葬儀社のMEO対策|遺族の口コミの扱いと任せる範囲

葬儀社のMEO対策|遺族の口コミの扱いと任せる範囲

この記事の要点

  • 遺族への口コミ依頼は葬儀直後を避け、任意だと明記した文面で行う
  • 返信に故人名・式の日付・金額は書かない。書かない語の一覧は本文に掲載
  • 代行会社には下書きと報告を任せ、返信の承認と料金表示の判断は社内で行う

葬儀社のMEO対策で中心になるのは、夜間に病院や自宅から検索した遺族が、迷わず電話できる状態をGoogleマップ上に用意することです。そのうえで、遺族への口コミ依頼は時期と文面を選びます。返信では故人や喪家の情報に触れません。この2点が、ほかの業種と大きく違うところです。

この記事は、MEO対策を代行会社に依頼するかを検討している葬儀社の経営者・役員の方に向けて書いています。読み終わる頃には、代行会社に任せる作業と社内に残す作業を分け、契約前に確認する質問を用意できるはずです。

Googleビジネスプロフィールの登録やオーナー確認の操作手順は、この記事では扱いません。まだ済んでいない場合は、先にGoogleビジネスプロフィールのオーナー確認の方法と再申請をご覧ください。

Contents / 目次
  1. 葬儀社のMEO対策で先に決める3つのこと
  2. 葬儀社の口コミ依頼の時期と返信の書き方
  3. 葬儀社のGoogleマップに載せる情報と料金表示
  4. 葬儀社のMEO対策が成果につながらない4つの条件
  5. MEO対策の代行に任せる作業と費用の決め方
  6. 葬儀社のMEO対策でよくある質問

葬儀社のMEO対策で先に決める3つのこと

先に決めるのは、Googleマップに載せる情報、遺族の口コミの扱い、代行会社に任せる作業の3つです。MEO対策とは、Googleマップや地図の検索結果で自社を見つけてもらい、電話や来館につなげるための取り組みです。中心になるのは、Googleマップに表示される無料の店舗・事業所情報「Googleビジネスプロフィール」の運用です。

飲食店や美容室のMEO対策は、口コミの件数や投稿の回数を増やす方向で語られることが多いです。葬儀社の場合、口コミをお願いできる時期は限られます。返信の一文で喪家が特定されることもあります。そのため、一般的なMEO対策の進め方をそのまま当てはめると、件数を増やす前に遺族の信頼を失いかねません。

決めること葬儀社で起きやすいこと決める内容
Googleマップの情報深夜に検索した遺族が式場の番号に電話しても、つながらない24時間受け付ける電話番号と、来館相談の時間を分けて載せる
遺族の口コミ葬儀直後の依頼が負担になる。返信に故人名を書くと喪家が特定される依頼の時期と文面。返信に書かない情報の一覧
代行会社に任せる作業代行会社の定型文が、そのまま遺族に届く下書きは代行会社、承認は社内という分担と承認の手順

代行会社を選ぶ前にこの3つを決めておけば、見積もりを比べるときに「自社が必要としている作業が入っているか」を確かめられます。

葬儀社の口コミ依頼の時期と返信の書き方

遺族に口コミをお願いするのは、葬儀の当日や直後を避け、落ち着いた時期に、書かなくてもよいと伝える文面で行います。返信では、故人や喪家を特定できる情報を一切書きません。

遺族に口コミをお願いする時期と文面

無理のない時期の目安は、四十九日の法要が済んだ頃に送るお礼状や、アフターフォローの連絡です。法要の時期は宗派や地域によって違います。送るかどうかは担当スタッフが遺族の様子を見て決め、送らないという判断も認めておきます。式の最中に、式場でQRコードを掲示したり配ったりするのは避けます。

お礼状に添える文面の例です。故人のお名前は入れません。

先日はご葬儀のお手伝いをさせていただき、ありがとうございました。
その後、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

もしよろしければ、担当スタッフの対応や式場について感じられたことを、
Googleマップの口コミにお寄せいただけないでしょうか。
これからご葬儀を考える方の参考になります。

口コミには、Googleアカウントのお名前が表示されます。
ご負担になる場合は、どうぞお気になさらないでください。
お書きにならなくても、今後のご相談への対応は変わりません。

[口コミ投稿用のQRコード]
[会社名・担当者名・電話番号]

割引や無料の商品・サービスなどの特典と引き換えに口コミをお願いすることは、Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーで禁止されています。代わりに使える依頼の方法は口コミの特典をGoogle規約に沿って置き換える表と依頼文例にまとめています。

お礼状やアンケートの送付を社内で続けたい場合は、口コミ管理ツールを使う方法もあります。ツールを使う場合も、アンケートの回答の内容にかかわらず、全員に同じ文面で口コミの投稿をお願いする流れにしてください。

返信で触れない情報と返信例

口コミの返信は、投稿した遺族だけでなく、これから葬儀社を探す方も読みます。次の情報は書きません。

  • 故人の情報:お名前、続柄、亡くなった経緯
  • 式の情報:日付、宗派、プラン名、金額
  • 関係者の名前:喪主や参列者のお名前
  • また来てほしいという言葉:「またのご利用」「次回」「ご来店」
  • 決めつける書き出し:「ご葬儀をお任せいただき」。参列者が投稿した口コミもあるため

料金への不満が書かれた口コミにも、個別の見積もり額や契約内容は書きません。反論のために金額を出すと、喪家の契約内容を公開することになります。返信の例です。

ご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。
費用について、ご不安な思いをおかけしたことをお詫び申し上げます。
お見積もりの内容を、改めてご説明させていただければと存じます。
お手数ですが、[電話番号]の[担当部署]までご連絡いただけますでしょうか。

AIに返信の下書きを作らせるときの確認点

AIに返信の下書きを作らせる場合は、返信で触れない情報を最初に条件として渡します。次の文は出発点のたたき台です。あとはAIとやり取りしながら、自社の言い回しに合わせて調整してください。

葬儀社の口コミへの返信の下書きを、3〜4文で作ってください。
・故人の名前、続柄、式の日付、宗派、金額は書かない
・「またのご利用」「次回」「ご来店」は使わない
・投稿者を喪主と決めつけない
・料金への不満には、金額に触れず連絡先を案内する
口コミ:[口コミの本文を貼る]

口コミの本文に故人のお名前が書かれていると、下書きにもそのまま入ることがあります。投稿する前に、固有名詞と日付が入っていないかをご自身で確認してください。

口コミは件数より、依頼の時期と返信の一文を誤らないことのほうが大切です。この2つを社内で決めてから、代行会社に下書きを任せてください。

葬儀社のGoogleマップに載せる情報と料金表示

Googleマップに載せる情報で確認するのは、電話の受付時間、式場ごとの登録、料金の目安、写真の4つです。どれも、夜間に検索した遺族が電話をかけるかどうかの判断に直結します。

24時間の電話受付と来館相談の時間の書き分け

Googleビジネスプロフィールの営業時間は、Googleのヘルプ「営業時間を編集する」の手順で、曜日ごとに「24時間」を選んで設定できます。ただし、24時間受け付けているのが電話だけの場合、深夜に式場を訪ねてくる方が出かねません。営業時間とあわせて、ビジネスの説明文に受付の内容を書き分けます。

お電話は24時間365日受け付けています。病院からのお迎えにも対応します。
式場の見学・事前相談は予約制です(受付 9:00〜18:00)。

式場ごとの登録と電話番号

式場が複数ある場合は、式場ごとに登録するかを決めます。名称は、Googleに掲載するビジネス情報のガイドラインに沿って看板と同じにし、「家族葬」「24時間」などの語を足しません。普段は無人の式場を拠点として登録できるかも、同じガイドラインの原文で確認してください。本社と式場の情報が重複している場合は、Googleマップの重複を統合する手順を参考にしてください。

料金の目安を載せるときの景品表示法の確認

料金を「家族葬○○万円から」のように載せる場合は、含むものと含まないものを同じ場所に書き、ホームページの表示とそろえます。書き出す項目の例です。

  • プランに含むか書く項目:搬送、安置、ドライアイス、棺、祭壇
  • 別料金になりやすい項目:火葬料、飲食、返礼品、宗教者へのお礼

「通常価格」と「会員価格」を並べる二重価格表示では、比べる価格の扱いに注意が必要です。消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」は、会員価格と非会員価格のように、条件の違う顧客向けの価格を並べる二重価格表示について、それぞれの価格が適用される条件を実際と違う形で書いたり、あいまいに書いたりすると、不当表示に該当するおそれがあるとしています。誰でも簡単に会員になれて、非会員価格で購入する人がほとんどいない場合に、非会員価格を比べる価格に使うことも、その例に挙げられています。

広告に出したプランにも注意が必要です。消費者庁の「おとり広告に関する表示」等の運用基準は、実際には申出どおりに購入できないのに、購入できると誤認させるおそれがある表示を、おとり広告として規制の対象にしています。判断に迷ったら、この2つの原文を確認してください。

写真に写り込む看板と遺影の確認

式場の写真は、葬儀が入っていない日に撮影します。故人名が書かれた案内板、遺影、供花の名札、参列者の顔が写っていないかを確認してから掲載します。ユーザーが投稿した写真にこれらが写っていた場合の対応は、オーナーが削除を申請できる写真の範囲で解説しています。

Googleマップに載せる情報は、夜中に電話する遺族と、料金を比べる事前相談の方の両方が読みます。電話番号・受付時間・料金に含むものの3点がホームページと食い違っていないかを、最初に確かめてください。

葬儀社のMEO対策が成果につながらない4つの条件

代行会社に依頼しても成果が出ないのは、葬儀社特有の検索のされ方や遺族の事情を、作業の進め方に反映していない場合です。

式場の前で順位を測ると、遺族の検索とずれる

Googleはローカル検索結果のランキングを改善するヒントで、順位を決める要素の一つに距離を挙げています。距離は、検索語句で地域が指定されていればその地域から、指定されていなければユーザーの現在地から、各ビジネス拠点までで計算されます。病院や自宅で「葬儀社」「近くの葬儀場」のように地域名を入れずに検索すると、検索した場所が基準になります。式場の前で測った順位が1位でも、病院から検索すると表示されない場合があります。

順位を測る地点に主要な病院や住宅地を入れるよう、代行会社に指定してください。順位の数字の読み方はMEO代行の順位レポートの読み方にまとめています。

返信を自動で投稿すると、遺族に定型文が届く

星の数に応じて返信を自動で投稿する仕組みを提案された場合は、契約前に、自動投稿の有無と使う文面を確認してください。「またのご利用をお待ちしております」のような一般向けの定型文が遺族に届けば、口コミを読んだほかの方からの信頼も失います。返信は必ず社内で承認してから投稿する流れにしてください。

電話番号を計測用に変更すると、解約後に夜間の電話がつながらない

電話の件数を測るため、Googleマップの電話番号を代行会社が用意した番号に変更する提案があります。その番号の契約が代行会社側にある場合、解約後に番号が使えなくなり、夜間の電話を受けられなくなります。番号の名義と、解約後の扱いを契約書で確認してください。

満足と答えた遺族にだけ依頼すると、Googleのポリシーに触れる

アンケートで満足と答えた方にだけ口コミの投稿をお願いする方法は、Googleのマップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーが禁止している「肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為」にあたります。依頼を送るかどうかは、遺族の状況や連絡のつきやすさで決め、満足度では決めません。

順位を測る地点、返信の承認、電話番号の名義、依頼の基準の4つは、契約前に決めておけば防げる失敗です。

MEO対策の代行に任せる作業と費用の決め方

代行会社には、登録・投稿・下書き・報告といった作業を任せ、遺族に関わる判断と料金表示の決定は社内に残します。費用は、式場の数と口コミ返信を含めるかどうかで大きく変わります。

自社で行う作業と代行に依頼する作業

作業代行会社に依頼できること社内に残すこと
基本情報・営業時間登録と修正、第三者による変更の監視休館日・受付時間の変更を代行会社へ伝える
写真撮影と掲載案内板・遺影が写っていないかの確認
投稿下書きと予約投稿事前相談会・見学会の日程の決定
口コミ依頼文面とQRコードの用意送る時期と、送るかどうかの判断
口コミ返信下書き承認、低評価の口コミへの対応
料金表示掲載の作業金額と含むものの決定、法令の確認
報告表示回数・電話の件数の月次報告数字を見て翌月の作業を決める

返信の下書きや月次の報告まで任せたい場合は、遺族への返信の型から決めるMEO対策の代行をご検討ください。式場ごとの掲載内容の確認、口コミ返信の型づくり、投稿など、Googleビジネスプロフィールの運用をまとめてご相談いただけます。

費用が変わる条件と元が取れるかの計算

見積もりの金額は、次の条件で変わります。見積書にどれが含まれているかを確認してください。

  • 式場の数:登録する拠点が増えるほど、作業も増える
  • 口コミ返信:下書きを含むか、承認を何往復するか
  • 写真撮影:撮影に来てもらうか、社内で用意した写真を使うか
  • 初期の作業:重複した情報の統合、退職者が持つオーナー権限の回収
  • ホームページ:料金表示や電話ボタンの修正を含むか

元が取れるかは、葬儀1件あたりの粗利で計算します。仮に月額5万円(年60万円)で依頼し、1件あたりの粗利が30万円だとすると、Googleマップ経由の依頼が年に2件増えれば元が取れます。数字は自社の実績に置き換えてください。

この計算には、Googleマップ経由の依頼が何件あったかの記録が必要です。電話を受けたときに「何でお知りになりましたか」と伺って、記録しておいてください。計算方法の詳細は通話1件あたりの単価で出すMEO対策の費用対効果で解説しています。

契約前に確認する質問

次の7つを、見積もりの段階で質問してみてください。

1. 返信の下書きは、投稿前に当社が承認する流れにできますか
2. 返信に使わない言葉の一覧を、契約時に一緒に作れますか
3. 順位はどの地点から測りますか。病院や住宅地を指定できますか
4. 電話番号を変更する提案はありますか。解約後、その番号はどうなりますか
5. 口コミの依頼で、特典や満足度による振り分けを提案することはありますか
6. 解約後、Googleビジネスプロフィールのオーナー権限は当社に残りますか
7. 料金の目安を載せるとき、表示の内容は誰が確認しますか

これらの質問に具体的に答えられる会社であれば、遺族に関わる判断を社内に残したまま、作業だけを任せられます。

葬儀社のMEO対策でよくある質問

口コミに故人の名前が書かれていたら、葬儀社側で消せますか?

口コミを削除するかどうかは、Googleが判断します。オーナーは、ポリシー違反として不適切な口コミを報告できます。投稿者ご本人であれば、投稿した口コミを後から編集・削除できます。返信では故人のお名前を繰り返さないでください。

報告が通る基準はGoogle口コミの削除依頼が通る基準をご覧ください。

口コミで見積もりより高かったと書かれたら、明細を出して説明してもいいですか?

返信に明細や金額は書きません。喪家の契約内容を公開することになるからです。返信ではお詫びと連絡先の案内にとどめ、直接ご説明します。同じ不満が続く場合は、料金表示の「含むもの・含まないもの」の書き方を見直してください。

互助会の会員価格をGoogleマップに載せても大丈夫ですか?

載せることはできますが、会員になる条件と、それぞれの価格が適用される条件を正確に書く必要があります。誰でも簡単に会員になれて、一般価格で契約する人がほとんどいない場合に、一般価格を比べる価格として並べると、不当表示に該当するおそれがあります。表示の内容は、消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」で確認してください。

「葬儀社に特化」をうたう代行会社と一般の代行会社は、何が違いますか?

名前だけでは判断できません。返信に使わない言葉の一覧があるか、口コミ依頼の時期をどう考えているか、順位をどこで測るかを質問してみてください。具体的に答えられるかどうかで、葬儀社の事情を理解しているかが分かります。

今日できる最初の一歩として、スマホで「葬儀 +市町村名」と検索してみてください。自社の式場に表示される電話番号が、夜間もつながる番号になっているかを確認します。返信を外部に任せるときの承認の流れは、Google口コミ返信の代行で決める承認の流れで詳しく解説しています。

遺族への返信の承認や式場ごとの情報の確認まで、社内だけで続けるのは難しいと感じた方は、まずいまの状況を伺うところから始めませんか。葬儀社の口コミ返信まで任せられるMEO対策では、返信の型を一緒に決め、その後の運用を代行します。お気軽にご相談ください。

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