熊本のAI研修・生成AIセミナー|公的講座と社内研修の選び方
この記事の要点
- 個人の基礎は公的講座、会社として決めることは社内研修で分ける
- 熊本県の無料DX研修は、基礎研修の申込締切が2026年10月30日(金)です。
- 助成金は時間などの条件あり。前提にしない予算の組み方を本文で解説
熊本でAI研修を選ぶときは、社員一人ひとりの基礎知識は県や支援機関の公的講座で身につけ、どの業務から試すか・何を入力してよいかといった会社として決めることは社内研修で決める、という分け方が現実的です。公的講座は無料や低価格で受けられるものがある一方、題材は自社の業務ではなく、受講後に社内で何を決めるかは各社に任されます。
熊本県内で、社員向けのAI研修を外部に依頼するかを判断する経営者・役員、総務や人事の責任者に向けた記事です。読み終わる頃には、公的講座と社内研修のどちらを、どの順番で使うかを決められる状態を目指します。
この記事では、熊本県内の公的な講座と相談先、社内研修の依頼の仕方、助成金の調べ方を扱います。九州7県の相談先をまとめて比べたい方は、九州7県のAI研修の相談先と助成金の調べ方をご覧ください。
Contents / 目次
公的講座と社内研修の違いと使い分け
熊本でAI研修を選ぶなら、「社員個人の基礎は公的講座、会社として決めることは社内研修」と分けると迷いが減ります。公的講座とは、県や支援機関、商工会議所・商工会などが、地域の事業者向けに開く講座やセミナーのことです。社内研修とは、講師に自社へ来てもらうかオンラインでつないで、自社の社員だけで受ける研修のことです。
2つの違いは、費用よりも「受講が終わったときに何が決まっているか」にあります。公的講座は業種を問わない共通の内容なので、受けた社員の理解は深まります。ただし、自社のどの業務から試すか、顧客の情報をAIに入力してよいかは、受講後に社内で改めて決める必要があります。
3つの受け方を、受ける人・費用・題材・受講後に決まることで比べると次のとおりです。
| 比べる点 | 公的講座(県・支援機関・商工会など) | 民間の公開セミナー | 社内研修(自社の社員だけで受ける) |
|---|---|---|---|
| 受ける人 | 各社から1〜数名が参加 | 個人単位で申し込み | 自社の経営陣と社員が一緒に受ける |
| 費用 | 無料や低価格のものがある | 無料から有料まで幅がある | 講師料のほか、交通費などがかかる場合がある |
| 題材 | 業種を問わない共通の内容 | 主催者が決めた内容やツール | 自社の業務と、自社で扱う情報 |
| 受講後に決まること | 受講者個人の理解。会社の方針は社内で別に決める | 受講者個人の理解。特定ツールの使い方 | どの業務から試すか、誰が進めるかをその場で話し合える |
| 向く会社 | まず担当者に基礎を学んでもらいたい会社 | 使うツールがすでに決まっている会社 | 社員が個人でAIを使い始めていて、会社として決めることが残っている会社 |
どれを選ぶかは、自社の状況から次のように判断できます。
- 社内でAIを使っている社員がまだいない:担当者1〜2名が公的講座で基礎を学び、社内で何に使えそうかを報告してもらう
- 経営者と推進担当者で、デジタル化の改善計画まで作りたい:県の実践研修のように、2名1組で参加して計画づくりまで支援を受けられる講座を選ぶ。2026年度の県の実践研修は申込を終了しているため、次年度以降の募集の有無を県の公式サイトで確認する
- 社員がすでに個人でAIを使い始めている:公的講座の募集を待たずに、社内研修で入力してよい情報と最初に試す業務を先に決める
3つ目のように、受講者個人ではなく会社として決めることが残っている場合は、公的講座だけでは足りません。社員が個人でAIを使い始めていて、入力してよい情報がまだ社内で決まっていない場合は、経営者と社員で考えるAI活用研修(120分)で、情報の扱いと最初に試す業務を先に話し合う進め方もあります。
この章の結論。社内にAIを使っている社員がいるかどうかで、公的講座から始めるか、社内研修から始めるかを判断できます。
熊本県内で受けられる公的なAI講座と相談先
熊本県内でAIを含むデジタル化を学べる公的な講座として、まず確認したいのは熊本県が開く無料の研修です。研修に限らずAI活用を相談できる窓口としては、よろず支援拠点と、地域の商工会議所・商工会があります。
熊本県の無料DX研修「熊本デジタルイノベーションアカデミア2026」
熊本デジタルイノベーションアカデミア2026は、熊本県企画振興部デジタル改革推進局デジタル戦略推進課が主催する、県内の事業所に所属する従業員を対象にした無料の研修です。DX・AI・データ活用の基礎を学ぶ基礎研修と、自社の課題から改善計画を作る実践研修の2段階になっています。
くまもとDX推進コンソーシアムの募集ページでは、「学びを課題へ。課題を実装へ。」という言葉で、学んだ内容を自社の課題と改善計画、社内での実装につなげる構成が説明されています。募集ページに書かれている主な条件は次のとおりです(2026年10月03日時点)。
- 基礎研修:eラーニングで、IT・データ活用・AIや生成AIなどの基礎を学ぶ。最大200名・先着順で、受講料は無料
- 実践研修:全4回のワークショップと成果報告に、個別支援が付く。20社(40名程度)で、応募が多い場合は選考。会場は熊本城ホール(オンライン受講も相談可)
- 参加の形:実践研修は、経営層とDX推進担当者などの2名1組での参加が推奨されている
- 締切:基礎研修の申込締切は2026年10月30日(金)
2026年10月3日時点で、実践研修の申込は終了しています。いまから申し込めるのは基礎研修で、申込締切は2026年10月30日(金)です。申込は募集ページにある専用のWebフォームから行います。
よろず支援拠点と商工会議所・商工会への相談
熊本県よろず支援拠点は、国が47都道府県に設置している無料の経営相談所で、熊本県では公益財団法人くまもと産業支援財団が実施機関です(よろず支援拠点全国本部、拠点一覧)。相談は無料で、支援の内容には施策活用支援(補助制度などの活用)も含まれています。「AIをどの業務に使えるか」「研修や補助制度をどう探すか」といった相談を、売上や業務改善の相談と一緒に持ち込めます。2026年9月から10月にかけては、AIを題材にした経営実践セミナーも開かれています。
商工会議所・商工会も地域の事業者向けにセミナーを開いており、生成AIをテーマにした回もあります。たとえば熊本商工会議所は、2026年7月7日(火)に生成AIの活用をテーマにしたセミナーを無料で開きました。開催の有無や内容は地域ごと・年度ごとに違うため、自社が所属する商工会議所・商工会の公式サイトやお知らせで確認するのが確実です。大学の公開講座でも、AIを扱う講座があります。熊本大学の2026年度の公開講座には、生成AIを使った講座が含まれています。
公的講座を探して申し込むまでの手順
公的講座は、探す前に「誰に受けてもらい、受講後に何をしてもらうか」を決めておくと選びやすくなります。
- 受講してもらう社員と、受講後にしてほしいこと(社内で報告する、試す業務の候補を出すなど)を1行で書く
- 熊本県、自社の市町村、所属する商工会議所・商工会の公式サイトで、「AI」「DX」「デジタル」を含む講座やセミナーの募集を探す
- 見つけた講座の募集要項を、次のチェックリストで確認する
- 申し込む前に、受講後に社内で報告してもらう日を予定に入れる
募集要項で確認したい項目は次の7つです。
- 対象者:県内の事業所の従業員か、会員企業に限るか、個人でも申し込めるか
- 費用:無料か、教材費や交通費が別にかかるか
- 時間と回数:1回で終わるか、複数回か。eラーニングなら学習期間はどれくらいか
- 形式:会場で受けるか、オンラインか
- 題材:自社の業務を持ち込めるワークがあるか、講義だけか
- 定員と選考:先着順か、選考があるか
- 締切:申込締切と開講日
この章の結論。基礎研修は2026年10月30日(金)が申込締切です。題材や時間の条件が自社に合うかを7項目で判断してから申し込みます。
社内研修を外部に依頼する前に決める4つのこと
社内研修を外部に依頼する前に決めるのは、受講者・試したい業務・いまの情報の扱い・依頼文の4つです。この4つが決まっていると、講師との打ち合わせが短く済み、研修の中身を自社の業務に合わせてもらいやすくなります。
ステップ1。受講者は経営陣とAIを試す実務のメンバー
受講者は、経営陣と、実際にAIを試す実務のメンバーを一緒にするのが基本です。実務のメンバーだけが受けると、「この業務で試したい」という案が出ても、費用や情報管理の判断が必要になった時点で経営陣の確認待ちになります。人数は、全員が一度は発言できる規模に絞ります。
ステップ2。研修で試したい業務を3つ書き出す
研修の題材は、自社の業務から選びます。毎週同じ形で発生し、文章や表を扱う業務が候補になります。たとえば、見積書を送るときのメール、会議の議事録、求人票の文面、社内向けのお知らせなどです。
業務の候補出しは、AIに手伝わせることもできます。ChatGPTやClaudeに次のように伝えると、たたき台が返ってきます。
私は[業種を入力]の会社の[役職を入力]です。社員は[人数を入力]名です。
毎週くり返している業務のうち、生成AIで下書きを作れそうなものを10個挙げてください。
それぞれに、AIに入力する情報と、出力をどう確認するかを1行で添えてください。
顧客名や金額などの具体的な情報は入力しない前提で考えてください。
出てきた10個から、自分たちで3つに絞ります。絞るときは、間違えたときの影響が小さいものを選びます。社外にそのまま出す文書より、社内で一度確認してから使う下書きのほうが、最初の題材に向いています。あとはAIと対話しながら、自社の業務に合わせて候補を詰めてください。
ステップ3。社員のAI利用の現状を確認する
研修の前に、社員がどのAIサービスを、どのアカウントで使っているかを確認しておきます。全員に細かく聞く必要はなく、次の3点が分かれば十分です。
- 使っているサービス:ChatGPT・Gemini・Claude・Copilotなど、どれを使っているか
- アカウントの種類:個人の無料版か、会社で契約した法人向けプランか
- 入力している情報:社内資料・顧客名・見積金額などを入力したことがあるか
この3点が分かると、研修で「入力してよい情報」を話し合うときに、架空の例ではなく自社の実態から決められます。プランごとの学習利用や管理機能の違いは、AIの法人プランと個人プランの違いで解説しています。
ステップ4。依頼文を送る
ステップ1〜3で決めたことを、そのまま依頼文に書きます。次の文面をコピーし、[ ]の中を書き換えて使えます。
件名:社内向け生成AI研修のご相談
[研修会社名] ご担当者様
[会社名]の[氏名]です。社員向けの生成AI研修についてご相談します。
・受講者:経営陣[人数]名、実務のメンバー[人数]名
・題材にしたい業務:[業務1]/[業務2]/[業務3]
・いまの利用状況:[個人の無料版を数名が使用、など]
・実施場所:[熊本県○○市の自社会議室]
・希望時期:[○月ごろ]
次の3点を教えてください。
1. 上記の人数と題材で、研修の時間と進め方はどうなりますか
2. 研修が終わったとき、社内で何が決まっている状態になりますか
3. 講師料のほかにかかる費用(交通費・資料代など)はありますか
3つ目の質問は、熊本県外から講師が来る場合に特に大事です。交通費が別に見積もられるかどうかで、総額が変わります。依頼先と自社のどちらがどの準備を受け持つかは、AI研修の講師派遣の分担表と準備チェックリストで確認できます。
120分の社内研修で決められること
社内研修の一例として、コレットラボの「経営者と社員で考えるAI活用研修」は、1回120分・1名から10名で、貴社の会場で投影形式で行います(オンラインはご相談ください)。これからAIを試す実務のメンバーと経営陣が一緒に受け、終盤15分のディスカッションで次の4点を話し合います。
- どの業務から試すか
- 誰が進めるか
- 試す前に何を確認するか
- 情報管理や費用を踏まえて、どの範囲で取り入れるか
120分で導入計画や社内規程が完成するわけではありません。話し合った4点をもとに、社内ルールの文書化や試行の計画づくりは研修のあとに社内で進めます。訪問先は、大分・福岡を中心に、九州内や近隣の県にも伺います。交通費は別途お見積もりします。
この章の結論。受講者・試したい業務・利用の現状の3つを依頼文に書いて送れば、研修会社ごとの進め方と総額を同じ条件で比べられます。
助成金の調べ方と、研修の組み合わせでつまずく4つの条件
研修費用に使える制度は、国の助成金は熊本労働局、県や市町村の補助は各自治体の公式ページで調べます。助成金には研修の時間や事前の手続きに条件があり、短い研修では使えない場合があるため、助成金を前提に予算を組まないようにします。
研修に使える助成金・補助制度の調べ方
- 国の制度を確認する。厚生労働省の人材開発支援助成金には、社員の訓練にかかる費用や訓練中の賃金の一部を助成するコースがあります。窓口は熊本労働局 職業対策課 助成金センターです。訓練を始める日の1か月前までに計画を出す決まりがあるため、研修日を決める前に、予定している研修が対象になるかを問い合わせます。
- 県と市町村の制度を確認する。熊本県や自社の市町村の公式サイトで、「DX」「デジタル化」「人材育成」「補助金」を含む募集を探します。年度ごとに募集の有無や条件が変わるため、前年度の情報で判断しません
- 当てはまる制度が分からなければ相談する。よろず支援拠点や、所属する商工会議所・商工会に、研修の内容と時期を伝えて相談します
人材開発支援助成金は、コースごとに支給の条件が決められています。たとえば人材育成支援コースは、実訓練時間数が10時間以上であることが条件の1つです。1回120分のような短い研修は、条件を満たさない場合があります。対象になる訓練の条件・手続き・金額・助成率・申請の期限は、厚生労働省の人材開発支援助成金のページと、熊本労働局の各種助成金のページで最新の案内を確認してください。
担当者1人の受講だと、改善計画の承認で止まる
公的講座に担当者1人だけを出し、経営者は内容を知らないままにしておく場合があります。そうすると、受講後に改善計画や試したい業務の案が出ても、予算と人の割り当てを決める段階で止まります。
経営者が受講者の1人になるか、少なくとも成果報告の日を先に予定に入れておくと防げます。熊本県の実践研修も、募集ページで経営層とDX推進担当者などの2名1組での参加を推奨しています。
公的講座の受講だけでは、入力してよい情報は決まらない
公的講座は複数の会社が一緒に受けるため、自社の顧客情報や見積金額をAIに入力してよいかといった、各社の情報の扱いまでは決められません。受講した社員が「研修を受けたから大丈夫」と考え、各自の判断で社内資料を入力し始めると、会社として把握できない使い方が広がります。
受講後1か月以内に、入力してよい情報と禁止する情報を社内で決めます。項目の例は生成AI社内ルールの12項目のひな形と情報区分表を参考にしてください。
助成金を前提に短い研修を予算化すると、自費の負担が残る
短時間の研修を「助成金で費用が戻る」前提で予算に入れると、時間の条件や事前の届け出を満たさずに対象外となり、全額が自費になります。予算は助成金なしでも支払える金額で組み、助成金が使えた場合は差額が戻ると考えるのが安全です。複数回・長時間の研修で助成金を使いたい場合は、日程を決める前に熊本労働局へ相談します。
先着順の募集を待つと、社内で決めることが年度をまたぐ
公的講座の結果を見てから社内研修を考えようとすると、先着順や選考で受講できなかった場合に、次の年度の募集まで社内では何も決まらないまま時間が過ぎます。その間も社員の個人利用は続きます。公的講座の採否とは切り離して、入力してよい情報と最初に試す業務を決める日程を社内で先に確保しておきます。
この章の結論。助成金は使えたら差額が戻るものとして扱い、公的講座の受講と、会社として決める日程は別々に組むと、どちらかが止まっても全体は止まりません。
熊本のAI研修でよくある質問
熊本デジタルイノベーションアカデミアを受けたあとに、社内研修も必要ですか?
受講者以外の社員にもAIを使ってもらうなら、会社として入力してよい情報や使う業務を全員に伝える場が別に必要です。実践研修は2名1組での参加が推奨され、改善計画を作る内容なので、その計画を社内に広げるときに、全員で同じ説明を受ける短い社内研修を組み合わせる形が考えられます。
天草や人吉、阿蘇など熊本市から離れた地域でも、講師に来てもらえますか?
依頼先ごとに対応地域が違うので、最初の問い合わせで訪問できるかと交通費の扱いを確認してください。交通費が別見積もりの場合、遠方ほど総額が変わります。オンラインで受けられるか、複数の拠点の社員を1か所に集められるかもあわせて確認すると比べやすくなります。
「生成AI セミナー 熊本」で探すと無料のものが多いけど、何を見て選べばいい?
主催者と、セミナーで何を学べるかを見ます。県や支援機関の講座は、特定の製品に寄らない基礎が中心です。民間の無料セミナーは、自社のサービスやツールの紹介を兼ねていることがあるので、使うツールが決まっているときに向きます。どちらも、自社の業務を題材にできるかは募集要項で確認してください。
社員が5人ほどの会社でも、社内研修を依頼する意味はありますか?
人数が少ない会社ほど、経営者と社員全員が同じ場で受けられるので、受講後すぐに試す業務と進める人を決められます。公的講座に1人ずつ出すと、学んだ内容を社内で共有する手間がかかります。1名から受けられる研修もあるため、人数よりも、会社として決めたいことがあるかで判断してください。
まずは、くまもとDX推進コンソーシアムの募集ページで、基礎研修の対象条件が自社に当てはまるかを確認し、2026年10月30日(金)の締切までに申し込むかを決めてください。最初に試す業務の選び方をさらに詰めたい方は、中小企業が最初の1業務を選ぶ採点表が参考になります。
公的講座とは別に、社内で入力してよい情報や最初に試す業務を決めておきたいと感じた方は、いまの利用状況と試したい業務をお聞かせください。熊本の会社にも伺える経営者と社員で考えるAI活用研修の内容と料金は、リンク先のページでご確認いただけます。
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