工務店の集客方法|Googleマップ口コミの依頼文例と外注範囲の表
この記事の要点
- 施主への口コミ依頼は、引き渡し時と初回点検の2回に全員へ同じ文面で送る
- 返信に施主名・地名・工事内容を書かない。返信の型は本文に掲載
- 外注費は拠点数と作業範囲で変わる。契約前に確認する質問は7つ
工務店の集客には、住宅ポータルサイト、見学会、ホームページなど複数の経路があります。この記事では、そのうちGoogleマップを使う方法を扱います。Googleマップで取り組むことは、次の3つです。
- 会社の情報を正しく登録する
- 引き渡し後に施主へ口コミを依頼する仕組みを作る
- 施工写真を更新し続ける
このうち施主への声かけと返信の最終確認は社内で行い、写真の投稿や情報の更新は外注できます。
この記事は、新築・注文住宅を手がける工務店で、Googleマップ対策を自社で続けるか代行会社に依頼するかを決めたい経営者の方に向けて書いています。施主への依頼文、返信の型、外注の見積もりを比べるときの確認質問を、読み終わったらそのまま使えるように載せています。
リフォームや外壁塗装が中心の会社は、リフォーム会社向けのGoogleマップと口コミの増やし方もあわせてご覧ください。Googleビジネスプロフィールの登録手順は、この記事では扱いません。
Contents / 目次
工務店の集客でGoogleマップが担う役割と、取り組む3つのこと
工務店の集客でGoogleマップが担うのは、「地域名+工務店」「地域名+注文住宅」で検索した人に、会社の場所・施工写真・施主の口コミをまとめて届ける役割です。こうした地域名入りの検索では、検索結果の上部に地図と会社の一覧が表示されることが多くなります。そのため、比較を始めたばかりの施主の候補に入るかどうかに関わります。
MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップや地図付きの検索結果で自社を見つけてもらいやすくする取り組みのことです。情報を登録する場所は、Googleビジネスプロフィールという無料の管理画面です。ここで入力した会社情報・写真・口コミへの返信が、そのままGoogleマップに表示されます。
工務店の場合、施主からの口コミは、飲食店や美容室と違い、引き渡した棟数までしか増えません。仮に年間15棟を引き渡す会社なら、施主の全員に書いていただいても1年で15件です。依頼を1件忘れるだけで、その年に施主から届くはずの口コミが約7%減ります。近隣の方や見学会の参加者が口コミを書くこともありますが、こちらは自社から依頼するものではありません。
そのため工務店では、口コミの件数を目標にするより、「引き渡した施主の全員に依頼できたか」を数えるほうが実態に合います。取り組む3つのことと、社内で行う部分・外注できる部分は次のとおりです。
| 取り組むこと | 中身 | 社内でしかできない部分 | 外注しやすい部分 |
|---|---|---|---|
| 会社情報の登録 | 社名・住所または対応エリア・電話番号・営業時間・カテゴリ | 対応エリアと得意な工事を決めること | 入力作業と、ホームページとの表記の統一 |
| 施主の口コミ | 引き渡し後の依頼と、口コミへの返信 | 施主への声かけと、返信内容の最終確認 | 依頼文の作成、返信の下書き、件数の集計 |
| 施工写真の更新 | 完成写真・工事中の写真・見学会の告知 | 撮影と、施主から掲載の許可をいただくこと | 写真の選定、説明文の作成、投稿作業 |
この章の結論。施主からの口コミは引き渡し棟数が上限です。依頼漏れを無くすことが、件数を増やすことより先に来ます。外注を考えるときは、この表の「社内でしかできない部分」を誰が担当するかを先に決めます。
施主の口コミの集め方と返信の型。引き渡し後の4ステップ
施主の口コミは、依頼するタイミングを工程に組み込み、全員に同じ文面を送る形にすると、途切れずに集まります。営業担当の判断に任せると、担当者によって依頼する・しないが分かれ、依頼漏れがどこで起きたかも追えなくなります。
ステップ1。依頼のタイミングを引き渡し時と初回点検に決める
口コミの依頼は、引き渡しの当日と初回点検の2回と決め、引き渡しのチェックリストに1行ずつ加えます。家づくりを振り返る機会になるのは、この2回です。
- 引き渡し当日。鍵をお渡ししたあとに一言お願いし、口コミ投稿用のQRコードを印刷したカードを取扱説明書のファイルに同封する
- 初回点検の前後。点検日程の連絡と一緒に、次のステップ2の依頼文をLINEかメールで送る
- 毎月1回。引き渡し台帳に「依頼日」「投稿の有無」の2列を足し、依頼していない施主がいないかを確認する
口コミ投稿用のリンクとQRコードは、Googleビジネスプロフィールの「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」を選ぶと取得できます。表示されるメニューの名前や位置は変わることがあるため、リンクまたは QR コードを作成してクチコミをリクエストする(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)で最新の手順を確認してください。
ステップ2。施主に送る依頼文を用意する
依頼文は、引き渡した施主の全員に同じ文面で送ります。何を書けばいいか迷わないよう、書く内容のヒントは添えます。ただし、文章そのものは施主にお任せします。
[施主のお名前]様
このたびは、お引き渡しまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
もしよろしければ、家づくりを振り返った感想を
Googleマップの口コミにお寄せいただけないでしょうか。
これから家を建てる方が、会社を選ぶときの参考になります。
・打ち合わせで印象に残ったこと
・工事中の現場や職人の対応
・住み始めてからの感想
など、思い出したことを自由にお書きください。
気になった点も、そのまま書いていただいて大丈夫です。
投稿はこちらのリンクからできます。
[口コミ投稿用のリンクを入力]
お名前は、Googleアカウントに登録している表示名で公開されます。
ご住所や建てた場所が分かる内容は、書かないようお願いいたします。
投稿は任意ですので、ご都合のよいときにお願いいたします。
[会社名] [担当者名]
口コミの投稿を、謝礼・値引き・点検の優遇の条件にしてはいけません。Googleの禁止または制限されているコンテンツ(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)は、クチコミの投稿と引き換えに金銭的報酬・割引・無料の商品やサービスなどを提供する行為を禁止しています。
2023年10月1日からは、広告であることを隠す表示が景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になりました(消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」)。文面の線引きは景品表示法に触れない口コミ依頼文の作り方で詳しく解説しています。
引き渡し後のアンケートと口コミの依頼を自社で続けたいのに、施主ごとの記録が追いつかない場合は、無料で始められる口コミ管理ツールを使う方法もあります。
ステップ3。施主の口コミへの返信の型を決める
口コミへの返信は、お礼と今後の対応だけを書き、施主が特定される情報は一切入れません。Googleのユーザーからのクチコミを管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)には、「クチコミに返信することで、ユーザーの意見を尊重していることをアピールできます。」と書かれています。返信するにはオーナー確認を済ませておく必要があることも、同じページに記載があります。
返信に書かないのは、次の5つです。
- 施主の名前
- 町名や番地
- 「〇〇町の平屋」のように場所が分かる言い方
- 工事金額
- 家族構成
「〇〇町の△△様邸、吹き抜けのある平屋で…」と書くと、近所の方には誰の家か分かってしまいます。
家づくりの感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
打ち合わせのたびにご要望を具体的に伝えていただいたおかげで、
現場も迷わず工事を進められました。
これからの点検でもお伺いしますので、
気になることがあれば、いつでもご連絡ください。
[会社名]
返信の下書きはAIで作ることもできます。その場合は、AIには口コミの本文だけを入力し、施主の名前や住所は入力しません。出てきた下書きに地名や工事内容が入っていないかを、投稿する前に社内で確認します。
ステップ4。施工写真は公開前に確認する
施工写真をGoogleマップに投稿する前に、次の項目を1枚ずつ確認します。完成した家の写真には、施主の暮らしが写り込みやすいからです。
- 表札・郵便受け:名前が読めないか
- 車のナンバー:駐車場や前の道路の車が写っていないか
- 周辺の景色:電柱の住所表示、隣の家、目立つ建物から場所が分からないか
- 人物:施主やご家族の顔が写っていないか
- 室内:書類・カレンダー・写真立てなど私物が写っていないか
- 掲載の許可:写真をGoogleマップに載せることを、施主から書面かメールで了承いただいているか
この章の結論。口コミの依頼は工程に組み込み、全員に同じ文面を送ります。返信と写真は、施主が特定されないかを確認してから公開します。この確認は社内に残すべき作業なので、外注する場合も最終確認をする社員を決めておきます。
工務店のGoogleマップ対策がうまくいかない4つの条件
工務店のGoogleマップ対策は、工事の現場や施主との関係から生じる、次の4つの条件でつまずきやすくなります。どれも登録や投稿のやり方とは別のところで起きます。
工事中の近隣の方から低評価の口コミが付く
工事の騒音、工事車両の駐車、職人の挨拶について、施主ではなく近隣の方が口コミを書くことがあります。付いた口コミは施主の口コミと同じ一覧に並ぶので、評価の平均が下がります。事実に基づく苦情であれば、削除の対象にならない場合もあります。
防ぐには、着工前の近隣挨拶で工期と連絡先を書いたお知らせを配り、苦情は電話で受けられるようにしておきます。口コミが付いたときは、お詫びと実施した対応だけを返信し、現場の場所は書きません。削除できる口コミかどうかの判断は、Google口コミの削除依頼が通る基準で確認できます。
住所を非表示にして、対応エリアが伝わらない
自宅兼事務所や資材置き場で登録し、住所を非表示にしている工務店は、Googleビジネスプロフィールの「サービス提供地域」に対応エリアを入れます。サービス提供地域は市区町村や郵便番号で指定でき、事務所で接客していない場合は住所を削除してサービス提供地域だけを入力します(非店舗型ビジネスとハイブリッド型ビジネスのサービス提供地域を管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ))。この設定と、ホームページや住宅ポータルサイトに書いた対応エリアが食い違うと、施主は依頼できる地域かどうかを判断できません。
社名・電話番号・対応エリアを1つの表に書き出し、Googleビジネスプロフィール、ホームページ、ポータルサイトの記載をそろえます。住所を非表示にした登録の進め方は住所非公開でGoogleビジネスプロフィールを登録する手順にまとめています。
口コミの依頼が営業担当ごとにばらつく
依頼するかどうかを担当者に任せると、関係の良かった施主にだけ依頼が集まります。満足した人を選んで依頼する形になり、Googleのポリシーに触れるおそれもあります。肯定的なクチコミだけを選んで依頼することは、禁止または制限されているコンテンツ(マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)の「偽のエンゲージメント」の項で禁止されています。
防ぐには、ステップ1の引き渡し台帳で、依頼日が空欄の施主を毎月確認します。依頼の対象は「引き渡した施主の全員」という1つの基準にしておきます。
施主に代わって口コミの文章を作る
「何を書けばいいか分からない」と言われて、担当者や口コミの文章を自動で作るツールで文章を用意すると、施主本人の体験を本人が書いた口コミではなくなります。似た言い回しの口コミが続くと、読む側も不自然に感じます。
施主にお伝えするのは、ステップ2の依頼文にある「印象に残ったこと」のような問いかけまでにします。短い口コミでも、施主本人の言葉で書かれたものを大切にします。
この章の結論。4つとも、施主や近隣との関係の中で起きる失敗です。代行会社に任せても防げないので、「近隣への対応」「依頼の記録」「口コミは施主本人に書いていただくこと」の3つは社内で決めておきます。
外注するときの費用の内訳と、契約前に確認する7つの質問
Googleマップ対策の外注費は、代行会社と作業範囲によって大きく変わります。そのため、見積もりは総額ではなく、「何を・何件・誰が行うか」の内訳で比べます。
外注費が変わる条件
見積もりの金額は、主に次の6つの条件で変わります。見積書にこれらの記載が無い場合は、確認してから比べます。
| 条件 | 費用が上がる例 | 見積もりで確認すること |
|---|---|---|
| 拠点数 | 本社・支店・モデルハウスを別々に運用する | 1拠点あたりの金額かどうか |
| 口コミの返信 | 返信文を代行会社が書き、件数に上限がない | 月の上限件数と、自社で最終確認する流れがあるか |
| 投稿と写真 | 撮影のために現場へ来てもらう | 写真は自社から提供するのか、撮影費込みか |
| 初期設定 | カテゴリ・説明文・対応エリアを見直す | 初期費用に含まれる作業の一覧 |
| 順位の計測と報告 | 計測するキーワードの数が多い | キーワードの数と、報告に電話件数なども含まれるか |
| 契約期間 | 最低契約期間が長い | 解約するときの条件と、アカウントの権限の扱い |
見積書の項目を1つずつ確認するときは、MEO代行の見積もりチェックリスト12項目も使えます。
費用対効果は「年間費用÷1棟あたりの粗利」で考える
工務店の場合、外注費を回収できるかどうかは、何棟の契約が増えれば元が取れるかで考えます。仮に月3万円で依頼すると年間36万円です。この36万円を自社の1棟あたりの粗利で割れば、回収に必要な契約棟数が分かります。
注文住宅は問い合わせから契約まで時間がかかるため、月ごとの順位だけで続けるかどうかを決めないようにします。問い合わせのフォームと電話で「何で当社を知ったか」を毎回確認し、Googleマップ経由の問い合わせ数を記録します。記録があれば、半年後や1年後に外注の前後を比べられます。
契約前に代行会社へ確認する7つの質問
- オーナー権限は自社のまま、代行会社を管理者として追加する形で進められますか(権限の違いはGoogleビジネスプロフィールの権限の違いで確認できます)
- 口コミへの返信文は、公開前に自社で確認できますか
- 口コミを増やすために、どのような依頼のしかたを提案していますか(謝礼や特典と結びつける提案があれば、その時点で見送ります)
- 施工写真の撮影と選定は誰が担当し、施主から掲載の許可をいただくのは誰ですか
- 報告書には、順位のほかに電話・ルート検索・ウェブサイトへのクリックの件数も含まれますか
- 対策するキーワードに、「地域名+注文住宅」のように自社の事業に合う語が入っていますか
- 解約したとき、投稿した写真・説明文・アカウントの権限はどうなりますか
自社で行う範囲と依頼する範囲
- 自社で行う範囲:施主への声かけ、写真掲載の許可、返信の最終確認、近隣対応、オーナー権限の管理
- 依頼できる範囲:依頼文と返信の下書き、施工写真の選定と投稿、会社情報の更新、毎月の件数の集計
施主への声かけは社内で続けられても、返信の下書きや写真の投稿まで手が回らない場合は、施主の口コミ返信まで任せるMEO対策の代行をご相談いただけます。返信の型を決めたうえで、毎月の返信と投稿を代行します。
この章の結論。見積もりは総額ではなく内訳で比べます。オーナー権限・返信の確認・解約時の扱いの3点を契約前に書面で確認すれば、外注しても主導権は自社にあります。
工務店のGoogleマップ口コミでよくある質問
施主から「名前を出したくない」と言われたら、どうすればいいですか?
Googleマップの口コミは、施主のGoogleアカウントの表示名で公開されます。GoogleのGoogle マップでクチコミと評価を追加、編集、削除する(マップ ヘルプ)にも、クチコミを書くと自分の名前が他のユーザーに表示されると記載されています。
名前を出したくない方には、無理にお願いしないでください。ホームページに掲載する「施主の声」など、別の形でご協力いただく方法もあります。表示名の仕組みは口コミの名前表示と匿名希望のお客様への答え方で解説しています。
年間の引き渡しが10棟ほどで、口コミが年に数件しか増えません。少なすぎますか?
施主からの口コミは引き渡し棟数が上限なので、年に数件でも不自然ではありません。まず、引き渡した全員に依頼できたかを確認してください。依頼した人数に対して投稿が少ない場合は、依頼文とタイミングを見直します。
口コミに大工さんや協力業者の名前が書かれていたら、返信で名前に触れてもいいですか?
職人や協力業者本人の了承があれば、「現場の者にも伝えます」と触れてかまいません。了承がない場合は名前を出さず、「現場の担当にも共有します」と書きます。職人の方にも、名前がネットに出ることを嫌う方がいるためです。
退職した営業担当がGoogleビジネスプロフィールの管理者のままです。放っておいても問題ありませんか?
退職した人が口コミへの返信や情報の変更をできる状態は危険なので、早めに権限を外してください。その担当者がオーナーだった場合は、会社のアカウントへ権限を移してから外します。手順は退職前の安全な権限の引き継ぎ手順にまとめています。
今日できる最初の一歩は、直近1年に引き渡した施主の人数と、そのうち口コミが付いた件数を数えることです。数字の差が、依頼漏れの大きさです。引き渡し時にお渡しするカードを作るときは、Google口コミQRコードの作り方と設置場所を参考にしてください。
依頼文や返信の確認は社内で進められそうでも、写真の投稿や毎月の更新まで続けるのは難しいと感じた方は、写真の投稿まで含むGoogleマップの運用代行をご検討ください。いまの登録内容と引き渡し後の流れを伺ったうえで、社内で続ける作業と任せる作業を一緒に書き出します。気になったことがあれば、お気軽にご相談ください。
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