます。
この時間帯にトークを開いた友だちは、予約ボタンもクーポンも見つけられません。飲食店や美容室のように、営業時間中に予約が入る業種では実害が出ます。
防ぎ方は、この記事のステップ3と4の順序を守ることだけです。新しいメニューを公開してから、古いメニューの終了日時を編集します。削除は1〜2週間後にまとめて行ってください。
失敗2。表示期間が重なって、古いメニューが出続ける
新メニューの開始を8月12日、旧メニューの終了を8月12日と、どちらも同じ日付で入れてしまうケースです。同じ日に2枚とも有効な状態にならないか、入力前に確かめる必要があります。
切り替えたはずなのに古い画像が出ている、という状態のまま気づかず数日過ぎることもあります。
防ぎ方は、旧メニューの終了を新しいメニューの開始より前に置くことです。管理画面で指定できる単位(日付まで、時刻まで)を先に確認し、その単位で新旧が重ならない値を入れます。作業前にこの2つの日時を紙に書いてから入力すると、入力ミスもなくなります。
失敗3。画像だけ差し替えて、リンクが前のまま残る
分割テンプレートを6分割から3分割に変えたのに、リンク設定を見直さずに公開してしまうケースです。ボタンの位置と面積が変わっているので、押した場所と飛ぶ先がずれます。
「クーポン」と書かれた枠を押したら予約ページに飛ぶ、という状態になります。友だちは不具合だと思って、二度と押さなくなります。クリック数だけ見ていると気づけないのが厄介なところです。
防ぎ方は2つあります。
- テンプレートを変えたら全ボタンのアクションを設定し直す:前の設定が残っている前提で、1つずつ入れ直します。
- 公開後に実機で全ボタンを押す:1つずつタップして、遷移先を目で確認します。
ステップ5のチェックリストを毎回使ってください。
失敗4。一度に全部変えて、何が効いたか分からなくなる
デザインを刷新し、ボタンの並びを組み替え、文言も全部書き直し、リンク先もLPに変更する。気合いの入った差し替えほど、この形になりがちです。
結果としてクリック率が上がっても下がっても、原因が特定できません。次に何を直せばいいのかが分からないので、また全部を勘で作り直すことになります。
防ぎ方は、変更を1回1箇所に分けることです。今月は「右下のボタンの文言だけ」、来月は「そのボタンの位置だけ」。地味ですが、何回か続けるうちに自分のアカウントで何が効くのかが見えてきます。
失敗5。分析の期間が差し替え日をまたいで、数字が混ざる
月初から月末までの1か月で分析画面を見て、その数字を新しいメニューの成績として報告してしまうケースです。月の途中で差し替えていれば、旧メニューの数字が混ざっている可能性があります。
混ざった数字は、良くも悪くも実態からずれます。旧メニューが好調だった場合、新メニューが失敗していても数字の上では横ばいに見えてしまいます。
防ぎ方は、分析の期間指定をできるだけメニューの公開期間に近づけることです。差し替え日を記録シートに残しておけば、翌月に迷いません。合わせて、差し替え日を月初に固定してしまうのも有効な手です。
この章の結論として、5つのうち4つは「順序」と「期間の指定」で防げます。デザインの腕前ではなく、作業手順の問題だと理解しておいてください。
現場で見えてくる、リッチメニュー運用の妥協点
手順どおりに回し始めると、教科書には書いていない壁に当たります。相談を受ける場面でよく出てくる、率直なところをお伝えします。
クリック率が下がっても、メニューが悪いとは限らない
クリック率の分母である表示回数は、友だちがトークルームを開いた回数に連動します。配信を増やした月は、トークを開く人が増えて分母がふくらみます。
分子であるタップ回数も同時に動くため、クリック率が上がるか下がるかは事前には決まりません。それでも、メニューを何も変えていないのに比率だけ動くことはあります。ここで慌ててメニューを作り直すと、良かった状態を壊してしまいます。
数字が動いたら、まず表示回数が前の期間と比べてどう動いたかを見てください。分母が大きく増えているなら、タップ回数の絶対値で判断するほうが実態に合います。配信頻度そのものの設計はLINEブロック率は月1回・配信は週1回から(嫌われない頻度設計)にまとめています。
枠の取り合いは、ルールを先に決めないと解けない
6分割のメニューは、社内で枠の取り合いが起きます。営業は問い合わせを、店舗は予約を、広報は採用情報を入れたい。全員の言い分に理があるので、話し合いでは決まりません。
現実的な解決策は、決め方を先に合意しておくことです。四半期ごとに、クリック数が最下位の枠を1つだけ入れ替える。このルールを先に決めておけば、外すときに誰かの顔を立てる必要がなくなります。
枠を減らすかどうかも、記録シートで決められます。押されている枠が一部に偏っていて、残りがほとんどタップされていないなら、3分割に減らして1枠を大きくするほうが押されることもあります。どの枠が使われていないかは自社の記録でしか分からないので、判断は記録が複数回分たまり、同じ傾向が続いていることを確かめてからにしてください。
出し分けやタブ切り替えを考える前に
「新規向け」「リピーター向け」でメニューを出し分けたい、タブで切り替えたい、という要望はよく出ます。まずは自社の管理画面でどこまで設定できるかを確認してください。管理画面の操作だけで実現できない場合の選択肢としては、Messaging APIを使った開発や、外部のLINEマーケティングツールの導入があります。
ツールを入れれば月額費用が乗りますし、画像もパターンの数だけ作ることになります。管理の手間も増えるので、押される枠が1枚のメニューに収まらないと分かってから検討するので十分です。
判断の目安としては、記録シートをためて、クリックが2つ以上のセグメントにはっきり割れていることが確認できてからです。それ以前に入れると、出し分ける中身がなくてツールだけが残ります。APIでできることの範囲はLINE Messaging APIでできること(無料枠と料金・トークン発行手順)で確認できます。
外注するなら、差し替え時の再設定が含まれるかを確認する
リッチメニューの制作を外注するとき、見積もりに入っているのが「画像制作まで」なのか「管理画面での設定と実機確認まで」なのかで、実際の負担がまったく変わります。
特に見落とされがちなのが、差し替えのたびに発生するリンクの再設定です。画像だけ納品されると、失敗3のずれ事故は自社の責任で防ぐことになります。見積もりを取るときは、差し替え1回あたりの作業がどこまで含まれるかを明記してもらってください。判断の材料はLINEリッチメニュー外注と自作の判断軸(見積もりの確認点)に整理しています。
なお、ボタンの文言案を複数出させる作業は生成AIが得意です。ただし、どの言葉が押されるかは実際のクリック率でしか分からないので、AIの出力は候補出しまでと割り切ってください。AIに文面を任せるときの注意点はLINE配信文をAIに書かせる時の情報漏洩対策にまとめています。
この章の結論として、リッチメニューの運用でお金と時間を使う判断は「枠を減らす」「ツールを入れる」「外注する」の3つに集約されます。どれも、記録シートで同じ傾向が続いていることを確かめてから決めれば失敗しません。
よくある質問
表示期間を設定したのに、切り替え日を過ぎても古いリッチメニューが出ています
まず新旧の表示期間が重なっていないか、管理画面で指定した値を見て確認してください。同じ日付で終了と開始を入れていると、重なっている可能性があります。期間が正しければ、LINEアプリを一度終了して開き直すと反映されることがあります。それでも変わらない場合は、表示されない原因の切り分け記事の手順で確認してください。
期間限定のクーポン用メニューが終わったら、自動で元のメニューに戻せますか
戻せます。ただし、元のメニューの表示期間が切れていると、クーポン用が終わった瞬間にメニューが空になります。クーポン用を公開するときに、元のメニューの終了日時をクーポン期間の後まで延ばしておくか、期間明けの分をもう1枚用意しておいてください。
6分割から3分割に変えた場合、前後のクリック数は比べられますか
メニュー全体のクリック率は比べられますが、ボタン単位では比べられません。面積も位置も変わるためです。分割を変える回は「基準を取り直す回」と割り切り、新しい分割で2回分の記録をためてから改善に入るのが現実的です。
古いリッチメニューを削除する前に、やっておくことはありますか
削除する前に、数字を手元に控えてください。差し替えの当日ではなく1〜2週間後に削除し、表示回数・タップ回数・クリック率・その期間の配信本数を記録シートに残してから消すと、あとで前後比較ができなくなる心配がありません。
誤字を見つけたときも、新しくリッチメニューを作り直すべきですか
誤字の修正だけなら、公開中のメニューをそのまま直して構いません。作り直しを勧めるのは、デザインや配置を変えて前後の数字を比べたいときです。数字を分ける必要がない修正まで新規作成にすると、記録が細かく分かれて読みにくくなります。
今日からできる最初の一歩
まずはスマートフォンで自社のLINE公式アカウントのトークルームを開き、いま出ているリッチメニューの全ボタンを1つずつ押してみてください。1つでも遷移先がずれていたり、期限切れのページに飛んだりしていれば、それが最優先の差し替え箇所です。
そのうえで、リッチメニュー単体ではなくアカウント全体の数字をどう見るかはLINEのKPIは友だち数で見るな(売上を伸ばす指標と4ステップ)で整理しています。差し替え運用の効果を上に報告するときの土台になります。
手順は分かったけれど、毎月の差し替えと数字の記録まで社内で回すのは難しそうだと感じた方は、一度お話を聞かせてください。今のメニューを一緒に見て、次にどの枠を入れ替えるかを整理するだけでも構いません。LINE公式アカウントの運用でどこまで任せられるかはLINE公式アカウント運用代行の費用相場と頼める範囲の決め方にまとめているので、判断の材料にしてみてください。
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