LP制作の費用相場の見方|構成と広告運用で変わる内訳と確認7項目
この記事の要点
- LP制作費の差は、構成と原稿を誰が作るかで生まれる
- 広告を出すなら、制作費とは別に広告費・運用費・改善費が毎月かかる
- 契約前に確認する7項目を、質問の文面つきで本文に掲載
LP制作の費用は、依頼する作業の範囲によって大きく変わります。差を生むのはデザインの凝り具合よりも、「構成と原稿を誰が作るか」と「公開後に広告を出して改善を続けるか」の2つです。テンプレートに原稿を差し替える形と、構成と原稿から依頼する形とでは、制作会社が引き受ける作業が大きく違います。広告を出す場合は、制作費とは別に月々の費用がかかります。
この記事は、LP制作を外部に依頼する予定があり、届いた見積もりが妥当か判断したい経営者・役員の方に向けたものです。読み終わる頃には、4つの段階のうちどこまでを依頼するかと、契約前に制作会社へ確認する項目が決められます。
LPとコーポレートサイトのどちらを作るべきか迷っている段階なら、先にLPと会社案内サイトの使い分けをご覧ください。この記事では費用の内訳に絞って解説します。
Contents / 目次
LP制作の費用相場の見方と、依頼範囲の4つの段階
LP制作の費用は、制作会社に依頼する作業の範囲によって、おおむね4つの段階に分かれます。金額は依頼先(個人か制作会社か)によっても変わるため、この記事では1つの金額を相場として示すのではなく、同じ段階・同じ内訳の見積もりどうしを並べて、自社の見積もりが妥当かを判断する方法を解説します。同じ「LP1ページ」でも、デザインとコーディングだけを依頼するのか、構成と原稿から依頼するのかで、見積もりの金額も制作会社が引き受ける作業も大きく変わります。
LP(ランディングページ)とは、広告や検索から来た人に、問い合わせ・資料請求・予約のような1つの行動をしてもらうために作る縦長の1ページです。会社全体を紹介するホームページと違い、1ページの中で「誰に・何を・どの順で伝えるか」の設計が成果を左右します。
次の表は、依頼する作業の範囲を4つの段階に分けたものです。金額ではなく作業の範囲で比べると、届いた見積もりがどの段階にあたるかが分かります。1段目から4段目に進むほど、制作会社が引き受ける作業が増え、見積もりも高くなります。
| 依頼する段 | 主に含まれる作業 | 社内で用意するもの | 合う使い方 |
|---|---|---|---|
| 1段目(テンプレート) | テンプレートへの差し替え、コーディング | 構成・原稿・写真のすべて | イベントや期間限定の告知 |
| 2段目(オリジナルデザイン) | オリジナルデザイン、スマホ対応、コーディング | 構成と原稿 | 原稿を社内で書ける会社の商品紹介 |
| 3段目(構成・原稿込み) | 構成案、原稿作成、デザイン、問い合わせフォーム | 商品の情報、実績、お客様の声 | 問い合わせを集める常設のLP |
| 4段目(改善・広告連携込み) | 競合調査、撮影、計測設定、公開後の改善、広告との連携設計 | 判断と社内情報の提供 | 広告費を継続して投じるLP |
表のとおり、段階が上がるごとに増えるのはデザインの質よりも、制作会社が引き受ける「考える作業」です。見積もりに構成と原稿が含まれていなければ、その作業は社内に残ります。
見積もりを並べて相場をつかむ手順
自社の条件での費用の目安は、同じ条件で取った見積もりを並べると分かります。次の4つの手順で進めてください。
- 表の4つの段階のうち、どこまでを依頼するかを先に決める
- 同じ段階の条件で、2〜3社に見積もりを依頼する。依頼文には、セクション数の目安、構成と原稿をどちらが作るか、フォームと計測の設定を含めるかを書く
- 届いた見積もりを、次の章で紹介する7項目の行に分けて、1つの表に並べる
- 1社だけ金額が大きく違う行があれば、その行に含まれる作業を質問する。作業の範囲がそろえば、各社の金額の幅が、その条件での目安になります
条件をそろえずに取った見積もりは、金額の差が作業範囲の差なのか価格の差なのかを見分けられません。手順2で依頼文をそろえておくと、比べる手間が大きく減ります。
予算の段階を決める3つの質問
- このLPに広告費をかけるか。かけるなら、制作費は広告費との釣り合いで決めます(広告運用の章に計算例を載せています)
- 構成と原稿を社内で書ける担当者がいるか。いなければ、構成と原稿まで依頼する3段目以上が現実的な選択肢になります
- 公開後に、数字を見て修正する期間と予算を取れるか。取れないなら、公開時の完成度を上げる方向に予算を配分します
2つ目の質問で「社内に書ける担当者がいない」となった場合は、訴求する相手から決めるLP制作をご相談いただく進め方もあります。ページを作る前に、誰に向けたLPかと社内で用意するものを決めるところから始められます。
AIで社内制作する場合に下がる費用と下がらない費用
生成AIを使うと、構成案のたたき台と原稿の下書きは社内で作れるようになりました。
一方で、AIを使っても費用が下がりにくい作業もあります。次の4つです。
- 誰に何を伝えるかの判断
- 写真などの素材
- 問い合わせフォームと計測の設定
- 広告の訴求との整合
広告を出さず、展示会や社内向けの告知に使うLPなら、AIとテンプレートで社内制作する選択肢は十分に現実的です。月に数十万円の広告費を流すLPは、フォームの不具合があると問い合わせを取りこぼし、計測漏れがあると広告の効果を判断できなくなるので、公開前の確認まで含めて依頼したほうが確実です。AIで作った下書きを制作会社に渡し、原稿作成の範囲を減らす依頼の仕方もあります。
この章の結論。見積もり額の差は、構成と原稿を誰が作るかの差です。広告費をかけるか、社内に書ける担当者がいるかの2点で、依頼する段階がほぼ決まります。
LP制作費の内訳7項目と、ページ構成で費用が上がる条件
LP制作の見積もりは、次の7項目に分けると比べやすくなります。「一式」とだけ書かれた見積もりでも、この7項目のどれが含まれているかを制作会社に確認すれば、他社と同じ条件で比較できます。
| 項目 | 中身 | 費用が上がる条件 | 社内で代われるか |
|---|---|---|---|
| 企画・構成 | 誰に何をどの順で伝えるかの設計、競合調査 | 商品が複数ある、比較される相手が多い | AIでたたき台は作れる。最終判断は社内 |
| 原稿 | 見出し・本文・ボタンの文言 | 取材が要る、専門性が高い商材 | 下書きなら可能 |
| デザイン | ファーストビューと各セクションの見た目 | セクション数が多い、図解やイラストが多い | 難しい |
| コーディング・スマホ対応 | HTMLとCSSの実装、表示崩れの確認 | 動きのある演出、既存サイトへの組み込み | ツール型なら不要な場合がある |
| 素材 | 写真撮影、イラスト、動画 | 撮影日が要る、人物や現場の撮影 | 自社の写真を使えば費用が下がる |
| フォーム・計測 | 問い合わせフォーム、自動返信、GA4や広告の成果計測 | 広告を複数の媒体に出す、顧客管理ツールと連携する | 難しい |
| 公開作業 | ドメイン、サーバー、SSL、アップロード | 新しいドメインを取る、既存サイトの配下に置く | 既存サイトがあれば一部可能 |
セクション数で増える費用と増えない費用
LPの費用には、ページの長さ(セクション数)に比例して増える部分と、長さに関係なくかかる部分があります。原稿・デザイン・コーディングは、セクションが1つ増えるたびに作業が増えます。企画・フォーム・計測・公開作業は、ページが短くてもほぼ同じだけかかります。
予算を抑えたいときに削りやすいのはセクション数です。一方で企画と原稿を削ると、ページは完成しても誰に向けた話か分からないLPになりやすくなります。セクションの並べ方はLPの構成案の作り方で解説しています。
同じ40万円の見積もりを内訳で比べる例
仮に、同じ40万円の見積もりが2社から届いたとします。A社はデザイン25万円・コーディング10万円・公開作業5万円。B社は企画・構成10万円・原稿10万円・デザイン12万円・コーディング6万円・フォームと計測2万円です。
金額は同じでも、A社の見積もりは構成と原稿を社内で用意する前提です。B社には公開作業の行が無いので、サーバーへのアップロードを誰が行うのかを確認します。このように行ごとに比べると、「安い・高い」ではなく「社内に何の作業が残るか」で判断できます。
この章の結論。見積もりは7項目に分けて、行が無い項目を誰が担うかを確認します。削ってよいのはセクション数で、企画と原稿は削らない判断が基本です。
広告運用の有無で変わるLPの料金と月々の費用
広告を出さないLPは、制作費とサーバー代でほぼ完結します。広告を出すLPは、制作費に加えて、広告費・運用手数料・改善費・計測の保守が毎月かかります。
| 費用 | 広告を出さないLP | 広告を出すLP |
|---|---|---|
| 制作費 | 公開時に1回 | 公開時に1回(計測設定の分だけ増える) |
| サーバー・ドメイン | 年単位 | 年単位 |
| 広告費 | なし | 毎月、広告媒体に支払う |
| 運用手数料 | なし | 運用を外部に依頼する場合、毎月 |
| 改善費(LPO) | 必要なときだけ | 毎月または数か月ごと |
| 計測の保守 | ほぼ不要 | 広告媒体を増やすたびに設定 |
LPOとは、ランディングページ最適化のことです。公開後の数字を見て、ファーストビューの見出しやボタン、フォームの項目を修正し、問い合わせに進む割合を上げる作業を指します。
広告を出すなら、制作費は広告費と一緒に考える
LPの出来は、同じ広告費で何件の問い合わせが来るかを左右します。Google広告ヘルプの検索キャンペーンの品質スコアについてでも、品質スコアを構成する要素の1つに「ランディング ページの利便性」が挙げられています。
仮に、月30万円の広告費でクリック単価が150円なら、月に2,000回クリックされます。LPを訪れた人のうち問い合わせる割合(コンバージョン率)が1%なら月20件、1.5%なら月30件です。クリック単価が変わらなければ、同じ30件を1%のLPで集めるには、広告費が月45万円必要になります。
この例では、毎月15万円、1年で180万円の差です。広告を1年続ける予定なら、制作費と改善費にどれだけ配分するかを、この差と比べて決められます。ただし、コンバージョン率がどれだけ上がるかは商材と競合で変わり、制作費をかければ必ず上がるわけではありません。
運用手数料と、制作会社を分けるときの注意
広告運用の手数料には、「広告費の○%」とする決め方と、月額固定とする決め方があります。仮に広告費の20%とする契約なら、月30万円の広告費で手数料は月6万円です。
LP制作と広告運用を別の会社に依頼する場合は、広告文とLPのファーストビューの内容がずれないかを確認します。
たとえば「初回相談無料」の広告から来た人が、LPの最初の画面で無料の記載を見つけられないと、読み進めずに離れます。
広告文をLP制作会社にも共有し、成果計測のタグをどちらが設置するかも契約前に決めます。
計測の仕組みはGTMでGA4イベント計測を設定する手順で解説しています。
この章の結論。広告を出すLPは、制作費だけでなく1年分の広告費・手数料・改善費を合わせた総額で予算を組みます。コンバージョン率の差が広告費の差になる計算を、配分の判断に使えます。
LP制作の契約前に確認する7項目と、費用が無駄になる条件
契約前には、次の7項目を制作会社に確認します。どれも見積書の金額だけでは分からず、公開後に追加費用や作業の抜けとして表に出る項目です。
| 確認する項目 | 質問の文面例 | 曖昧なまま契約した場合 |
|---|---|---|
| 構成と原稿の担当 | 「構成案と原稿は、御社と当社のどちらが作成する前提ですか」 | 原稿待ちで公開日が延びる |
| 修正の回数と範囲 | 「デザイン確定後の文言修正は、何回まで費用に含まれますか」 | 修正のたびに追加費用が出る |
| 写真・イラストの利用範囲 | 「LPの写真素材は、広告バナーやSNSにも使えますか」 | 広告に転用できず、素材を買い直す |
| 成果計測の設定 | 「問い合わせ完了を、GA4と広告媒体の両方で計測する設定まで含まれますか」 | 広告から何件来たか数えられない |
| 納品形式とデータ | 「公開後、HTMLや画像のデータは納品されますか。制作ツールを解約したらLPはどうなりますか」 | 解約や乗り換えでLPが使えなくなる |
| ドメインとサーバーの名義 | 「ドメインとサーバーは、当社名義で契約しますか」 | 制作会社を変えるときに移管できない |
| 公開後の修正費用 | 「公開後に見出しやボタンの文言を変える場合、1回あたりの費用はいくらですか」 | 改善のたびに見積もり待ちになる |
見積書全体の読み方はホームページ制作の見積書の読み方、修正回数の決め方はホームページ制作の修正回数と追加費用で詳しく解説しています。
LPの費用が無駄になる3つの条件
- 計測を確かめる前に広告を出稿する:広告の開始日を先に決め、公開と同時に出稿すると、問い合わせ完了が広告媒体に記録されないまま広告費が使われます。最初の数週間の成果が数えられず、どの広告が効いたか判断できません。公開前にテスト送信を行い、GA4と広告媒体の両方に記録されるかを確かめてから出稿します。
- 1本のLPに複数の商品と相手を載せる:「経営者向け」と「現場担当者向け」の広告を同じLPに送ると、どちらの広告から来た人にも最初の画面が合いません。広告を相手ごとに分けるなら、LPを分けるか、ファーストビューだけ差し替える費用を最初の見積もりに入れておきます。
- 月額制のツールで作り、解約時の扱いを確かめない:月額制で作ったLPは、契約を解約すると表示されなくなる場合があります。広告のリンク先が消えると、広告費だけが使われ続けます。2〜3年の総額と、解約後にデータを持ち出せるかを契約前に確認します。
自社で行う範囲と依頼する範囲
自社で行うのは、商品の強み・実績・お客様の声といった材料の提供と、問い合わせが来たあとの対応です。材料の中身は社内にしか無いので、ここを制作会社に任せることはできません。
依頼するのは、構成の設計、計測の設定、公開後の数字の読み取りです。特に広告を出すLPは、毎月の数字を見てどこを修正するかの判断が続きます。
広告費をかけながら修正箇所を毎月決めて実装まで進めたい場合は、広告とLPを毎月見直すWeb広告運用の支援という依頼の仕方もあります。
この章の結論。7項目を契約前に文面で確認すれば、公開後の追加費用と作業の抜けを先に防げます。材料の提供と問い合わせ対応は社内、構成・計測・改善の判断は依頼、が基本の分け方です。
LP制作の費用と料金に関する質問
テンプレートに差し替える形のLP制作を依頼すると、社内に残る作業は何ですか?
この形は、既存のテンプレートに原稿と写真を差し替える作業が中心です。そのため構成・原稿・写真は社内で用意する前提になります。見積書に「構成」「原稿」の行があるかを確認し、無ければ社内で書く時間と担当者を先に決めてから依頼してください。
広告用と展示会用でLPを2本作ると、費用は2倍になりますか?
2倍にならない場合があります。企画、デザインの型、フォーム、計測設定は共通にでき、2本目はファーストビューと原稿の差し替えが中心になるためです。見積もりの段階で「2本目はどの作業を共通にできるか」を制作会社に確認してください。
既存のWordPressサイトの中にLPを作る場合も、費用は同じですか?
同じとは限りません。既存のテーマの中で作ると、テーマの制約でデザインを変えにくく、CSSの調整費が増えることがあります。一方で、ドメインとサーバーは既存のものを使えるため、新しく契約する費用は基本的にかかりません。計測も、GA4のタグなど既存サイトの設定を流用できる部分があります。ただし、LPの問い合わせ完了の計測や広告媒体のタグは、追加で設定することが多いです。どちらの形で作るかと、計測の設定をどこまで含めるかを見積もり前に伝えてください。
LPの月額制ツールと買い切りの制作は、どう比べればいいですか?
2〜3年使う前提の総額で比べます。月額制は初期費用が低い代わりに、使う期間が長いほど総額が増えます。あわせて、解約したあとにLPのデータを持ち出せるかと、ドメインを自社名義で使えるかも確認してください。
見積もりを依頼する前に書き出す2つのこと
まずは、LPに使う予定の広告費が月いくらかと、構成と原稿を社内で書ける担当者がいるかの2つを書き出してみてください。この2つが決まると、4つの段階のうちどこまでを依頼するかが決まります。すでに公開しているLPで問い合わせが来ていない場合は、LPで問い合わせ0の原因と確認する順番から読むと、新しく制作する前に修正できる箇所が分かります。
ここまで読んで、構成や計測まで社内で進めるのは難しそうだと感じた方は、広告のリンク先になるLP制作について気軽にご相談ください。誰に何を伝えるページにするかと、社内で用意するものを最初に決めるので、見積もりの中身を比べる材料もそろいます。いまの状況を伺うだけでも大丈夫です。
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