小売店のMEO対策は外注か自社か|事例の読み方と代行に任せる作業
この記事の要点
- 外注か自社かは、店頭の情報を出せるかと、返信の方針を店舗が決められるかで決まる
- 事例は指標・計測地点・比べた期間など6項目で読む。確認表は本文
- 投稿・返信・情報の確認は代行へ。在庫と口コミの依頼は店舗に残す
小売店のMEO対策は、セール・入荷・休業日などの店頭の情報を店舗から毎週出せるなら、投稿・口コミ返信・情報の確認を運用代行に任せ、在庫と価格の確認、口コミの依頼は店舗に残す分担が現実的です。店頭の情報を出す担当者がいないまま代行を契約しても、投稿の中身が薄くなり、費用に見合いません。
この記事は、MEO代行の営業や提案書を受けて「任せて大丈夫か」を決めたい小売店の経営者・店長に向けたものです。読み終わる頃には、事例の数字がどこまで信頼できるかを自分で確かめ、見積もりで比べる項目を決められる状態を目指します。
初期設定を自分で進める手順は扱いません。手順から知りたい方は、先に小売店のMEO対策の初期設定の手順をご覧ください。
Contents / 目次
小売店のMEO対策を外注するか自社で行うかの判断基準
判断の分かれ目は2つです。店頭の情報(セール・入荷・休業日)を週1回以上店舗から出せるか、そして口コミへの返信の方針を店舗が決められるか。この2つがそろえば、作業は代行に任せられます。
MEO対策の運用代行とは、Googleビジネスプロフィール(Googleマップや検索結果に出る店舗の情報)の投稿・口コミ返信・掲載情報の確認を、外部の会社が代わりに行う契約です。
小売店の場合、投稿の材料になる「何が入荷したか」「いつまでセールか」は店頭にしかありません。代行会社は在庫も価格も把握していないため、材料を出す担当者が店舗にいるかどうかで、代行の効果が大きく変わります。
店舗の状況ごとに向く選択をまとめると、次のとおりです。
| 店舗の状況 | 向く選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 店長が店頭の情報を出せるが、文章を書く時間がない | 運用代行 | 材料は店舗、投稿文と公開は代行で分けられる |
| 1店舗で、店長が毎日スマホで管理画面を開ける | 自社運用(初期設定だけスポットで依頼) | 月額の費用より、店長の作業時間のほうが小さく済みやすい |
| 3店舗以上で、店舗名や営業時間の表記が店舗ごとに違う | 初期設定を先に外注し、そのあと運用を判断 | 表記をそろえる前に運用を始めると、投稿や返信の効果を比べられない |
| 低評価の口コミが続いている | 返信の方針は経営者が決め、返信作業を代行 | 返品・接客への苦情の答え方は、代行会社では決められない |
| 店頭の情報を出す担当者がいない | 契約の前に担当者を決める | 材料がないと、投稿が定型文の繰り返しになる |
口コミを増やす作業は、代行には移せません。口コミの依頼は、会計のとき・レシート・ショップカード・来店後のアンケートなど、お客さまと店舗の接点で店舗が行うものだからです。店頭での依頼を自社で続けたい場合は、コレットラボが運営する口コミ管理ツールRevipoで、来店後のアンケートに回答した方全員に、お礼の画面でGoogle口コミの投稿を任意で案内する進め方もあります。
返信の下書きにAIを使う方法もあります。どのツールで下書きする場合も、返品や接客への苦情に関わる返信は、担当者が内容を確認してから公開します。
この章の結論。外注するかどうかは、代行会社の実力より先に「店頭の情報を出す担当者が店舗にいるか」で決まります。担当者を決められるなら、作業は代行に任せられます。
MEO対策の事例の読み方。小売店が数字を確かめる6項目
MEO対策の事例は、「何を・どこで・いつと比べて」測ったかが書かれていなければ、自社の判断材料になりません。代行会社のサイトや提案書の事例を読むときは、次の6項目がそろっているかを確かめます。
| 確認項目 | 事例に書かれているべきこと | 書かれていないときに起きる読み違い |
|---|---|---|
| 1. 指標 | 順位か、閲覧数・通話数・ルートなどの行動の数か | 順位だけでは、来店につながったかが分からない |
| 2. 計測した地点 | どこから検索した順位か(店舗の前・最寄り駅・商圏の端) | 店舗のすぐ近くで測った順位は、商圏全体の順位より高く出やすい |
| 3. 比べた期間 | 前年同月比か、前月比か | 年末・新生活・セール月の伸びを、MEO対策の成果と読んでしまう |
| 4. 開始時の状態 | オーナー確認前・情報が空欄の状態から始めたか | 空欄から始めた店舗の伸び幅を、整備済みの自社にも当てはめてしまう |
| 5. 同時期のほかの施策 | チラシ・セール・改装・近隣の新店の有無 | ほかの施策の効果がMEO対策の成果に混ざる |
| 6. 店舗の条件 | 業態・駅前か郊外か・周辺の競合の数 | 条件の違う店舗の数字を、そのまま自社の目標にしてしまう |
小売店で特に見落としやすいのは3番目です。季節で売上が大きく動く業態では、前月比の伸びはほとんどが季節の影響ということもあります。事例に前年同月との比較がなければ、営業担当者に「前年の同じ月と比べた数字はありますか」と質問してみましょう。
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスで見られる主な指標は、次の4つです。業種や設定によっては、ほかの項目も表示されます(ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する)。
- 閲覧数
- 通話数
- ルート
- ウェブサイトのクリック
閲覧数は、検索とマップでプロフィールを閲覧したユーザーの数で、同じ人は1日1回だけ数えます。
小売店では、プロフィールの通話ボタンから「この商品は置いているか」と問い合わせた電話が通話数に数えられます。電話番号を見て直接かけた電話は入りません。来店前に道順を調べた方は、ルートを検索したユーザーとしてルートに数えられます。
Googleの数字で来店数そのものは分かりません。事例に「来店数◯%増」とあれば、POSレジの客数なのか、ルートの数を来店と呼んでいるのかを確かめてください。
自社で比べるなら、ルートと通話数を月ごとに表へ記録し、POSの新規客数と並べれば、施策の前後を比べられます。順位レポートの数字の違いは、MEO代行の順位レポートの読み方で詳しく解説しています。
この章の結論。6項目のうち、指標・期間・開始時の状態の3つが欠けた事例は、自社の目標を決める材料にはなりません。欠けている項目は、契約前に営業担当者へ質問して埋めます。
MEO代行・運用代行の費用が変わる5つの条件
運用代行の月額は、店舗数・投稿の頻度・口コミ返信の件数・写真撮影の有無・報告の内容の5つで変わります。見積もりを比べるときは、金額より先に、この5つの条件をそろえてください。
| 条件 | 費用が上がる方向 | 小売店で確かめること |
|---|---|---|
| 店舗数 | 店舗が増えるほど上がる。店舗ごとの単価が下がる契約もある | 店舗ごとに投稿の中身を変えるか、全店共通にするか |
| 投稿の頻度 | 週1回より週2回以上で上がる | セール・入荷の頻度に合った回数か |
| 口コミ返信 | 件数の上限なし・承認の手順ありで上がる | 月の口コミ件数と、上限を超えた分の扱い |
| 写真 | 撮影に来店する契約で上がる | 商品写真を店舗が撮って渡すか、代行が撮るか |
| 報告と初期設定 | 競合との比較・改善案付きの報告、初期設定ありで上がる | 初期設定が月額に含まれるか、別料金か |
写真について、Googleのヘルプ「ビジネス固有の写真に関するヒント」は、外観・店内・商品などを少なくとも3枚ずつ追加するよう示しています。取り扱う商品の多い小売店では、どの商品を撮るかを店舗が選ばないと、写真が店内の全景ばかりになりがちです。
社内で運用した場合と比べるなら、次の順に計算します。
- 作業時間を金額に換算する。仮に、店長が投稿2本・返信10件・情報の確認で月6時間かかり、時給換算で2,000円とすると、月12,000円です
- 代行に任せても店舗に残る時間を差し引く。店頭の情報を出す時間は店舗に残ります(仮に月1〜2時間)
- 差し引いた額と見積もりの月額を並べる。これで外注の損得が見えます
作業時間ごとの詳しい比較はMEO運用代行の費用と社内運用の人件費の比較表で、最低契約期間と違約金を含めた総額の出し方はMEO対策の費用を総額で比べる方法で解説しています。
この章の結論。見積もりは、5つの条件をそろえてから金額を比べます。社内運用の費用は店長の作業時間で計算し、代行に任せても店舗に残る時間を差し引いて判断します。
小売店のMEO運用代行がうまくいかない4つの条件
小売店の運用代行は、次の4つの条件のどれかに当てはまると成果が出にくくなります。どれも契約前の取り決めで防げます。
セールの投稿を店頭の確認なしで公開すると、価格の食い違いが口コミに出る
代行会社がチラシやECサイトの情報から投稿を作り、店長の確認を経ずに公開すると、店頭の価格や在庫と食い違うことがあります。「投稿の価格と違った」という口コミは、投稿を消しても残ります。
防ぐには、投稿の材料は店舗が出し、公開前に店長が価格・期間・対象商品の3点を確認する手順を契約に入れます。投稿の種類は最新情報・特典・イベントの3つで、開始日と終了日を設定できるのは特典とイベントです(Googleの投稿に関するヘルプ)。セールは特典やイベントの投稿で作り、日付を店頭のセール期間と合わせてください。
チェーンの店舗名に駅名や商品名を足すと、プロフィールが停止される場合がある
「〇〇 駅前店 激安家電」のように、店舗名にキーワードを足す提案があります。Google に掲載するビジネス情報のガイドラインは、チェーンの拠点は同じ国の中で同じ名称にするのを原則としています。例外は、一部の店舗・ウェブサイト・事務用品で一貫して別の名称を使っている場合と、サブブランドや部門のように事業の種類ごとに名称を分け、すべての拠点で一貫させている場合です。違反するとプロフィールが停止される場合があるため、店舗名の変更を提案されたら、看板の表記と同じかを確かめてください。
口コミの依頼をポイントや割引と結びつけると、Googleのポリシーに反する
「口コミを書いたらポイント2倍」のように、口コミと特典を結びつける依頼は、Googleの「禁止または制限されているコンテンツ」で禁止されています。
代行会社が店頭用のPOPを作る場合は、特典の文言が入っていないかを確かめます。特典の置き換え方は口コミで割引はGoogle規約違反になる理由と置き換え表にまとめています。
在庫の棚卸しや年末年始の休業を反映しないと、来店したお客さまが閉まった店舗に着く
在庫の棚卸しや年末年始の休業が営業時間に反映されていないと、お客さまは閉まった店舗に着き、その不満が低評価の口コミになりやすくなります。代行会社は休業日を知らないため、店舗から伝えない限り反映されません。
休業の予定は1か月前までに代行会社へ伝える、と取り決めておけば防げます。
この章の結論。4つの失敗は、どれも「店頭の情報が代行会社に届かない」か「代行会社の提案をそのまま通す」ときに起きます。投稿の確認、店舗名、口コミの依頼方法、休業日の連絡を、契約時に誰が行うか決めておきます。
MEO運用代行と契約する前に確かめること
契約前に確かめるのは、管理権限・提案の中身・返信の承認・報告・解約時の扱いです。Googleは代行会社などの第三者に向けたポリシーを公開していて、契約書と照らし合わせて確かめられます。
契約書と提案書で確認する6項目
- 店舗(自社)が常にオーナー権限を持つか。Googleのビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシーは、顧客が常にオーナー権限か共同オーナー権限を持つこと、顧客から通知を受けてから7営業日以内に、代行会社の管理サービスとの関連付けを解除し、顧客が排他的な管理権限を取り戻せるようにすることを求めています
- 上位表示の保証や、「Google 認定」のようにGoogleの関係者と誤解させる組織アカウント名がないか。どちらも同じポリシーで、虚偽や誤解を与える主張の例に挙がっています
- 商品の在庫をGoogleマップに表示すると提案されたら、どの仕組みで表示するか。ビジネスプロフィールのローカル在庫アプリで商品を自動で追加できるのは、ヘルプ上、米国・カナダ・英国・アイルランド・オーストラリアの販売者です。日本の店舗では、Merchant Center にローカル在庫のデータを送り、無料ローカル リスティングで表示する方法があります(ローカル在庫広告と無料ローカル リスティングの概要)
- 口コミ返信を公開前に店舗が確認する手順があるか。Googleは「すべてのクチコミに対して感謝の意を公開する必要はありません」としているので(クチコミを増やすためのヒント)、全件返信より、返品や接客への苦情にどう答えるかの方針を先に決めます
- 月次報告に閲覧数・通話数・ルート・ウェブサイトのクリックと、口コミの件数・評価が入っているか
- 最低契約期間と、解約時に投稿文や写真の元データを受け取れるか
代行会社を変更するときの権限と引き継ぎの手順は、MEO代行会社を乗り換える手順と確認表で解説しています。
自社で行う作業と依頼する作業
小売店で店舗が受け持つのは、店頭でしか分からない情報と、方針の判断です。
- 自社で行う作業:セール・入荷・価格の情報を出す、投稿と返信を公開前に確認する、店頭で口コミを依頼する、休業日を事前に連絡する、返信の方針を決める
- 依頼する作業:投稿文の作成と公開、口コミ返信の作成、Googleによる変更や第三者の編集の確認、写真の追加、月次の数字の記録
この分担で進めたい場合、口コミ返信までのMEO対策の代行では、口コミへの返信文はコレットラボが用意し、店舗に内容を確認していただいてから投稿します。毎月、表示回数・電話ボタンのタップ・経路検索を確認します。
この章の結論。契約書では、オーナー権限が店舗にあることと、返信を公開前に店舗が確認する手順の2つを最初に確かめます。上位表示を約束する提案は、その時点で比較の対象から外して構いません。在庫の表示を提案されたら、在庫のデータを誰が用意して更新するかを確かめます。
小売店のMEO代行についてよくある質問
小売店のMEO代行に、商品の在庫をGoogleマップに出す作業も任せられますか?
ビジネスプロフィールのローカル在庫アプリで商品を自動で追加できるのは、ヘルプ上、米国・カナダ・英国・アイルランド・オーストラリアの販売者です。日本の店舗では、ビジネスプロフィールの商品エディタで代表的な商品を登録する方法と、Merchant Center にローカル在庫のデータを送り、無料ローカル リスティングで表示する方法があります。在庫のデータは店舗のPOSレジや在庫管理から出すため、代行に任せる場合も、誰がデータを用意して更新するかを先に決めてください。価格や在庫の変わりやすい商品は、投稿で期間を区切って案内する方法もあります。
チェーンで店舗ごとに別の代行会社と契約しても大丈夫ですか?
契約はできますが、店舗名・営業時間の表記や口コミ返信の言い回しが店舗ごとにばらつきます。本部がオーナー権限を持ったうえで、表記と返信の方針を本部で決め、各代行会社に同じ方針を渡すと、店舗の間の違いを抑えられます。
事例に「来店数が増えた」とありますが、Googleの数字で来店数は分かりますか?
分かりません。ビジネスプロフィールで見られる主な指標は閲覧数・通話数・ルート・ウェブサイトのクリックで、来店そのものは数えていません。事例の来店数がPOSレジの客数なのか、ルートの数を来店と呼んでいるのかを、営業担当者に確かめてください。
口コミ返信だけを代行に依頼し、投稿は自社で続ける契約はできますか?
作業ごとの契約を受ける代行会社もあります。見積もりでは、月の返信件数の上限、上限を超えた分の料金、公開前に店舗が確認する手順の有無を確かめましょう。投稿を自社で続けるなら、返信と投稿で言い回しがずれないよう、方針を代行会社と共有しておきます。
今日できる最初の一歩として、スマホでGoogleマップを開き、自社の店舗名で検索して、営業時間と次の休業日が今の予定と合っているかを確かめてください。代行会社から提案書を受け取っている方は、続けてMEO代行の提案書の読み方で、狙う検索語と作業計画を確かめられます。
ここまで読んで、店頭の情報は出せても投稿や返信まで手が回らないと感じた方は、まずは今の運用状況をお聞かせください。更新する時間が取れない場合は投稿と口コミ返信を任せるMEO運用代行を、社内で続けたい場合は担当者の運用の支援をご案内します。
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