歯科医院のMEO対策代行|依頼前に確認する判断ポイントと質問例
この記事の要点
- 依頼前に確かめるのは権限・投稿の確認・返信の承認など6点。確認表は本文に
- 口コミ返信では治療内容に触れない。返信の最終承認は医院に残す
- 成果は順位だけでなく、問診票の来院のきっかけと電話・経路の数もあわせて判断
歯科医院がMEO対策の代行を依頼する前に確認したい点は、次の章の表にまとめた6つです。そのうち、契約の相手を選ぶ前に医院として決めておきたいのは、次の3つです。
- Googleビジネスプロフィールのオーナー権限を医院に残せるか
- 投稿文と口コミ返信を、誰が確認してから公開するか
- 成果を何の数字で判断するか
歯科医院には、医療広告ガイドラインと、患者さんの個人情報の扱いが関わります。飲食店や美容室と同じ契約内容のままでは、投稿の表現や口コミ返信で問題が起きるおそれがあります。
代行会社から見積もりを取っている、または営業の提案を受けて比較している院長・事務長の方に向けた記事です。読み終わる頃には、契約前に代行会社へ送る質問文と、院内に残す業務を決められる状態を目指します。
Googleビジネスプロフィールの登録手順や、口コミを増やす方法そのものはこの記事では扱いません。医療機関のMEOの進め方全体は、医療機関のMEO対策の手順と広告ガイドラインの注意点で解説しています。
Contents / 目次
歯科医院がMEO対策代行に依頼する前の判断ポイント6つ
契約前に文面で確かめておきたいのは、次の表の6点です。どれも見積書の金額からは読み取れません。契約後に変更しようとすると、契約内容の見直しから相談することになります。
| 判断ポイント | 歯科医院で確認が要る理由 | 契約前の確認方法 |
|---|---|---|
| 1. オーナー権限の持ち主 | 代行会社のアカウントがオーナーのままだと、解約後に医院側で編集できない状態が続くおそれがある | 医院がオーナーのまま、代行会社を管理者として追加する形で運用できるか |
| 2. 投稿文・説明文の確認 | 医療広告ガイドラインに照らした確認が要る | 誰がいつ確認し、医院の承認後に公開する流れか |
| 3. 口コミ返信の承認 | 返信は誰でも読める公開の文。治療内容に触れると、患者さんの個人情報を医院側から公開することになるおそれがある | 返信文を医院が確認してから投稿する流れか |
| 4. 口コミの集め方 | 特典と引き換えの依頼や、関係者による投稿は、Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーで禁止されている | 患者さんへの依頼の方法と文面を、事前に確認できるか |
| 5. 成果の測り方 | 順位だけでは、新患が増えたかどうかが分からない | 通話・経路検索・ウェブサイトのクリック数を報告に含められるか |
| 6. 解約時の扱い | 投稿・写真・ツール内のデータが使えなくなることがある | 最低契約期間、解約の申し出期限、解約後に医院が使えるもの |
MEO対策とは、Googleマップや「地域名+歯医者」の検索結果で、自院の情報を見つけてもらいやすくするための取り組みです。中心になるのは、Googleが無料で提供しているGoogleビジネスプロフィールです。医院名・住所・診療時間・口コミなどを載せる、Google上の公式の掲載情報のことです。
6点のうち、歯科医院ならではの論点は2と3です。投稿文や説明文は、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」に照らして確認する必要があります。ガイドラインとQ&Aの原文は、厚生労働省の医療法における病院等の広告規制についてのページに掲載されています。
口コミ返信は誰でも読める文なので、治療の内容に触れると、患者さんの個人情報を医院側から公開することになるおそれがあります。個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)では、病歴などの情報を「要配慮個人情報」と定め、ほかの個人情報より慎重な扱いを求めています。
見積もりの金額の比べ方は、MEO代行の見積もりを比べるチェックリスト12項目で解説しています。この記事では、歯科医院が契約前に決めておく運用のルールに絞ります。
この章の結論。代行会社を比べる前に、オーナー権限・投稿の確認・返信の承認の3点は医院側に残すと決めておきます。そうすれば、どの会社の提案も同じ基準で判断できます。
依頼前に院内で進める4ステップと代行会社への質問文
依頼前に院内で進めることは4つです。次の順に進めます。
- 現状を確認する
- 分担を決める
- 比較の基準をつくる
- 代行会社に質問を送る
ステップ1 自院のGoogleビジネスプロフィールを確認する
院長か事務長のGoogleアカウントでGoogleビジネスプロフィールの管理画面を開き、次の項目を確認します。開けない場合は、その時点で権限の確認が最初の課題になります。
- オーナー権限:管理画面を開けるか。開けない場合、オーナーは院長個人・医院の共有アカウント・以前の業者のどれか
- カテゴリ:メインが歯科医院を表すカテゴリになっているか。矯正・小児・口腔外科など、実際に行っている診療に当たるカテゴリがサブにあるか
- 診療時間:曜日ごとの時間、昼休み、祝日や年末年始の特別営業時間が、院内の掲示と同じか
- 予約の導線:ウェブサイトとWeb予約のリンクが、いま使っている予約ページにつながるか
- 口コミ:返信していない口コミが何件あるか。いちばん古い未返信はいつのものか
- 写真:外観・受付・診療室の写真が、いまの院内と同じか
管理画面の項目名や場所は変わることがあります。見つからないときは、Googleビジネスプロフィールのヘルプで最新の場所を確認してください(2026年10月02日時点)。予約リンクの設定はGBPに予約リンクを設定する手順、代行会社を担当者として追加する方法はオーナーと管理者の権限の違いで解説しています。
ステップ2 代行会社に任せる業務と院内に残す業務を決める
次の表は、歯科医院で分けやすい分担の一例です。迷ったときは「公開される文の最終判断は院内に残す」という基準で決めます。
| 業務 | 担当 | 理由 |
|---|---|---|
| 基本情報・カテゴリの見直し | 代行会社(医院が確認) | 設定の知識が要るため |
| 写真の撮影 | 院内 | 患者さんが写り込んでいないかを院内で確認できるため |
| 投稿文の作成 | 代行会社 | 定期的に文章を作る時間を減らせるため |
| 投稿文・説明文の最終確認 | 院内 | 掲載するかどうかを医院が判断するため |
| 口コミ返信の下書き | 代行会社 | 件数が多いと時間がかかるため |
| 口コミ返信の承認 | 院内 | 治療内容に触れていないかを医院が確認するため |
| 口コミのお願い | 院内(受付) | 来院した患者さんに直接お願いできるのは医院だけのため |
| 月次の数字の集計 | 代行会社+院内 | 管理画面の数字は代行会社、問診票の数字は院内で集めるため |
受付での口コミのお願いを、声かけだけでなく院内の仕組みとして続けたい場合は、口コミ管理ツールを使う方法もあります。来院後のアンケートから、口コミの投稿を任意でお願いできます。
ステップ3 初診問診票に「来院のきっかけ」を加える
代行の効果を判断するために、初診問診票に来院のきっかけを尋ねる欄を加えます。Googleのビジネス プロフィールのパフォーマンスに関するヘルプにあるとおり、管理画面の数字は、通話ボタンのクリックや経路の検索、ウェブサイトのクリックなど、Google上で行われた操作の数です。その方が実際に来院したかどうかは、問診票でなければ分かりません。
【当院を何で知りましたか(いくつでも)】
□ Googleマップ・Google検索で見た
□ 当院のホームページ
□ 予約サイト
□ ご家族・知人の紹介
□ 通りがかり・看板
□ その他( )
契約の1〜2か月前から数えておくと、代行を始めた後の数字と比べられます。紹介を受けたうえでGoogleマップでも確かめた、という方もいるため、複数選択にしておくと実態に近い数字になります。
ステップ4 代行会社に質問文を送る
最初の表の6点を、そのまま質問にして送ります。回答を文面で受け取っておくと、複数社を同じ条件で比べられます。
件名:MEO対策代行についての事前確認(〇〇歯科医院)
〇〇株式会社 ご担当者様
見積もりを検討するにあたり、次の点を文面でご回答いただけますでしょうか。
1. Googleビジネスプロフィールのオーナー権限は当院に残し、貴社は管理者として追加する形で運用できますか。
2. 投稿文・説明文は、公開前に当院が確認・承認する流れにできますか。医療広告ガイドラインに照らした確認は、どなたが行いますか。
3. 口コミ返信は、当院の承認後に投稿する形にできますか。返信文の作成にAIを使う場合、AIに入力する情報を教えてください。
4. 口コミを増やす施策がある場合、患者さんへの依頼の方法と文面を事前に確認できますか。
5. 月次報告に、通話・経路検索・ウェブサイトのクリック数を含めていただけますか。順位を報告する場合は、計測するキーワードと計測する地点を教えてください。
6. 最低契約期間、解約の申し出期限、解約後に当院が引き続き使えるもの(投稿・写真・データ)を教えてください。
〇〇歯科医院 事務長 〇〇
回答を読むときは、「誰が・いつ・何を確認するか」が書かれているかを見ます。「弊社のノウハウで対応します」のように担当者と手順が書かれていない回答の場合は、契約前にもう一度確認してください。
この章の結論。4つのステップを終えると、提案を比べる基準(権限・承認の流れ・報告の中身)と、代行を始める前の比較用の数字がそろいます。
歯科医院のMEO代行で起きやすい失敗と防ぎ方
歯科医院のMEO代行で失敗が起きやすいのは、口コミ返信・投稿の表現・医院名・成果の報告の4か所です。どの失敗も、承認の流れと報告の中身を決めないまま契約すると起きます。
口コミ返信で治療内容に触れると、患者であることを公開の場で認める形になる
業種共通の返信テンプレートを使う場合や、口コミ本文をAIに読ませて返信文を作る場合に起きやすい失敗です。「先日のインプラント手術では」「担当の〇〇が」と返信すると、投稿者が自院の患者であることと、受けた治療の内容を、医院側から公開することになるおそれがあります。
防ぐには、返信のルールを契約前に代行会社と共有します。基本は次の2つです。
- 治療名・来院日・担当者名に触れない
- 事実確認が必要な内容は、電話の窓口へ案内する
AIで下書きを作る場合も、AIに渡すのは口コミ本文と返信ルールだけにして、カルテの情報や患者さんの氏名は入力しない運用にします。低評価の口コミには、たとえば次のように返信します。
口コミをお寄せいただき、ありがとうございます。
ご不快な思いをおかけしたこと、申し訳ございません。
いただいたご意見は院内で共有し、今後の対応に活かしてまいります。
詳しい状況を伺いたいので、お手数ですが受付(電話番号)までご連絡いただけますでしょうか。
ほかの返信例は、歯科を含む業種別の口コミ返信例文集にまとめています。
投稿文を医院の確認なしで公開すると、医療広告ガイドラインの確認が抜ける
代行会社が週1本などの頻度で投稿を作り、医院の確認なしで公開する契約で起きる失敗です。「痛くない治療」「地域で一番」のような言い切りや、治療前後の写真の扱いは、医療広告ガイドラインの原文と照らして使えるかを確かめる必要がある表現です。
防ぐには、投稿と説明文は公開前に医院が承認する流れを契約に入れます。表現に迷ったときは、厚生労働省の医療広告ガイドラインと関連するQ&Aの原文で確認してください。判断がつかなければ、管轄の保健所などの窓口に相談します。
Googleビジネスプロフィールの投稿がどこまで規制の対象になるかも、原文で確かめてから運用ルールを決めます。患者さんの体験談の扱いにもガイドラインに定めがあるため、口コミをホームページやチラシに転載する前にも原文を確認してください。
医院名に「インプラント」などの語を足すと、プロフィールの停止につながる場合がある
「医院名の後ろに診療名を足すと検索で上がる」という提案を受け入れた場合に起きる失敗です。
Googleに掲載するビジネス情報のガイドラインは、ビジネス名を看板やウェブサイトなどで実際に使っている名称と同じにするよう定めており、名称にサービスの内容などを加えることを認めていません。
ガイドラインに沿わない場合、情報の変更やプロフィールの停止につながることがあります。
名称は看板・ホームページと同じ表記にし、診療の内容はカテゴリ・説明文・サービスの項目で伝えます。名称の決まりは、店舗名・医院名にキーワードを入れるリスクと正しい表記で解説しています。
順位の報告だけでは、自費診療の相談が増えたか分からない
月次報告が「地域名+歯医者」の順位だけの場合に起きる失敗です。順位は検索する場所や端末で変わります。さらに、増やしたいのが矯正やインプラントの相談なら、「歯医者」の順位が上がっても、その相談につながっているかは判断できません。
代行会社には、月次報告に次の2つを入れてもらいます。
- 計測するキーワードに、「地域名+矯正歯科」「地域名+小児歯科」など、自院が増やしたい診療の語
- 通話・経路検索・ウェブサイトのクリック数
そこにステップ3の問診票の数字を加えると、順位と来院を同じ表で比べられます。報告書の見方はMEO代行の順位レポートの読み方で詳しく解説しています。
この章の結論。口コミ返信・投稿の表現・成果の報告の3つは、契約書に「医院の承認を経て公開する」「報告に通話・経路・クリックと増やしたい診療のキーワードを含める」と書いておくと防ぎやすくなります。医院名については、看板・ホームページと同じ表記から変えないことを、契約前に代行会社と確認しておきます。
院内で続ける業務と代行会社に依頼する業務
院内に残すのは、次の3つです。
- 投稿文と口コミ返信の最終承認
- 受付での口コミのお願い
- 問診票の集計
代行会社に依頼するのは、件数が増えるほど時間がかかる次の3つです。
- プロフィールの設定の見直し
- 投稿文と返信文の下書き
- 月次の数字の報告
費用に見合うかどうかは、次の式で判断できます。
毎月増える必要がある新患の数 = 代行の月額費用 ÷ 新患1人あたりの粗利
新患1人あたりの粗利とは、初診から治療が終わるまでの売上から、材料費や技工料などを引いた金額です。仮に月額3万円で、新患1人あたりの粗利が1万5,000円なら、新患が毎月2人増えて費用と同じ額になり、費用を上回るには3人以上の増加が必要です。
問診票の「Googleマップ・Google検索で見た」には、通常の検索結果から来院した方や、紹介・ホームページとあわせて選んだ方も含まれます。この数が増えても、増えた分がすべて代行の効果とは限りません。月次報告の通話・経路検索・クリック数の推移とあわせて判断し、判断する時期も「〇か月後の数字で見直す」と契約前に決めておきます。
返信の下書きや投稿の作成を外部に任せ、医院は承認と受付での声かけに集中したい場合は、口コミ返信まで行うMEO対策の代行もご相談いただけます。返信文の型と、月ごとの通話・経路検索・クリック数の報告の形を、始める前に決めてから運用できます。
この章の結論。承認を院内に残して、下書きと報告を依頼する形にします。公開するかどうかの判断は医院に残したまま、作業の時間だけを外部に任せられます。
歯科医院のMEO代行でよくある質問
代行会社が書いた口コミ返信も、医院からの返信として表示されるの?
はい。返信は医院のプロフィールからの返信として表示されるため、患者さんは医院が書いた文として読みます。返信の仕組みは、Googleのヘルプのクチコミを読んで返信するで確認できます。
そのため、下書きは代行会社に任せても、公開前の承認は院長か事務長が行う形にしてください。
歯科医院への星1の口コミを、代行会社に消してもらえますか?
医院も代行会社も、口コミを自由に削除することはできません。Googleのポリシーに反する内容なら、Googleのヘルプにあるビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する手続きで報告できますが、削除するかどうかはGoogleが決めます。
「削除できます」と約束する業者には、契約前に方法を確認してください。
基準はGoogle口コミの削除依頼が通る基準で解説しています。
分院がある医療法人は、プロフィールの管理をどう分ければいい?
プロフィールは分院ごとに1つずつ作り、オーナーは法人の共有アカウントにまとめておくと、担当者が退職しても管理を続けられます。代行会社との契約が1本でも、返信の承認者と月次報告は分院ごとに分けてもらうと、どの分院の対応が遅れているかが分かります。
以前のMEO業者がオーナー権限を持ったまま連絡が取れない場合は?
まず医院のアカウントへのオーナー権限の移行を依頼し、連絡が取れなければ、Googleビジネスプロフィールのオーナー権限をリクエストする手続きを使います。手続きの流れは変わることがあるため、最新の手順はこのGoogleのヘルプで確認してください。オーナー変更の手順と引き継ぎも参考になります。
まずは、院長か事務長のGoogleアカウントでGoogleビジネスプロフィールの管理画面を開けるかを確認してください。開けない場合は、誰のアカウントがオーナーになっているかを調べるところから始めます。代行の費用を自院の数字で検討したい方は、通話1件あたりの単価で見るMEO対策の費用対効果も参考になります。
ここまで確認して、返信の承認の流れや報告の中身を院内だけで決めるのは難しいと感じた方は、Googleマップの口コミ返信と投稿の代行についてお気軽にご相談ください。いまのプロフィールの状況を伺ったうえで、院内に残す業務と依頼する業務を一緒に書き出します。
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