調剤薬局のMEO対策|在宅訪問と受付時間の掲載で代行に任せる作業
この記事の要点
- 代行に任せるのは情報の更新・投稿・返信文の作成。承認と在宅の受付は薬局
- 営業時間は開局時間で登録し、処方箋の受付終了は説明文の冒頭に書く
- 口コミ返信で薬の名前と来局の事実に触れない。契約前の確認質問は5つ
調剤薬局のMEO対策を代行会社に任せるなら、Googleビジネスプロフィールの情報の更新・投稿・口コミの返信文づくりを任せ、返信の承認と在宅訪問の問い合わせ対応は薬局に残す分担が基本です。在宅訪問と処方箋の受付時間は、患者さんやご家族が来局や相談を決める情報なので、掲載する文言は薬局で決めます。
薬局の経営者・管理薬剤師で、Googleマップの運用を外部に任せるか迷っている方に向けた記事です。読み終わる頃には、代行会社に渡す情報と、見積もりの段階で確かめる質問を決められる状態を目指します。
扱うのは、調剤薬局に特有の掲載内容と、代行に任せるときの判断材料です。病院・クリニックの集患については医療機関のMEO対策と広告ガイドラインの注意点で解説しています。
Contents / 目次
調剤薬局のMEO対策で代行に任せる作業と薬局に残す作業
代行会社に任せやすいのは、文章の作成とGoogleビジネスプロフィールへの反映です。薬局に残すのは、掲載する事実の決定と承認、在宅訪問の受付です。
調剤薬局の掲載情報には、処方箋の受付時間・在宅訪問の対応地域・電子処方箋への対応のように、薬局の体制が変わった時点で古くなる情報が多くあります。変更を最初に知るのは薬局なので、代行会社は連絡を受けなければ更新できません。分担を決めるときは「誰が書くか」より「誰が事実を知っているか」で分けます。
| 作業 | 代行会社に任せる作業 | 薬局に残す作業 |
|---|---|---|
| 基本情報(名称・住所・電話・営業時間) | 入力と、反映されたかの確認 | 開局時間・処方箋の受付終了・休局日の決定と連絡 |
| 在宅訪問の掲載文 | 説明文・投稿の文案づくり | 訪問できる地域・曜日・相談の窓口の決定 |
| 投稿 | 文案と画像の作成、予約投稿 | 処方薬の名前や効能の表現が入っていないかの確認 |
| 口コミ返信 | 返信文の作成と投稿 | 返信文の承認、病名や薬が書かれた口コミの判断 |
| 写真 | 撮影の段取り、掲載 | 撮影の許可(患者さん・処方箋・薬袋が写らないこと) |
| 数字の確認 | 閲覧数・通話数・ルートなどの毎月の集計 | 在宅訪問の相談件数と、どこで薬局を知ったかの記録 |
| 管理権限 | 管理者として作業する | オーナー権限を持ち続ける |
管理薬剤師が投薬の合間に返信文を考える時間を取れない場合は、返信文の作成と投稿を任せ、薬局は内容の確認だけを行う口コミ返信まで任せるMEO対策の代行という進め方もあります。
この章で押さえるのは、代行会社に任せても「受付時間・在宅訪問・返信の承認」の3つは薬局から離せない、という点です。この3つの連絡を誰が担当するかを先に決めると、見積もりを比べる基準ができます。
在宅訪問と処方箋の受付時間をGoogleマップに載せる5ステップ
代行会社に渡す前に、薬局で決めておく内容は5つです。ここを決めずに任せると、代行会社は看板やホームページから推測して入力するしかなく、実態と違う掲載になります。
ステップ1。受付時間を3つの時刻で書き出す
処方箋の受付時間は、開局・処方箋の受付終了・閉局の3つの時刻で書き出します。閉局の時刻だけを掲載すると、閉局の直前に処方箋を持って来局した患者さんが、調剤を受けられないまま帰ることになります。
書き出すときは、平日・土曜・日祝の別、昼休みの有無も一緒に1つの表にします。同じ表を使って、薬局の看板・ホームページ・薬局機能情報提供制度で都道府県に報告し、医療情報ネット(ナビイ)に載っている情報(厚生労働省「薬局機能情報提供制度について」)の時刻と食い違いがないかを確かめます。食い違いがあると、どれが正しいのか患者さんには判断できません。
ステップ2。営業時間は開局時間で登録し、受付終了は説明文の冒頭に書く
Googleビジネスプロフィールの営業時間には、看板と同じ開局時間を登録します。受付終了の時刻を営業時間として登録すると、市販薬の購入やお薬の受け取りだけで来局する方に、実際より早く閉まる薬局として表示されるためです。
その代わり、処方箋の受付終了は、説明文の最初の1文で伝えます。
処方箋の受付は、平日[18:30]まで、土曜[12:30]までです(閉局の30分前)。[13:00〜14:00]は休憩のため受付を止めています。
[〇〇市・〇〇町]のご自宅や施設へ薬剤師が伺い、お薬のお届けと、飲み方や残っているお薬の確認を行っています。訪問は、主治医の指示を受けて始めます。ケアマネジャーがいる方は、ケアマネジャーとも相談しながら進めます。ご家族からのご相談は、お電話で受け付けています。
年末年始やお盆の休局は、通常の営業時間を書き換えず、休局する日だけを特別営業時間として別に登録します。特別営業時間は、一時的な営業時間の変更や、連続して最長6日間の休業に使う設定です(Googleビジネスプロフィールのヘルプ(特別営業時間を設定する方法))。設定の手順はGoogleマップの臨時休業と特別営業時間の設定方法にまとめています。
ステップ3。在宅訪問で掲載する内容を4項目で決める
在宅訪問の掲載文は、次の4項目を薬局で決めてから代行会社に渡します。
- 訪問できる地域:実際に薬剤師が伺える市区町村だけを書く
- 訪問できる曜日と時間帯:外来の調剤と重ならない時間帯
- 開始までの流れ:主治医の指示を受けて開始すること(ケアマネジャーがいる方は、ケアマネジャーとも相談すること)
- 相談の窓口:電話を受ける担当者と、受け付ける時間帯
薬剤師の在宅訪問は、主治医の指示を受けて始まります(調剤報酬点数表の在宅患者訪問薬剤管理指導料)。「お電話一本ですぐ伺います」のように書くと、すぐには訪問を始められない依頼が増えます。
開始までの流れを代行会社に伝え、文案に反映してもらいます。
訪問する地域をGoogleビジネスプロフィールに登録する方法はサービス提供地域の決め方と注意点で解説しています。
ステップ4。カテゴリ・属性・名称を実態に合わせる
メインカテゴリは薬局を表すものを1つ選びます。追加カテゴリは、実際に行っている業務に当てはまるものだけに絞ります。候補に出る名前はGoogleビジネスプロフィールの編集画面で確かめてください。
属性は、駐車場・車椅子での入店・支払い方法など、編集画面に表示される項目を薬局の実態に合わせて選びます。名称は看板や公式サイトと同じ表記にし、「〇〇病院前」「在宅対応」のような言葉を足しません。
ステップ5。写真は来局の道順と待合を中心にする
写真は、外観・入口・駐車場・待合・投薬カウンターの順にそろえます。患者さん、処方箋、薬袋の名前、薬歴の画面が写り込んだ写真は掲載しません。
代行会社に渡す前に、次のチェックリストで漏れを確かめます。
- 受付時間:開局・受付終了・閉局が、看板・ホームページ・医療情報ネットと一致している
- 休局日:年末年始などの予定を、決まった時点で連絡する担当者がいる
- 在宅訪問:地域・曜日・開始までの流れ・窓口の4項目が決まっている
- 名称:看板と同じ表記で、言葉を足していない
- 写真:患者さんと個人の情報が写っていない
この章で押さえるのは、受付時間と在宅訪問は「薬局が決めた事実を代行会社が文章にする」順番でしか正しく載らない、という点です。
MEO対策の代行費用が変わる条件と契約前に確かめる5つの質問
代行費用は、金額を比べる前に、月額に含む作業をそろえてから比べます。同じ「月額」でも、口コミ返信の件数や写真撮影の有無が会社ごとに違うためです。
| 費用が変わる条件 | 増える方向 | 見積もりで確かめること |
|---|---|---|
| 薬局の数 | 薬局ごとに設定と報告が必要になる | 1薬局ごとの料金か、まとめた料金か |
| 口コミの件数と承認の流れ | 件数が多い、承認者が複数いる | 月の返信件数の上限と、超えた場合の扱い |
| 投稿の回数と写真 | 撮影を含む | 撮影が月額に含まれるか、別料金か |
| 初期の作業 | 重複したプロフィールや名称の修正がある | 初期費用に含む作業の一覧 |
| ホームページとの照合 | 受付時間などをホームページ側でも修正する | ホームページの修正が含まれるか |
社内で運用した場合の時間も並べると、判断しやすくなります。仮に次の前提で試算すると、月におよそ4時間半です。
- 口コミ返信:月8件、返信1件に承認を含めて15分(月2時間)
- 投稿:月4回、1回30分(月2時間)
- 営業時間の確認:月30分
この時間を管理薬剤師が確保できるかどうかが、外注を決める分かれ目になります。見積書の項目の比べ方はMEO代行の見積りチェックリスト12項目も参考になります。
見積もりの段階で、次の5つを質問します。
- 月額に含む作業は何か。投稿の回数、返信の件数、写真撮影の有無を一覧で出してもらえるか
- 口コミの返信文は誰が書き、誰の承認で投稿するか。病名や薬の名前が書かれた口コミをどう扱うか
- 投稿の原稿に、処方薬の名前や効能を示す表現が入っていないかを、誰が確認するか
- オーナー権限は薬局が持ったままか。解約したとき、管理権限をどう戻すか
- 毎月の報告で、閲覧数・通話数・ルート・ウェブサイトのクリックを前月と比べて出すか
契約の前に、オーナー権限を薬局が持ち続けられるか、解約したときに管理権限をどの手順で戻すかを、書面で確かめます。上位表示を保証する提案や、Googleとの特別な関係をうたう提案を受けた場合は、契約を見送ります。
効果は、Googleビジネスプロフィールの通話数とルートを、契約前の月と比べて確かめます。在宅訪問の相談は通話の中身までは数字に出ないので、電話を受けた担当者が「どこで薬局を知ったか」を記録しておくと、Googleマップ経由の相談件数を数えられます。
この章で押さえるのは、見積もりは「含む作業」「承認の流れ」「オーナー権限」の3点をそろえてから比べる、という順番です。
調剤薬局のMEO対策がうまくいかない4つの条件
調剤薬局では、守秘義務と医薬品の広告規制があるため、ほかの業種と同じ運用をすると問題が起きる場面があります。次の4つは、薬局で特に起きやすい条件です。
口コミ返信で薬の名前や来局の事実に触れる
口コミに「〇〇の飲み方を丁寧に教えてもらった」と書かれていても、返信で薬の名前を繰り返すと、その方が薬局を利用し、その薬を処方されていることを薬局が公に認めることになります。薬剤師には刑法134条の守秘義務があり、病歴は個人情報保護法の要配慮個人情報です。
避ける返信例
〇〇(薬の名前)のご相談、お役に立ててよかったです。次回のご来局もお待ちしております。
使える返信例
口コミをありがとうございます。説明が分かりやすかったとのお言葉、薬剤師一同の励みになります。気になることがあれば、いつでも薬剤師にお声がけください。
AIで返信文の下書きを作る場合も、口コミの中の薬の名前や症状を返信にそのまま写すことがあるので、承認のときに必ず確かめます。
処方薬の名前や「治る」と読める表現を投稿する
医薬品の広告は薬機法と、厚生労働省の「医薬品等適正広告基準」の対象です(厚生労働省「医薬品等の広告規制について」)。医薬品等適正広告基準は、医師の処方箋や指示によって使う医薬品(処方薬)について、医薬関係者以外の一般の方を対象とする広告を行ってはならないと定めています。「〇〇(処方薬の名前)お取り扱いあり」や「花粉症が楽になります」のような投稿は、これらの規制に触れるおそれがあります。
名称にも注意が要ります。「地域連携薬局」は都道府県知事の認定を受けた薬局だけが名乗れる名称で、認定を受けていない薬局がこの名称や紛らわしい名称を使うことは薬機法第6条の2第3項で禁じられています。「健康サポート薬局」も、厚生労働大臣が定める基準に適合した薬局だけが表示できます(薬機法施行規則第15条の11)。なお、2027年5月20日から認定薬局の制度が変わり、健康サポート薬局は「健康増進支援薬局」として認定の制度に移る予定です(厚生労働省「地域の健康を支える薬局へ 認定制度が変わります」)。こうした名称を投稿で使う場合や、投稿の表現に迷った場合は、所在地の都道府県の薬務課に確認します。
会計のときに、その場で口コミの投稿を依頼する
投薬の直後に「この場で星5を」と依頼すると、患者さんは断りにくく、評価や内容を薬局が誘導した口コミになります。特典と引き換えに口コミを頼むことや、スタッフに口コミの件数の目標を課すことも避けます。Googleの口コミのポリシー(禁止または制限されているコンテンツ)も、その場で口コミを書くよう求めること、肯定的な口コミだけを選んで募ること、投稿と引き換えに特典を渡すこと、一定数の口コミを集めるようスタッフに求めることを禁じています。
依頼するなら、QRコードの付いたカードをお渡しし、投稿するかどうかは患者さんに任せます。
口コミを集める仕組みを自分の薬局で回したい場合は、コレットラボが運営する口コミ管理ツールのRevipoで、来局後のアンケートに回答した方全員に、お礼の画面でGoogle口コミの投稿を任意で案内する方法もあります。
依頼文の例は景品表示法に触れない口コミの依頼文の作り方で紹介しています。
在宅訪問を載せたのに、電話を受ける担当者が決まっていない
在宅訪問を掲載すると、Googleマップの通話ボタンからご家族の相談が入ります。投薬中で電話に出られない時間帯が続くと、相談は別の薬局に移ります。掲載する前に、在宅訪問の相談を受ける担当者と、折り返しまでの時間を決めておきます。
この章で押さえるのは、調剤薬局のMEO対策では「返信で触れない内容」「投稿で書かない名称」「その場で依頼しない口コミ」の3つを、代行会社と同じ基準で共有しておく必要がある、という点です。
調剤薬局のMEO対策でよくある質問
門前のクリニックの名前を、薬局名に入れてもいいですか?
看板・ホームページ・名刺などで実際に使っている名称でなければ入れません。Googleビジネスプロフィールのガイドラインは、顧客に認知されている実際の名称を一貫して使うことを求めています。所在地の説明や検索語を足した名称は、プロフィールの停止につながる場合があります。
口コミに病名や薬の名前が書かれていたら、返信で触れていいですか?
触れません。返信は誰でも読めるため、薬局が利用の事実や処方の内容を認めることになります。感謝と、相談の受け付けについてだけ書き、個別の内容は「お気軽に薬剤師へお声がけください」と、薬局で直接お話を伺う形にします。
来局できる薬局で在宅訪問もしている場合、住所を出したまま訪問地域も登録できますか?
登録できます。来局できる薬局として住所を表示したまま、訪問する市区町村をサービス提供地域として設定します。設定の手順はGoogleビジネスプロフィールのヘルプ(サービス提供地域の管理)で確かめられます。地域は実際に薬剤師が伺える市区町村にとどめ、説明文の在宅訪問の記載と一致させます。
以前の代行会社がオーナーのままのプロフィールは、解約後に取り戻せますか?
まずは解約の連絡と一緒に、オーナー権限を薬局へ戻すよう代行会社に依頼します。応じてもらえない場合の進め方はMEO代行会社を乗り換える手順と引き継ぎの確認表で解説しています。
まずはスマホで自薬局の名前を検索し、営業時間の閉局時刻と、処方箋の受付終了が説明文に書かれているかを確かめてください。返信の承認の流れを決めたい方は、口コミ返信の代行で承認の流れを決める方法が次の一歩になります。
受付時間や在宅訪問の掲載文は決められても、返信文の作成と毎月の確認まで薬局で続けるのが難しいと感じた方は、口コミ返信まで任せるMEO対策の代行についてご相談ください。いまの掲載内容と、薬局に残したい作業を伺うところから始めます。
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